TOはアメリカ東部にあるアイビーリーグの某大学に留学していました。
世界中から人が集まる有名大学ですので、大学での付き合いで仲良くなった学生同士のネットワークは実に世界中にあり、「おそらく五大陸どこに行っても案内してくれる友人は必ずいる」という関係を築けたことが最も収穫と言えることだ、とTOは言います。
スペインの名家の出で、国王から表彰されたこともあるC。
昔日本に来てドイツ医学を伝えていったベルツの子孫、M。
日本語の堪能な彼には、日本に来た時、別府地獄温泉のお土産『毎日が地獄です』Tシャツをあげました。(本日画像(^_^;)
もしドイツでこのTシャツを着ている人を見かけたら、それはMかもしれません。
メキシコ大統領になる「予定」の男性。インドの国連代表の息子。
そうそう、シーボルトの親族、というドイツ人もいましたっけ。
そういう綺羅星のような学生の中に混じってなぜうちの父ちゃんが、と思わないでもない日々ではありましたが・・、
ともあれ、彼らは―たとえ国同士が仲が悪いとされている国の出身でも―不思議なくらい仲良く、互いを尊重しあう学生生活を送っていたように思います。
例えばこんなことがありました。
日、中、韓三か国の学生たちの間で親睦会がもたれ、みんなで一度飲み会をしました。
貨幣価値がだいぶ日韓とは違う中国学生のことを考慮して、出来るだけお金のかからないところが選ばれたのですが、やはり彼らには負担だったようです。
日韓の学生は中国学生たちに気を遣い、彼らを誘うのは遠慮するようになったということです。
その大学生活の中である日こんな事件が起こりました。
ある中国出身の女子学生が、試験前にコンピュータを破損させました。
そこには試験のための大事なデータが入っていたらしいのですが、破損の原因というのがコーヒーをこぼしたことだった、というのです。
何故、試験前に大事なコンピュータの上でコーヒーを飲む?という突っ込みはさておき、困った彼女は、クラス全員に助けを求めるメールを送りました。
データは自力で何とかする。
とりあえず余ったPCがあったら誰か貸してはくれないだろうか。
TOも、なんとかなればいいとその収拾については気をもんでいたのですが、ほどなく彼女から再びクラス全員に宛ててメールが来たのです。
そのメールには驚くべきことが書かれていました。
「先日私のロッカーに2000ドルの(当時で22~3万円)現金のはいった封筒を入れてくれた人へ。
どなたか存じませんが、このお金は私のコンピュータに充てるべきものとしてあなたが下さったものだと思います。
私は今本当に困っているので、これを使わせていただきます。
しかし、このお金をもらってしまうわけにはいきません。
これを見ている中に、その誰かがおられたら、私だけにその名前を教えてください。
何年先になるかはわかりませんが、必ずそのうちお返しします」
今、中国は富裕層を多出しています。
あの大学に留学を果たした優秀な女子学生は、きっと今頃その一員になって、その良き隣人にお金を返したことと信じます。
もし、彼女のメールに答えて誰かが名乗り出ていれば、ですが。
こんなおとぎ話は、日本ではありえないことのように思います。
でも。
何人もの大統領を輩出し、アラブの石油王やイラクの王族(ビンラディンの息子もかつて学んだそうです)各国の要人の子弟が多く学ぶこの大学。
世界中の学生の憧れであるこの大学。
国や民族にかかわりなく、みながひとつの学問に情熱を傾けるこの大学。
この大学の教室で隣に神様が座っていたとしても、なんら不思議なことではないような気もした当時のエリス中尉でした。
世界中から人が集まる有名大学ですので、大学での付き合いで仲良くなった学生同士のネットワークは実に世界中にあり、「おそらく五大陸どこに行っても案内してくれる友人は必ずいる」という関係を築けたことが最も収穫と言えることだ、とTOは言います。
スペインの名家の出で、国王から表彰されたこともあるC。
昔日本に来てドイツ医学を伝えていったベルツの子孫、M。
日本語の堪能な彼には、日本に来た時、別府地獄温泉のお土産『毎日が地獄です』Tシャツをあげました。(本日画像(^_^;)
もしドイツでこのTシャツを着ている人を見かけたら、それはMかもしれません。
メキシコ大統領になる「予定」の男性。インドの国連代表の息子。
そうそう、シーボルトの親族、というドイツ人もいましたっけ。
そういう綺羅星のような学生の中に混じってなぜうちの父ちゃんが、と思わないでもない日々ではありましたが・・、
ともあれ、彼らは―たとえ国同士が仲が悪いとされている国の出身でも―不思議なくらい仲良く、互いを尊重しあう学生生活を送っていたように思います。
例えばこんなことがありました。
日、中、韓三か国の学生たちの間で親睦会がもたれ、みんなで一度飲み会をしました。
貨幣価値がだいぶ日韓とは違う中国学生のことを考慮して、出来るだけお金のかからないところが選ばれたのですが、やはり彼らには負担だったようです。
日韓の学生は中国学生たちに気を遣い、彼らを誘うのは遠慮するようになったということです。
その大学生活の中である日こんな事件が起こりました。
ある中国出身の女子学生が、試験前にコンピュータを破損させました。
そこには試験のための大事なデータが入っていたらしいのですが、破損の原因というのがコーヒーをこぼしたことだった、というのです。
何故、試験前に大事なコンピュータの上でコーヒーを飲む?という突っ込みはさておき、困った彼女は、クラス全員に助けを求めるメールを送りました。
データは自力で何とかする。
とりあえず余ったPCがあったら誰か貸してはくれないだろうか。
TOも、なんとかなればいいとその収拾については気をもんでいたのですが、ほどなく彼女から再びクラス全員に宛ててメールが来たのです。
そのメールには驚くべきことが書かれていました。
「先日私のロッカーに2000ドルの(当時で22~3万円)現金のはいった封筒を入れてくれた人へ。
どなたか存じませんが、このお金は私のコンピュータに充てるべきものとしてあなたが下さったものだと思います。
私は今本当に困っているので、これを使わせていただきます。
しかし、このお金をもらってしまうわけにはいきません。
これを見ている中に、その誰かがおられたら、私だけにその名前を教えてください。
何年先になるかはわかりませんが、必ずそのうちお返しします」
今、中国は富裕層を多出しています。
あの大学に留学を果たした優秀な女子学生は、きっと今頃その一員になって、その良き隣人にお金を返したことと信じます。
もし、彼女のメールに答えて誰かが名乗り出ていれば、ですが。
こんなおとぎ話は、日本ではありえないことのように思います。
でも。
何人もの大統領を輩出し、アラブの石油王やイラクの王族(ビンラディンの息子もかつて学んだそうです)各国の要人の子弟が多く学ぶこの大学。
世界中の学生の憧れであるこの大学。
国や民族にかかわりなく、みながひとつの学問に情熱を傾けるこの大学。
この大学の教室で隣に神様が座っていたとしても、なんら不思議なことではないような気もした当時のエリス中尉でした。