母の容態について担当の先生からお話があった。
5日ほど前から酸素吸入器をつけていることと、その翌日部屋を替ったことについての説明だった。
替った部屋には血圧やら脈拍やらのモニターがセットされている。
「前日の夜に血圧が急上昇して、しばらくして下がり始めたら、今度は下がり続けて、
心配したけれど、今は落ち着いています」ということだった。
そのことがあって、モニター付の部屋に移ったのだそうだ。
母はここ10日以上も眠り続けている。
先々週辺りは、呼ぶとかすかに目を開けていた。
でも、すぐにまた閉じて眠りに戻ってしまう。
今は呼ぶと瞼が少しピクリとするだけで、聞こえてはいるのかも知れないが、目は開かない。
一日中そんな様子だそうだ。
会いに行っても、寝顔を見て帰ってくるだけだ。
それでも、安らかに眠っている姿を見ると、ほっとする。
私たちが一番恐れていたのは、癌がもたらす痛みだった。
胃がんで痛みに苦しみながら死んだ父を見ているので、それだけが恐怖だった。
今はすぐに痛み止めが処方されて、痛みを我慢することもないと聞いているけれど、
やはり、痛み止めが聞かなくて苦しんだという話も聞く。
運良く、母が痛みで苦しんでいる様子はまったくない。
「少しでも痛みを感じているようならいつでも対処できるようにしているんですけど、
そんな様子が全然ないんです」と先生もおっしゃっていた。
いくら何でも、痛ければ、あのように安らかには眠っていられないだろう。
もしかしたら、癌で、痛みを感じる機能も破壊されているのかも知れないが、
それなら、ラッキーと言っても良いと思う。
死の恐怖を感じることもない。
きっとこのまま眠りつづけて、ある日自然に呼吸が止まるのだろう。
案外良い死に方なのではないかしら。
。
お医者さんの本に書いてありました。
私の父も、胃がんで手術して、最後はモルヒネのせいで可哀相でした。
お母様、痛みなど無く、穏やかに過ごせるといいですね。
母は、文字通り実践していることになりますね。
ありがとうございます。
このまま穏やかに逝ってほしいと思います。