あれは11年前。
聖路加病院の分娩室に移されて三日、
「もういい加減に産まれてくれないとお母さんもうこれ以上体力も気力もありませんから」
の限界に差し掛かった夜、ドクターはにこやかに
「明日の昼過ぎですねえ」
それを聴いた途端、絶望のあまり軽く目まいを起こしてしまったあの日のエリス中尉です。
人の出産話ほど聴いていて面白くない話はありませんでしょうから、これ以上語るつもりはありませんが、早い人はデリバリールームに入ってから三時間くらいで産んでしまうんですと。
三日三晩過ごす妊婦は珍しいんだそうです。
ふんっ、入院費のモトを取ってやったのさ。(何日いても値段は同じ)
・・・というわけでそれからあっという間に十一年が過ぎ、今年もまた息子の誕生日がやってきました。
いつも息子の誕生日は学校の「秋休み」(十日)中にあるので、友達に祝ってもらって、みたいなことが一度もないのですが、今年は彼の入っている
「レゴ・ロボティクス・クラブ」(ロボットコンクールなどにチームで出るクラブ)
が、課外活動でメドトロニクスという医療機器会社に見学に行きました。
クラブ活動最終目標がロボットコンクールなので、それに対するモチベーションを上げ、かつロボティクスそのものに対する知識を深めようってことらしいです。
お洒落な「イタリア街」として知られる汐留のビルにある会社は、ペースメーカーや義手などの医療機器のメーカーで、かれらは引率の先生に連れられて「人工心臓」などの見学をしたそうです。
この見学が誕生日当日にあると聞いたとき、息子はあまり乗り気ではなかったのですが、
先生が私に
「かれが誕生日って言うのを聴いたけど、三時には終わるからそのあと誕生日ディナーにすればいいよ。
ぜひ参加してね」
とまでいうので、息子には参加をさせました。
出てきた息子を車でピックアップして
「どうだった」
「面白かった」
「今日見たものはなんかロボティクスと関係あるの」
「わかんない」
・・・・・先生、あまり役に立ってなさそうですよ。
その後、プレゼントを買ってやるということで銀座のアップルストアに行ったりしたのですが、
「欲しいものがない・・・・」
ってマジ困ってるんですよ。
「強いて言えばマック・エアかな」
「家にマックあるじゃない」
「持ち運びするときに」
「それってどんなとき?」
「旅行とか」
「ダメ」
「・・・(-"-) じゃ別に欲しいものない」
なんて恵まれた生活をしているんだ君は。
しかしそれはある意味不幸かもしれないねえ。
というわけで、プレゼント無しのディナーののみ誕生日。
ここでケーキを作ってもらいました。
フォーシーズンズホテル丸の内。
ここは実は我が家の「メインホテル」です。
この日息子が頼んだ「子供用メニュー」。
私の頼んだスズキは魚自体が全くハズレで、こちらの方がずっと美味しそうです。
それにしても、冒頭写真のケーキですが、この後少しずつ切っていただきました。
涙が出るほど美味しかったです。
冗談抜きでこれまでの人生で食べたケーキのベスト5に入りました。
さて、実はこの日、メドトロニクスの後に息子を靖国神社に連れていったのですよ。
私が改行社図書館に本を返すのにどうしても行かねばならなかったからなのですが、誕生日の息子に靖国神社初参拝をさせたかったので。
ちゃんと手洗いの作法から教えて、二礼二拍手一礼の参拝も教えました。
日頃の会話で何より「愛国教育」だけはちゃんとしているつもりの我が家ですが、この日靖国に行くことでまたいろんな話をしてやれたのが良かったかと思います。
ところで、靖国神社のマスコット、って知ってます?
