地下街の大通ビッセ入口前に、札幌近郊の農家さんやキノコ王国などがよく直売所を出している。
その日は、札幌の養蜂業者さんも出店していて、自社製の蜂蜜が何種類か売られていた。
アカシアなどの純粋蜂蜜はお高くてとても手がでないので、百花蜂蜜はないかなと見ると、1200gで3200円くらいだったか、草花蜂蜜というのを売っていた。
何にせよ国産としてはお買い得なお値段だ。
でも、かなり色が濃いのが気になる。
その経験があるので、濃い色の蜂蜜には警戒してしまう。
「草花って、主に何ですか?」と、訊いてみると、虎杖だという。
私 「 え?虎杖って、あの虎杖?」
店員さん 「そうそう、あの虎杖です」
私 「ええー!虎杖って蜂蜜になるのー?」
店員さん 「なるんですねー、ちょっと意外ですよね」
「で、どんな味なんですか?」と、更に私。
「ちょっとクセがあるけど、普通の百花蜂蜜と変わりませんよ」と、店員さんが自信をもっておっしゃるので、それならばと、買ってみた。
帰宅して早速スプーンに一杯お味見してみると、確かにややクセはあるが濃厚な感じがして美味しい。
そのころ食べていたアルゼンチン産アカシア蜂蜜をいったんおいて、こちらを食べ始めた。
使い易いように小瓶に分けた分があるので、かなり減っている。
で、こんなに減った今、何がどうしたのかというと、
昨日、近くのスーパーへの道端で虎杖の花が咲いているのを見たからだ。
虎杖がそこにあることは知っていたのよ。
でも、何十年も通っていて花に気づいたのは初めて。
毎年咲いていたはずなのに。
蜂蜜のことで、蜜蜂が蜜吸いに来るのなら花が咲くんだろうなと気にしていたからだろう。
写真ではやや黄色く見えるけれど、実物はほぼ真っ白と言っても良い。
蜜蜂は香りを嗅ぎつけて来るはずと思ってかいで見ると、かすかだけれど、香りがある。
あ、蜂蜜の香りと感じたのは期待していたからかも知れないけれど、確かに香る。
蜜蜂はいなかったが、蟻がたくさん登ってきているのを見ると、甘いのだろう。
世界の嫌われものになっている虎杖だけれど、蜂蜜が獲れるとなるといくらか見方も違ってくるよね。
イギリスでは、土地の売買契約書に、虎杖がはえているかどうかという項目があるそうだ。
生えていないと言って、後から生えているのが分かったら、契約違反で罰せられるのでしょうね。
それほど嫌われものなのよ。
そんな虎杖にも花言葉がある。
「力強さ」と「忍耐」だそうだ。
どんな困難な環境でも根を張り、成長し続ける虎杖の姿を現しているそうだ。
でもね、そこが嫌われる所以なのよね。
いくら蜜が獲れるといっても、こんなところに蜜蜂が来るはずもなく、やはり迷惑な雑草ということになる。
適材適所という言葉を思い出した。
こういうときに使える言葉かどうかはわからないけど。
でも、虎杖のイメージが、いくらかアップしたのは確かかな。