ここロスアルトスに来たら必ず何回は散歩に行く場所があります。
それがここベイショアパーク・トレイル。
マウンテンビューという市にあり、グーグル本社の隣です。
今年もここについた次の週、カメラを持って散歩に行ってきました。
このベイショアパークは海沿いにありますがこのように湖もあり、
湖のほとりには広大なゴルフ場、イベントに使うテント、そして
何にも使っていない空き地が延々と広がっています。
湖ではボードセイリングなどを楽しむことができ、
夏休み中は子供たちのキャンプが行われています。
池の周りにはグースがいつも群れをなしています。
ちなみにゴルフ場にもたくさんいて、ボールがバンバン飛んで来るコースでも
おかまい無しに草をついばんでいます。
今日は300mm望遠レンズ持参で来ました。
無駄にアップにしてみるグースの顔。
そしてここにもいるカリフォルニアジリス。
先日ここのHDTVで「チャーリーとチョコレート工場」を見たのですが、
実を選別しているリスがこの種類でした。
ハリウッド製作なのでスタジオ近隣にはこのリスが棲息しているわけですし、
シマリスよりも大きくて、女の子を皆で引きずるなどのCG加工も
しやすかったのではないかと思います。
あの映画の舞台は雪が積もっていましたからどう見ても
カリフォルニアではありませんけどね。
ちなみにこのカリフォルニアジリスの生息地はカリフォルニア中心に
西海岸に限られています。
後でカメラのモードを見たら「ポートレートモード」も入っていました(笑)
お肌が綺麗になり、眼に光が入るそうです。
リスさん綺麗だよリスさん。
哀愁の後ろ姿。
ここのリスはよく湖をただじっと眺めていることがあります。
キャンプでボードセイリングの授業が始まったようです。
皆ライフベストをつけ、一人一台用意されたボードに乗ります。
サマーキャンプにもいろいろあり、親はその膨大な選択肢の中から
自分の子供が興味を持つジャンルのキャンプを選んで通わせます。
大抵は1週間単位なので、いろんなキャンプを体験するのも可。
うちの息子のように、前半は水泳やフェンシングなどができる総合キャンプ、
後半はITキャンプというように、バラエティを持たせたりもできます。
高校生のためには建築や映像など、将来の職業に繋がるキャンプもあり、
自分がどんな仕事に向いているのかを知るチャンスでもあるのです。
アメリカでは大学に入った後からでも、自分が向いていないと思えば
学部を代えることができるのです。
学生で、人生経験が浅く判断を誤りがちな若い間はやり直しが利き、
また横並びを強制されることもないので飛び級も可能。
日本の教育制度も、もう少しこういう部分を取り入れればいいのにと
いつも思います。
カモメがとまっているのはなんとカヌーポロのゴール。
カヌーポロ、ってご存知ですか?
つまり独り乗りのカヤックに乗った水球です。
ポロのようにスティックを操り、カヤックを漕いで、それで
ボール(水球と兼用)をゴールに入れるゲーム。
この世で一番激しいスポーツは水球ですが、このカヌーポロは
それと同等に激しく「水中の格闘技」と言われています。
パドルで相手を叩いたら反則ということですが、これ、
どうしたって叩いてしまいませんかね?
こんな施設は見たこともないし、日本には選手もいないのでは?
と思ったあなた、ご安心ください。
日本はオリンピックのために国がお金を出さないので有名ですが(笑)
その代わりスポーツ愛好精神というのはあまねく行き渡ること裾野の広い
「文明国」でございますので、ちゃんとこの競技の選手もいます。
クラブを持っている大学や高校は結構ありますし、クラブチームもあります。
愛知万博のときには世界大会も行われており、
このときには女子が銅メダルになったりもしているのです。
今の今まで全然知りませんでしたが(笑)
ここでもリスを見ると脊髄反射で写真を撮ってしまうリス愛好家の
エリス中尉。
巣穴から顔を出しているリスを見つけました。
こちらも別の巣穴。
両巣穴は2mほど離れていますが、なぜか同じ構図。
穴から顔を出しているのが奥さんかしら。
ジリジリと近づいて行ってアップ。
こちらに気づきましたが、ここのリスはあまり逃げません。
木などの遮蔽物が多いし、タカやノスリなどの天敵に関しては、
上空に飛来したとたんカモメ戦闘機が遊撃にどこからともなく現れ、
自分より大きな猛禽類を果敢に追っ払ってしまうからです。
TOとここにきてその現場を見たとき、わたしが
「カモメでさえ体を張ってテリトリーを守るのに」
とつぶやくと、TOが
「まあまあ」
と押さえてポーズをしました。
それはともかく、おそらく彼らの天敵は蛇だけなので、
それでおっとりしているのかと思われます。
しばらく穴から顔を出していましたが、安心だと思ったか
穴から出てきて2匹でひなたぼっこを始めました。
湖沿いに歩いて行くと、ここの常連である
「ダイサギ」
がいました。
英語で
「Great egret」
という種類です。
「大」がいるからには「小」もいるだろうと思いきや、
「チュウダイサギ」というのはいても「ショウサギ」はないようです。
