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韓国時代劇でブレイクする若手俳優が多い理由

2019-09-30 | 韓国芸能情報(映画・ドラマ・他)

韓国時代劇でブレイクする若手俳優が多い理由。
毎週日曜夜にNHKで放送されている韓国時代劇『不滅の恋人』。
韓国では『TV朝鮮』というケーブルチャンネルでありながら
話題を集めた作品だけに、日本でも毎週放送を楽しみに
している人は少なくないだろう。
イ・フィ役を務めている俳優ユン・シユンは、『製パン王キム・タック』
で大ブレイクした俳優。近年、時代劇で再び存在感を示している
俳優だということをご存知だろうか。
ユン・シユンは除隊後の2016年に『魔女宝鑑~ホジュン、若き日の恋~』
で時代劇に初出演すると、『不滅の恋人』『緑豆の花』で熱演を
繰り広げた。ユン・シユンを“時代劇職人”(『Newsen』)と
表現する韓国メディアもあるほどだ。
実はユン・シユンのように、時代劇を通じて存在感を示した
俳優は少なくない。
例えば、最近は女優ソン・ヘギョとの離婚で話題を集めた
ソン・ジュンギだ。
彼は『トキメキ☆成均館スキャンダル』や『根の深い木』で、
しっかりとした演技力を見せ、俳優としての地位を確固たるものにした。
その後の活躍は『太陽の末裔』など、日本でも知られているところだろう。
また、歌手やバラエティ番組で活躍していたイ・スンギも、
『九家の書』で時代劇デビューし、それが好評を得たことで俳優活動の
幅が広がったといえる。そんな『九家の書』で共演した女優ペ・スジと、
現在はドラマ『バガボンド』で共演しているのだからおもしろい。
『星から来たあなた』で知られるキム・スヒョンも、時代劇でその名を
上げた最たる例だろう。
韓国で最高視聴率42.2%を叩き出した時代劇『太陽を抱く月』を
きっかけに、存在感を大きく示した。前出の『星から来たあなた』は
もちろん、韓流スターが一堂に会した映画『10人の泥棒たち』で
主役級のキャラクターを務めるなど、成長著しかった。
こうした傾向は2019年に入っても続いており、『王になった男』の
ヨ・ジング、『新入史官ク・ヘリョン』のチャ・ウヌ、来る10月4日から
放送予定の『私の国』ウ・ドファンなどがいる。
なぜ“時代劇”なのか
それにしても、なぜ彼らは時代劇の出演を選ぶのだろうか。
ひとつは、時代劇の制作費が関係しているだろう。
一般的に、韓国での平均的なドラマ制作費は3~6億円といわれている。
対して時代劇は10億円を超えることも珍しくない。そのためテレビ局や
制作会社、スポーンサーは時代劇の完成度に厳しい視線を向ける。
逆にいえば、作品が成功した場合、それが俳優の評価に直結すると
いうわけだ。
次に、時代劇には現代劇にはない難しさがある。
時代劇はセリフのトーンや表情などが現代劇とは大きく違うため、
たしかな演技力がない俳優が演じると違和感が顕著で、視聴者からの
容赦ない非難が殺到する。
そのため時代劇に挑戦する俳優たちは、現代劇よりも多くの時間を
作品に割くといわれている。
難しさがあるがゆえに、時代劇で存在感を示すことができた若手俳優は、
一気にスターダムを上がることができるのだ。
そして韓国の時代劇は、幅広い層に見られるジャンルという点も
影響しているかもしれない。
近年、時代劇の人気は年配層だけではなく、歴史を学ぶという
観点や人気俳優が出演しているということから、学生をはじめとする
若者にまで拡大した。俳優たちを品定めする視聴者の目が増えた
ことにより、幅広い支持を得られる可能性があるわけだ。
批判される可能性も高いが、得るものも大きい。時代劇は俳優に
とって“ハイリスク・ハイリターン”な選択といえる。
だからこそスターを目指す若手俳優や存在感を示したい俳優が、
時代劇に挑戦するのだろう。
いずれにしても、ユン・シユンが時代劇を通じて、さらなる飛躍を
果たしたことは間違いない。そんな彼が出演する『不滅の恋人』を
楽しみたい。
慎武宏 | ライター/スポーツソウル日本支社長



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