ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

犬派、猫派

2010-10-04 | つれづれなるままに
何故「派」なのか。
犬も好きだが猫も好き、生きとし生けるものみんな好き、というムツゴロウさんのような人はいないのか、と思って生きてきた、「生きとし生けるもの派」のエリス中尉でございます。

犬が好きなら猫は嫌い、猫好きは犬が嫌い、という図式を周りに数多く見てくると、お互いそれが好きな理由が、嫌いな方を好く理由と交わらないのですね。

いつも自分に最大の愛情表現を惜しみなくしてくれる犬が好きと言う人は、自分の都合のいいときだけすり寄ってきてあとは知らんぷりの猫は冷たいと思う。

ツンデレの猫が好きという人は、いつもハアハア尻尾を振られ、顔を舐められるのを鬱陶しいと思う。

社会生活において人間に対しては相手の性質、性癖によって対応を変え付き合うことを余儀なくされるものなのに、愛玩動物に対してはみな全く我慢しないってことでしょうか。



うちの家族は昔、あまり仲の良くなかった隣人がコリーを飼いだし、全く躾をせずにギャンギャン鳴かせる、うちの敷地に勝手に入ってきて糞をさせて放置する、という悪辣なふるまいをされて犬トラウマになってしまい、基本的には「ムツゴロウさん派」なのですが「犬は飼い主がまともだった場合に限り可」
という条件付きにシフトしました。

そう、確かに犬は飼い主のレベルを哀しいくらい踏襲する動物です。
うちの息子は現在隣家にいる人をみたら激しく鳴くミニチュア・ダックスが大嫌い。
家から走り出てきて鳴き叫ぶのですが、それを見ると

「アイ・ヘイト・犬!」

といつもつぶやくようになってしまいました。

躾もですが、飼い主にもモラルのない人がいるのが問題。
早朝公園を歩くと、なぜこんな暗い時間に散歩させているのか、ははあと思う飼い主を見ることがあります。

つまり目撃者がないと、そのまま置いていくんですね。
悪質な例では側溝に落として知らん顔、というのを見たこともあります。
誰も観ていないと片づけない飼い主、というのはエリス中尉調べでは全体の一割はいるのでは、とにらんでいます。

猫好きにも困った人はいて、いわゆる「猫おばさん」といわれる人たち。
野良猫に「可哀そうだから」と餌をやるひとたちです。
しかし「飼う」という責任を負わずに餌だけやると、そこに住みつかれて困る人だっているでしょう。
こちらも、可哀そうな猫に餌をやって満足したらあとはどこで糞をしようが住みついて植木を荒らされようが私の猫じゃないし、というあたりで無責任です。

つまり、エリス中尉は彼らに何の責任も持たないこのような「愛犬家、愛猫家」が嫌いなのだ。

昔「子供好き?」という質問には
「子供による」
と答えて、それだけが理由でもないでしょうが、かなりお嫁さん候補からハズされたであろうと思うエリス中尉です。
(この質問ヘンですよね。『人間好き?』って聞いているようなもん。
だいたい、子供好きをアピールしてポイント上げようとする女って何なの)
猫は無条件で好きですが、犬の場合なぜか
「犬にもよる」
となります。
これも隣家のトラウマでしょうか。
ゆえに
「犬、好きですか?」
と聞かれると
「躾けられている犬なら好き」
と答えます。

「頭の悪い男と躾けられていない犬はどうしようもない」

というのがエリス中尉の座右の銘です。

まあ、頭の悪い女も、躾けられていない猫も、どちらかというと好きではありませんが、世間に及ぼす害毒は上記に勝るものではないと信じているからです。


正確な資料ではありませんが、犬と猫の平均的な知能について、「猫は大体平均しているが、犬は個体差が激しく、天才もいれば超バカもいて、その差が激しい」と聞いたことがあります。
それはそのまま猫=女性、犬=男性に当てはまる傾向だというのですが・・・・。


ところで愛犬家は散歩をさせますから、「人犬一体」で世間の評価を受けることが多いのですが、思わず目を引く変わった種類の犬を得意げに連れている人、いますね。

パリのマダムが連れているような手足の長い高貴なサルーキを近所で見ますが、得意げな飼い主には申し訳ないのですが犬の格が高すぎて完全に犬の方がエラくみえてます。
あたかも犬のお供をする従者。
まあ、何を連れていても人の勝手とはいえ、選ぶ段階で
「自分とつりあう犬かどうか」という観点も必要ではなかったでしょうか。

この夏はどうしていたんだろうと心配になるくらい暑苦しいセントバーナードも近所にいますが、こちらも飼い主はみんなが
「ひえー」
「ふおー」
と見てくれるのが得意でたまらぬ様子。
犬が自分のアイデンティティを引き上げてくれてるって感じです。
しかし、こちらはなんだか飼い主と犬の雰囲気、そっくりです。
人犬一体化しています。
ちなみに飼い主は女性です。

この犬と一度カフェで同席しましたが、
「うぉーっほん、ごほごほ」とせき込み、床にだらだら涎を垂らし、
「おじいちゃん、昼ご飯はもうさっき食べたわよ」なんてセリフがふと浮かんだりしました。
飼い主さんは
「おっさんなんですよ~」
と言ってましたが、このおっさん犬、物静かで思索している風で・・・
なかなか風情があって悪くなかったです。
完全に犬という形の同居人。


さて、世に猫グッズというものがあります。
猫グッズだけでお店が開けてしまうんですね。
たしかに猫のシェイプは絵になりやすいので、モチーフとして好まれます。
しかし、猫グッズ専門店の人に言わせると、
「猫好きは猫グッズを買うが、犬好きは犬グッズを買わない」
ということです。

何故かというと、猫好きは全ての猫が好きだが、犬好きが好きなのは
「自分の飼っている犬の種類に限り
という傾向があるかららしい。
なるほど、たしかに犬のシェイプは各自違いすぎますものね。

で、猫グッズの店ばかりができるということらしいのですが、お皿やマグカップなどの陶器を扱う店でもこの傾向はあるそうです。
これも何故かというと
「売れない陶芸作家は取りあえず困ったら猫グッズを作って糊口をしのぐ」
という法則があるらしいのです。

この春、マネとフランス近代絵画展がありまして、そのときおみやげ屋にマネの「猫たち」という当時はやりの日本趣味の表れた作品のTシャツがあったので、TОがおみやげに買いました。
浮世絵にも猫が多く見られますが、ロートレックもマネも猫の絵を数多く残しています。

そのTシャツを見ながらTО、

「マネも大変だったんだな」

・・・それ違うから。