「チュウサギ」ではなく「チュウダイサギ」。
「ダイサギ」がすでに名称になっているからこうなるようですね。
ダイサギは夏羽になったときくちばしも黒くお色直しします。
集団で生活しコロニーを作るということですが、少なくともここでは
一羽で行動しているのしか見たことがありません。
何か見つけた模様。
すごい。
こんな一瞬でも眼を開けています。
って、まぶたがあるんだろうかダイサギには。
三度に一度くらいはちゃんと何か捕らえているようです。
よくこんな菜箸みたいなくちばしで正確に捕らえるものです。
また何か捕らえました。
一旦くちばしの端でくわえて捕ってから、こうやって
一瞬宙に浮かせて一気にのどの奥に放り込みます。
手がない動物のくちばしの使い方はまさに名人芸。
アップにしてみました。
これ、なんでしょうね。
カニのたぐいでしょうか。
ダイサギで画像検索すると、ウサギを補食しているショッキングな写真が
出てきます。(恐怖におののくウサギの顔を見るのが辛かったです)
どうやら水鳥のくせに猛禽類並みに肉食するようです。
別の日、カメラを持った人が近づきすぎて、
(わたしではありません)彼は飛んで逃げました。
チャンス!とシャッター押しまくるその人とわたし(笑)
優雅で美しい飛翔姿です。
もう少し歩いて行くと、大詐欺よりも小さい小悪党がいました。
こちらはカモメ。見れば分かる。
こちらは少し小さいタイプ。
イグレットという名称の鳥は
great egret
little egret
chinese egret
他にもスノーウィイグレットとか、色々あるようですが、
だいたい大中小と3種類のようで、ここにいるのは
一番小さな種類ではないかと思われます。
絵になる二人。
カモメがあくびしていたのでアップにしてみました。
かわいくない(笑)
このころになると、この小さな湖(池かな)のはじっこまで、
ボードセイリングの子供たちのうち速い子がたどり着き出しました。
人間は基本的によほど近づかなくては怖くないようです。
こっちにガン飛ばしてるし。
このあと、トレイルは干潟の横を通ります。
変わった嘴の水鳥がいました。
調べたところ
American avocet
という鳥なのですが、これを辞書で引くと「ソリハシシギ」。
しかし、シギというのはsandpiperで、逆翻訳しても
アメリカンアボセットにはなりません。
シギ類にはちがいないんですけど・・。
確かにくちばしが反り返っています。
長年の間にこういう形になったのも泥の中の生物を拾いやすいようにでしょう。
これが集団で飛ぶとこんな感じ。
(ピントが合わなかったのでイメージ写真)
前にも書きましたが、この日はロスアルトスに着いたばかりで、
とりあえず300mm望遠レンズでペリカンを撮りたかったのですが・・。
遠くの対象を撮るときには手持ちでは難しいです。
ここはバード・サンクチュアリ(鳥の聖域)と言われる自然保護区域。
かなりの部分が自然のまま残され、人が入れるのはごくわずかの部分だけです。
この河を滑走路として鳥たちは飛び立ち、浅い河でコロニーを作っています。
周りは干潟に囲まれているので天敵となる野生動物も
入って来ることは出来ません。
こういう写真をバッチリ決めたかったんですけど・・。
残念ながら殆どが不本意なできでした。
前にも書きましたが、ペリカンが飛来するとき、羽の先を
本当にデリケートに操作してエルロンの働きをさせて飛びます。
よく見ると羽の一枚だけが反り返っていたりして、
すごいなあと感心させられます。
ペリカンたちが群れで飛ぶ姿。
鳥同士でもめたりすることは全く無いようです。
ここにはふんだんに食べるものがありますから、争う必要もないのです。
金持けんかせずってやつですか。
体を掻くときには大きな水かきもつかいます。
頭は掻けないので羽にこすりつけたり。
ペリカンは結構人になつく鳥らしく、ペットにしてまるで鵜飼の鵜のように
捕った魚を食べずに持って来させることも出来るそうです。
鵜飼の鵜は物理的に喉を縛られているのですが、ペリカンは
大きな嘴の袋に水ごと魚をすくい、
そのまま水だけを排出して食べるそうですから、どうやったら
食べるのを我慢させることができるのか興味ありますね。
ペリカンは基本水に漬かっているのを好むようで、
他の水鳥とは分布場所が違います。
この岸にはカモ、グース、白黒のシギ類がいました。
白黒のシギは
Black-necked stilt
という鳥ですが、このスティルト、というのは渉禽類の総称で、
食物を探して水を渡り歩く、脚の長い鳥のことをいいます。
空から降りて滑水してきたペリカン。
おもむろに水しぶきを上げ・・・
伸びのポーズ。
こういう状態のとき、くちばしの袋はほとんど見えません。
飛ぶときも邪魔にならないようにかきっちりをくちばしを閉じ、
飛んでいるときにはペリカンには見えないくらいスリムです。
この岸に立って彼らの生態を見ていると、一日でも厭きません。
白レンズに一脚持参で来ていたアメリカ人。
いつかはこんな装備でここに来てみたいな。