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バーキン片手に靖國神社

東京駅前ホテル(仮名)でプレジデント気分

2015-06-19 | お出かけ

TOがスパ&ジムの会員になっている東京駅前ホテル(仮名)は、会員特典として
更新すればホテル宿泊がプレゼントしてもらえます。
いつもこの時期にこの駅前ホテル(仮名)に泊まった報告をするのはそのためで、
実はわたしたち、このホテルにちゃんとお金を払って泊まったことはほとんどありません。

いつも渡米前にちょっとした都会のリゾートを楽しむためにこの会員特典を享受するのですが、
今年はポイントがたまっていて、

「普通の部屋に2泊するか、プレジデンシャルスイートに一泊するか」

という選択を迫られました。

「プレジデンシャルスイートってどんな部屋?」

「VIP用の会議室にもなるテーブルがついてる広い部屋」

「いや、わたしたち三人家族で会議室必要?」

「そうだよねー。普通の部屋2泊でいいよね」

と相談し、そのように申し込みました。
そして当日。



どおおおお~~ん(効果音)

ふおおお、プレジデンシャルスイートだー!

このホテルは「普通の部屋」といっても広く、普通のシティホテルのスイートくらいあるのですが、
その中でVIP用の最大級の広さを持つ部屋が空いていたので(そりゃ空いてると思うけど)
駅前ホテル様(仮名)のご好意で、2階級特進のグレードアップをしていただいたのです。

「こっ、これは・・・」



広くて向こうのものに手が届かないテーブル、その気になれば三人寝られるソファ。



そして、デスクの横にはファクシミリと、卓上にはセロテープやハサミ、付箋の入ったお道具箱。
大統領が付箋を貼ったりセロテープで何か貼るというのは想像できませんが、
それはともかく、向こうには会議用の8人掛けのガラスの長テーブルが!

TOはこの日、ホテルで仕事関係の人と会う予定になっていたので、

「部屋で会議したら?」

というと、いや、ここには人は呼べない、と申します。

「だって、こんなとんでもない部屋、なんか変な勘違いされそうだし・・・」

ごもっともです。 



テーブルの奥にはプライベートルームが。
ただしベッドは広いとはいえ一つだけ。



三人家族のうちはどうしたらいいのかというと、一人がこの会議テーブルの横に
とってつけたように置かれたロールアウェイのベッドで寝ることになります。

こういうとき、だれよりも早起きで、他の二人がグースカ寝ていても起き出し、
マイペースでゴソゴソするわたしがここに配置されるのでした




お風呂のスペースだけでもうちの寝室より広かったり(笑)
ちなみにここはガラスで囲まれていて下には東京駅と丸の内を一望できるのですが、
シアーカーテンは開かないようになっていました。

お調子者がお風呂ではしゃいで向かいのビルから丸見え、ということでもあったのかもしれません。
わたしは電気を消して外の明かりだけで湯船に浸かってみましたが、なかなかよろしかったです。

ただしこの浴槽、体躯の小さな日本人が体を伸ばすと、つるつると足の方に向かって
滑っていくため、何度も顔まで水没しかけるというはなはだ不具合な仕様でした。

プレジデントにこんな危険な浴槽を使わせるというのは如何なものか。



このスペースは四方八方に鏡があって、合わせ鏡で全てを点検することはできますが、
どういうわけか全身が映る鏡はこの広いスペースのどこにもありませんでした。



そして、「プレジデントのためのスイート」だなあと感心したのが、この妙な部屋の装飾。
だいたいホテルの飾りというものは、特に昨今、持てるものはなんでも取って帰る、
という習性を持つ中国人観光客に対応して、がっつりと糊付けして固定してあるのですが、
この焼き物は不安定なコンソールにただ置いてあるだけ。



「中国人なら持って帰りそう」

「さすがにここに泊まる中国人はそんなことしないんじゃない?」

「そう思うでしょう。どんな富豪でも取れるものは取らずにいられない、それが中国人なの」

「しかしこの部屋は素性がホテルにはっきりとわかっている人しか泊まれないからねえ」

と、中国人が聞いたらさぞ怒りそうな失礼な会話をしていたのですが、
このあと、この部屋の正規料金がいくらなのか(二泊分で軽自動車が買える)知り、
もし万が一、中国人が本能に逆らえずこの妙なボトルを全部盗んで帰ったとしても、
部屋代さえちゃんと払って貰えば、ホテル側に全く損失はないと確信しました。