白鳩のポッポちゃんです。(下画像)
靖国神社では白いハトを大切に鳩舎で育てており、八月一五日には放鳩式をします。
というわけで、靖国の上空はお天気がいいと「放された」白いハトが時々見られるのですが、この日息子と訪れると、真っ青な青空を絵のように白いハトが飛翔していました。
白いハトが群れをなしている、というのは白鳩の生まれる確率が一万分の一、ということを考えると、非常に不思議でありがたい光景に思えます。
「誕生日のお祝いだね」
といってちょっぴりじーんとしつつしばらく立ち止まって眺めていたのですが・・・。
「あれ?一羽黒いのが混じってる」
言われて目を凝らすと、確かに、純白の鳩の群れの中に一羽紛れこんで
「わーい」
とばかりに飛んでいるドバト。
これ、本人(鳥)は自分も白いと思ってるのかもしれませんね。
白いハトさんたちは
「なんか変な奴が混じってるけどまあいいや」
って感じでしょうか。
(ここでふと「土方大尉ある日の邀撃戦」
http://blog.goo.ne.jp/raffaell0/d/20100524
を思い出してしまってすみません)
まあ、みんなで仲良く飛んでくれ。
←ポッポちゃん
聖路加病院の分娩室に移されて三日、
「もういい加減に産まれてくれないとお母さんもうこれ以上体力も気力もありませんから」
の限界に差し掛かった夜、ドクターはにこやかに
「明日の昼過ぎですねえ」
それを聴いた途端、絶望のあまり軽く目まいを起こしてしまったあの日のエリス中尉です。
人の出産話ほど聴いていて面白くない話はありませんでしょうから、これ以上語るつもりはありませんが、早い人はデリバリールームに入ってから三時間くらいで産んでしまうんですと。
三日三晩過ごす妊婦は珍しいんだそうです。
ふんっ、入院費のモトを取ってやったのさ。(何日いても値段は同じ)
・・・というわけでそれからあっという間に十一年が過ぎ、今年もまた息子の誕生日がやってきました。
いつも息子の誕生日は学校の「秋休み」(十日)中にあるので、友達に祝ってもらって、みたいなことが一度もないのですが、今年は彼の入っている
「レゴ・ロボティクス・クラブ」(ロボットコンクールなどにチームで出るクラブ)
が、課外活動でメドトロニクスという医療機器会社に見学に行きました。
クラブ活動最終目標がロボットコンクールなので、それに対するモチベーションを上げ、かつロボティクスそのものに対する知識を深めようってことらしいです。
お洒落な「イタリア街」として知られる汐留のビルにある会社は、ペースメーカーや義手などの医療機器のメーカーで、かれらは引率の先生に連れられて「人工心臓」などの見学をしたそうです。
この見学が誕生日当日にあると聞いたとき、息子はあまり乗り気ではなかったのですが、
先生が私に
「かれが誕生日って言うのを聴いたけど、三時には終わるからそのあと誕生日ディナーにすればいいよ。
ぜひ参加してね」
とまでいうので、息子には参加をさせました。
出てきた息子を車でピックアップして
「どうだった」
「面白かった」
「今日見たものはなんかロボティクスと関係あるの」
「わかんない」
・・・・・先生、あまり役に立ってなさそうですよ。
その後、プレゼントを買ってやるということで銀座のアップルストアに行ったりしたのですが、
「欲しいものがない・・・・」
ってマジ困ってるんですよ。
「強いて言えばマック・エアかな」
「家にマックあるじゃない」
「持ち運びするときに」
「それってどんなとき?」
「旅行とか」
「ダメ」
「・・・(-"-) じゃ別に欲しいものない」
なんて恵まれた生活をしているんだ君は。
しかしそれはある意味不幸かもしれないねえ。
というわけで、プレゼント無しのディナーののみ誕生日。

ここでケーキを作ってもらいました。
フォーシーズンズホテル丸の内。
ここは実は我が家の「メインホテル」です。

この日息子が頼んだ「子供用メニュー」。
私の頼んだスズキは魚自体が全くハズレで、こちらの方がずっと美味しそうです。
それにしても、冒頭写真のケーキですが、この後少しずつ切っていただきました。
涙が出るほど美味しかったです。
冗談抜きでこれまでの人生で食べたケーキのベスト5に入りました。
さて、実はこの日、メドトロニクスの後に息子を靖国神社に連れていったのですよ。
私が改行社図書館に本を返すのにどうしても行かねばならなかったからなのですが、誕生日の息子に靖国神社初参拝をさせたかったので。
ちゃんと手洗いの作法から教えて、二礼二拍手一礼の参拝も教えました。
日頃の会話で何より「愛国教育」だけはちゃんとしているつもりの我が家ですが、この日靖国に行くことでまたいろんな話をしてやれたのが良かったかと思います。
ところで、靖国神社のマスコット、って知ってます?
白鳩のポッポちゃんです。(下画像)
靖国神社では白いハトを大切に鳩舎で育てており、八月一五日には放鳩式をします。
というわけで、靖国の上空はお天気がいいと「放された」白いハトが時々見られるのですが、この日息子と訪れると、真っ青な青空を絵のように白いハトが飛翔していました。
白いハトが群れをなしている、というのは白鳩の生まれる確率が一万分の一、ということを考えると、非常に不思議でありがたい光景に思えます。
「誕生日のお祝いだね」
といってちょっぴりじーんとしつつしばらく立ち止まって眺めていたのですが・・・。
「あれ?一羽黒いのが混じってる」
言われて目を凝らすと、確かに、純白の鳩の群れの中に一羽紛れこんで
「わーい」
とばかりに飛んでいるドバト。
これ、本人(鳥)は自分も白いと思ってるのかもしれませんね。
白いハトさんたちは
「なんか変な奴が混じってるけどまあいいや」
って感じでしょうか。
(ここでふと「土方大尉ある日の邀撃戦」
http://blog.goo.ne.jp/raffaell0/d/20100524
を思い出してしまってすみません)
まあ、みんなで仲良く飛んでくれ。
