昨年、おおみそかまであと数日に迫った頃、、長年のお友達、M子さんとのランチに出かける準備をしていた。
ちょっとテーブルの上に置いたピアスを取ろうと腰をかがめた瞬間、その腰のやや左側がギクッと、鳴った。
ああ、ぎっくり腰だー
数秒して痛みがじわじわ押し寄せてきた。
でも、今回はさほど重症でないようだ。
ぎっくり腰は何度か経験しているからわかる。
それでも安静にしていた方が良いに越したことはないけれど、M子さんと私の休日が合うのは久しぶりだったし、痛くて歩けないと言うほどでもないので、痛いあたりに湿布を貼って出かけることにした。
M子さんに会って、「今日は私ぎっくり腰だから、歩き方がおばあさんみたいだけどごめんね」と言うと、あら、大丈夫?今日はあまり歩かないようにしようね」と言ってくれた。
そこで、近めのレストランへ向かって歩き出したのだが、歩いている途中で彼女があっと言った。
突然膝ががくっとしたというのだ。
大丈夫?ときくと、大丈夫と答えて歩き出したけれど、その後も「あ、何か変」とたびたび膝を押さえるしぐさをする。
そのうち、ちょっと痛いみたいと言い出した。
それを聞いて、なんだか可笑しくなって吹き出してしまった
腰病みと膝病みの珍道中だ。
M子さんとのお付き合いは長い。30年近くなる。
年齢も同じだし、好きなものも似ている。
でも、30年の間に身体的若さでは大きく差がついてしまった
あっちが痛いこっちが痛いと、病院と縁が切れない私に対して、彼女は胃カメラともMRIとも無縁だ。
一度転んで手首を骨折した以外、たまに病院へ行ってきたと言えば歯医者さんくらいだ。
眠れないと言う話も聞いたことが無い。
ほんとうに羨ましい。
そんな健康体の彼女だから、膝が痛いというのを聞いて、「ああ、遂にあなたもなのね」という感じで、ちょっと嬉しくなってしまった。
そんな私は、人が悪いだろうか。
私のぎっくり腰は、カイロを貼って温めていたら、一週間で完治した。
彼女の膝も今頃は直っているだろう。
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