ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

中川昭一氏の遺したもの

2010-10-06 | つれづれなるままに
去年の10月3日。
金木犀の香を降る満月の日に、中川昭一氏は逝ってしまいました。

マスコミに泥酔会見を叩かれ、野党に引きずりおろされるように大臣を辞任してその後の選挙。
中川氏を落として十勝の選挙民はよりにもよって資金疑惑で真っ黒な売国議員を当選させました。
「政権交代」というキャッチフレーズに踊らされた愚民が熱に浮かされたように売国を甘い餌で包み隠した民主政権を選んでしまったあの選挙の直後でした。

その日、エリス中尉は新国立劇場でオペラ「オテロ」を観ていました。
意図を以て仕組まれた罠に嵌められ、無実の妻を絞殺してしまうムーア人(アフリカ系)の提督。
「ゴミの様な育ちが俺をこんなにした」
と自嘲する悪人、イヤーゴの陥穽にはまった末の悲劇でした。

その死を予兆するかのようにオテロの妻デズデモ―ナは眠りにつく前に神への祈りを捧げる凄絶なアリアを唄い、眠ったまま目覚めることなく夫の手にかかって死にます。

ちょうどその日、中川さんはやはり眠ったままであの世へ旅立ってしまいました。


中川さんの死がもしかしたら政治家として敵対していた某かの組織によるものかもしれない、という疑いを私はいまだ捨てきれずにいます。
「酩酊会見」が、中川昭一を引きずり下ろすために仕組まれたものだという可能性が濃いのと同じく、保守政治家として、あまりの敵の多さが、そう思わせずにはいられないのです。

中川昭一が公の場で酩酊をしただけの政治家ではなかったことを知っている人はどれくらいいるでしょうか。
マスコミが決して報じない、中川氏の功績を挙げてみます。
うちのTOは、法律と経済に深くかかわる職種で、決して「情報弱者」ではない立場ですが、それでも私からこれを聴いて「全く知らなかった」と言いました。
皆さんはいかがですか?


農林水産大臣時代には、中国から無制限で輸入されようとしていた農薬まみれの毒菜にポジティブリストを導入することによって歯止めをかけた

経済産業大臣のとき、親中派の二階俊博が打ちだした「東アジア経済連携協定構想」に異議を唱えた

財務大臣として金融援助をIМFに一本化し韓国やアイスランドから申し込まれた二国間融資は全て断った

北朝鮮の拉致問題に早くから取り組んできた議員の一人で、拉致議連の会長を務めていた

リーマンショックの影響後、すぐに政府保有株の売却凍結、空売り規制強化を決定

人権擁護法案には反対で、自民党内の賛成派の意見を刎ねつけていた。

IМFへのSDRを使った緊急融資制度「中川構想」を提案し、金融危機後、初めて新興国への融資を再開させ、ウクライナは感謝声明を発した

狂牛病問題ではアメリカの態度を正面から批判。検査体制の不備を「安全性よりもルールの問題だ」と言い切る

新興・中小国の救済のために、IMFに外貨準備金の一部を拠出する取り決めに署名した。その額(1,000億米ドル)は、IMF加盟国による資金提供としては過去最大規模であり、IMF専務理事のドミニク・ストロス・カーンは、「日本による融資は、これまでの人類史上で最大規模のものだ」という謝意を表明した

対中国に関しては常に警戒的な戦略を持っていた。
「日本は中国と経済連携協定締結の努力をするべきではない。なぜなら中国は日本国民の安全を保証できないからだ」とした

日本政府が凍結していた中国向け円借款の再開を決めたことについても、「なぜ中国に対し、また援助するのか。正直言って分からない」と、親中的な政策に異議を唱えた

水資源の問題を深く研究しており、水資源を買いあさる中国資本に懸念を示していた

靖国神社には毎年参拝している



マスコミはこれらの功績について一切報道せず、ただひたすら「一服盛られた」という噂のある会見をもって断罪し、野党と一緒になってこの有能な、真に日本のことを思う政治家を引きずりおろしたのです。

中川さんは生前「いつ殺されてもおかしくない。命をかけてやっている」
と言っていたと云います。

功績をみただけで、「命まで賭けなくてはいけない理由」がよくわかります。
中川さんのブログの最後には
「今日本が危ない」
と記されていました。


十月のある晴れた日、麻布の某寺院にて中川さんのお葬式が行われました。
ほんの少しのご縁があっただけですが、中川さんにお別れの御挨拶に行きました。
心から尊敬する政治家、そして魅力ある男性でもあった中川さんに最後のお礼を言うために。

中川さんを乗せた車が通り過ぎるとき誰かが泣き声で
「先生の遺志を継ぎます」
と言うのが聞こえました。

その後、茫然といった風に佇んでいた安倍元総理に、そこにいたみんなが
「安倍さん、後を頼みます」
「日本をお願いします」
と叫びました。
叫ばずにはいられない気持ちがその場を満たしていたように思います。
しかし。
その後、安倍氏を始めとする保守派議員の必死な売国政策に対する声明(韓国への謝罪、船長の釈放などなど)をあざ笑うかのように、民主党はひたすら亡国へのカウントダウンに向かって突き進んでいます。

中川さんは、今のふがいない日本を見てどう思っているのでしょうか。

今年、また金木犀が香を放ち始めています。


今まで、一番好きだった季節のはずなのに。
今年からは中川さんのことを偲ぶための哀しい日になってしまいました。