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平成25年防大開校記念祭~観閲行進

2013-11-20 | 自衛隊

たかがコンサートの感想といえ、他でもない自衛隊音楽隊の鑑賞記ゆえ、
根をつめすぎて一日に一つエントリを制作するのが精一杯、
普通のテーマで写真の多いものは、多いときには一日に三日分くらい
「書きだめ」していたのですが、最近それどころではなくさすがに少し疲れました。

音楽まつりの後半エントリ制作に備えて、今日は開校記念祭の観閲行進写真を、
淡々と挙げることで(わたしの)息抜きとさせていただきます。

 

記念祭当日、タクシーで学校に到着。
ご存知の通り、小原台の丘陵に学校はあるわけですが、ここまでの
坂道を結構駅から歩いて登っている人たちがいるのに驚きました。

その昔、江田島の海軍兵学校の学生は、学校から小用の港まで
バスに乗っていいのは上級生だけと決められていたようですが、
防大の学生さんは一年生もバスに乗っていいんですよね?

江田島など比べ物にならないくらい歩いて登るのは大変そうなので、
少し心配してみました。



来場者はこのようにまとめて一つの道を歩かされます。
右側は車両が通るので、危険防止ですね。

周りの人が

「車に乗って来られるのって、学生の家族とか?」

などと言っていましたが、たぶん違う。
あとで芝生に落ち着いてみると、周りは「学生の関係者ばかり」。
というか当日のグラウンドの客ほとんどが学生の「身内」だったのですから。



交通整理&道案内&リーフレット手渡し係。
冊子のパンフレットは有料で500円。
後ろの人が「高いなあ」とぼやいていましたが、



なかなか今年のパンフは豪華です。
去年も確か有料で500円だった気がするけど。
それにしてもこの写真はなかなか防大生の凛々しさを捉えていますね。



去年のんびりと来すぎて、観閲行進を立ち見することになってしまい、
さらに遅くに到着した今年は最初から座ることを諦めて、
せめてよく見えるところに立とうと正面左手を歩いていると、
前にもお伝えしましたが、1人分の隙間ハケーン。

こんなとき、一人で来てほんとうによかったと思います。
「すみません」「おそれいります」攻撃でシートの隙間を飛び、
脚を伸ばせる場所をしっかりと確保しました。

まあ、だいたいこんなもの1人で見に来ている物好きもあまりいないので。





向こうのパイプ椅子は来賓関係者の専用シート。

左手を伸ばしているおばちゃんは陸自のアーミーキャップを被っています。
うーん・・・・似合って・・・・いない。



観閲行進のための学生隊入場開始。

この警備の隊員は、一日同じところに立っていました。
顔を動かしたり欠伸をしたりせず、ずっと2時間あまり同じ場所に起立。

見ていると何でもないことのようですが、結構大変なんじゃないでしょうか。
暇な人たちがこうやってしょっちゅう写真を撮ったり、
一挙一動皆の視線に晒され続けるわけですからね。



この自衛官も。

見たところ特に鍛えていたり行軍をしょっちゅうしているようには思えない
フツーのおじさんっぽい自衛官ですが、基礎体力あるんでしょうね。




学生隊が国旗を先頭に入場。

「国旗が通過する際はご起立下さい」

というアナウンスがあり、皆普通に立ち上がっています。
しかし、ここでなぜか立たない奴がいるんだな。



わたしの横にいた団塊夫婦。
あなたたち、なんで立たないわけ?
何をふんぞりかえって座ってるの?
もしかしたら、国旗とか見ると気分が悪くなるタイプ?
それとも、単に夫婦揃って無精を決め込んでるだけ?

そのわりに、行進の写真をコンデジでパチパチ撮りまくり、
前を人が通っただけで聞こえもしないのに

「邪魔するな!座れ!」

って毒づいたりするくらい熱心なのはなぜ?
まさか、こういう人たちが防大生の親であるとは考えたくありませんが、
いったい何のためにここにいたのか。




と、朝っぱらからエリス中尉が無益な義憤にかられている間に(笑)、
全部隊入場完了。



と、なにやら自衛官やら背広やらが走ってきました。
陸海の三人は手に手に何か持っています。



何のことはない、マイクロバスから降りてくる関係貴賓のために、
足元に置くための台を運んでいたのでした。

で、まず学校長國分良成氏の訓示。
今年のテーマ”succeed”が、「成功」と「継承」であるということで、
成功を目指すには先達の求めたものと勝ち得たものを継承することにある、
みたいな(適当)お話でした。



そして、観閲官は、安倍・・・・じゃなくて、小野寺・・・でもなくて、
え?もしかしたら佐藤正久?でもないし・・
・・・防衛副大臣?誰だっけ。

いや、皆さん今忙しいですからね。
とくに防衛省関係は。

去年は確か民主党最後の防衛大臣、森本氏が来ていたと思いますが。 

ところでこの森本大臣は、民主党がやった人事で唯一まともだった閣僚でしたが、

自衛隊からはどう見られていたんでしょうかね。

前にも少し書きましたが、わたしの眼には「最低」とうつった北澤防衛大臣、
漏れ聞く幕僚内の評価によるとこれがなかなか高かったらしい、

という話を聞いて、意外だったということがあっただけに、
元自衛官である森本氏を現場はどう見ていたのか、興味があります。



「巡閲の譜」が流れる中、車での巡閲が始まりました。
まあ、ご時世がご時世だけに副大臣巡閲は致し方なかったのかもしれませんが、
観客の間にも「誰?」というビミョーな空気が流れていたのはここだけの話。

車はこのあとUターンして、学生隊の前を右から左に通過します。



そして、それがすむと学生隊は観閲行進のため一旦左手に移動してそこで待機。

昔はこの行進のことを「分列行進」といいました。
シャルル・ルルーの「陸軍分列行進曲」はまさにこのために作曲されたわけですね。

ちなみに観閲式、と言っているのは我が国だけで、諸外国のそれは
「観兵式」と称します。
我が国は「兵」という言葉は使えませんからね。
勿論もともとは軍の内外への示威目的で行われたものですが、

我が国ではどちらかというと「記念行事」としてやるという面を強調している気がします。

旧陸軍の観兵式もまた「観兵」と「分列行進」で構成され、
その次第は現在も全く変わっていないということです。



 



防衛大学校の場合、女子学生を別の隊として分けないので、
このように普通に男子学生に混じって歩いてきます。

これも、多くの例を知っているわけではありませんが、
もしかしたらこれも世界では特異なことなのではないでしょうか。

学生が全員左方に移動したところで、航空機が上空に飛来(祝賀飛行)します。





必ず指揮官、その他防大出身者が搭乗している場合は、
何期卒の誰々二等海尉、という風に紹介があります。

この写真も、ちゃんとローター回ってるでしょ?



ニンジャを先頭に、コブラ二匹。
OH−1とAH−1です。

 

C−1が飛んで来たとき、なぜか周りで見ていた中から

「かわいい~!かわいい~!」

という叫びが女性の、しかも結構年配の方の声で聞こえました。
「かっこいい」じゃないですよ。「かわいい」です。
うーむ、このかわいさを理解する感性を持った女性がわたし以外にもいたとは。



何度も写真に撮っているP−3Cなので、今日は、
ソノブイの発射孔(っていうのかどうか知りませんが)にこだわってみました。

うー、いつ見てもトライポフォビアにはきついわ。
おまけに、機体後部に突き出した伸びたヒゲみたいなのは何?



F−15も全員防大卒パイロットの操縦によるものです。

ところで、こういう行事は、何もなくて暇を持て余す時間が結構多いのですが、
何となくぼーっとしていたら・・・



赤とんぼが前に敷かれた新聞に止まりました。



アップ。
本当に全身が赤いですね。

などと暇をつぶしているうちに・・・。



いよいよ行進が始まりました。



先頭に立つ指揮官は、出身高校まで紹介されます。
この生徒さんではなかったと思いますが、いちど
「鹿児島ラサール」の放送があったとき、周囲が軽くどよめきました(笑)

後、多かったのは「少年工科学校」より「海上自衛隊生徒」出身。
この「海空自衛隊生徒」制度は、2011年の3月をもって廃止されていますから、
「最後の自衛隊生徒」は現在防大の3年生ということになります。






実はわたくし、こういったブログを長年(っても三年半ですが)運営していますと、
自衛隊各方面、しかも本当の「中の人」から情報を頂くこともしばしば。

最近ついに防大関係の方から生徒生活の片鱗を教えていただくという僥倖に恵まれまして、
この行進に参加しているのが「防大生全員ではない」ということを知りました。

まあ、これをやっている間も屋台でお好み焼きを売っている生徒だっているわけで・・・
え?さすがにその間は屋台は営業しないだろうって?

とにかくこの行進も、理由があれば「免除」という形で参加しないらしいのです。
そして、たとえばこの前日に行われた訓練展示を選び、
そちらに参加する、というような意思決定ができるということでした。

防大というと何が何でもがんじがらめの厳しい生活、
というのを外部のものは得てして想像してしまいがちですが、
現代の指揮官養成学校は、決してそういうものではないようです。



もしわたしだったら・・・・うーん、訓練展示も楽しそう(?)だけど、
やっぱりどちらか選べと言われればこちらかな。
特に、前で抜刀する人をやってみたい!










観閲行進の音楽は防大の音楽隊が

「陸軍分列行進曲」→「軍艦」→「空の精鋭」

と順番に演奏します。
以前、「防大音楽隊から自衛隊音楽隊に入れる可能性はあるのか」
と書いたところ、即座に現役自衛官から「それはない」と言われました。

採用の冊子によると、必ずしも音大出身者に限らないし、
たまに地方音楽隊には「一般隊員から試験に受かって音楽隊員になった」
という隊員もいるようなので、可能性としてはあるのかと思ったのですが。


因みにわたしは、自衛隊音楽隊に入りたくて防大に入学し、
進路決定のときにそれができないことを知って大変ショックを受けた、
という経験をお持ちの現役自衛官の方を存じ上げております。



最後にまたしても国旗入場。
国旗が前を通り過ぎてだいぶ経ってから

「国旗が前を通過する際はご起立下さい」

とアナウンスがあったのですが、皆真面目に立っていました。
当然よね。
相変わらず立たない人たちもいましたけどね。



そして、観閲官の訓示がいつの間にか終わり(笑)、
全学生退場。
その後は儀仗隊の演技です。

わたしの前にいたおばあちゃんたちが大興奮で、

「わたしこれ好きなんよね~」(関西の人らしい)
「うわ、かっこいいわ!」
「すごいなあ」

などと大はしゃぎ。
わたしの近くには防大生のお母さん同士らしく、やたら
「陸は入った後どうのこうの」「海はねえ」
などと、気になる子息の就職先のうわさ話に花を咲かせていました。

儀仗隊の演技のときに、この教練は一応皆やらされるのだけど、
儀仗隊に入るかどうかはそのときの適性を見られるため、

「うちのはあかんかってん」(なぜかここも関西弁)

ということらしいです。色々あるのね。
 



空砲の音は前日の音楽まつりと違って予告されていましたが、
広いグラウンドで響くとかなりの音がして、
前のお婆ちゃんたちは大声で笑いながら

「あああびっくりした」

楽しそうで何よりでした。


さて、当ブログはしばらく音楽まつり、横須賀米軍基地、観閲式(まだ終わってない)
岩国海兵隊基地、防大開校記念祭と行きつ戻りつしながらお話してまいります。


さすがに自分でも混乱してきた(笑)