 

部屋に入った時、ウェルカムフルーツとともにハッピーバースデイと書かれた
ケーキと、従業員の寄せ書きしたカードがあったので、この駅前ホテル(仮名)が、
今回TOの誕生日のプレゼントとしてアップグレードしてくれたのだと知った次第です。



ケーキがあるからお茶でも入れましょう、とポットを探したのですが、
冷蔵庫の付近にも見当たりません。

「やっぱり大統領は自分でお湯沸かしたりしないから?」

と言いながら電話をしてホテルの人に聞くと、なんとドアの脇に隠し部屋があって、
ここにお茶を入れる道具があることが判明しました。
広すぎてここに部屋があるのすら気づきませんでした。

またそれからが一騒動で、ミルクフォーマーにお湯を入れて

「なんか全然熱くならないでお湯がぐるぐるまわってるんだけど~。
一杯分ずつしかお湯作れないし」

そこでまたホテルに電話してホテルの人を呼んだところ

「これはミルクを泡立てるものでございます。ポットは棚の中にございまして」

と呆れながらお茶をいれてくれました。
もうプレジデンシャルスイート、大変。そういう問題じゃないか。




東京駅前ホテル(仮名)ですので、眼下には東京駅が一望できます。
鉄男鉄子には垂涎のシチュエーション?

ここに来るようになって知ったことは、

「新幹線の天井はたいへん汚い」

ということです。



朝一番には各種新幹線が待機しているここならではの光景も見られます。



そして夜になりました。



ちなみに巨大な窓を全面的に覆うスクリーンが、ボタンを押すと降りてきて
カーテンを閉めた状態になります。



ご飯はどうするかという重要問題に関しては、

「せっかくこんないい部屋に泊まれたんだからできるだけ部屋にいたい」

ということで衆議一決したため、ルームサービスを頼みました。
普通の部屋だと持ってきたワゴンをそのままテーブル代わりにするものですが、
ここにはこんな立派なテーブルがあるのですから、ちゃんとディナーテーブルとして
活用しなければもったいない。

というわけで、こんな風にセッティングしてもらいました。



いい部屋にいても、することは

息子→ゲーム
TO→映画鑑賞
わたし→ブログのエントリ制作

と、家にいるのと全く同じことです。
めいめい好きなことをしながら、しょっちゅう会話もあったりして、
まあこれも団欒ってやつなのか、と思うわけですが、やっていることは一緒でも
プレジデンシャルスイートですると、妙に盛り上がり?この夜は夜更かしをしました。

いい部屋なので早く寝るともったいないからという説もあります←貧乏性

すると、終電になってから下の線路で 、



保線工事が始まりました。
たくさんの人が出て、車両も動き、なかなか大々的なものです。

日本の過密な鉄道で何の事故もなく、故障や不具合もないのが当たり前のように思っていますが、
こんな夜中に働く人たちのおかげで昼間電車がトラブルもなく運行できるのだなあ。



朝になってあらためて同じところを見たら、こんなでした。
結構昼間にも作業用の車両が置いてあるものだったのね。
一番向こうの山手線電車はもうすでにフル稼働しております。



お向かいには三菱系の某企業の入っているビルが。
この辺りは「三菱」王国なので、ビルのほとんどがそれ系です。
ちなみにここにはわたしの存じ上げている元自衛官がお勤めです。



朝ごはんは二人分だけ無料となります。
下の、メインダイニングに朝食を取りに行きました。
卵料理はオムレツをチョイス。
クロワッサンは流石にバターの量、食感共に完璧です。



席に通される時、アテンドの方が

「改装してメニューが変わってから朝食は初めてですか?」

と聞かれました。
これは以前はなかった「ジャムセット」で、リンゴはちゃんと蓋もついています。
ジャムといっても、ヨーグルトに合えるのに向いていました。

 

このあとわたしは所用があったので外に出ましたが、アフタヌーンティの内容も
改装後変わったというので、昼ごはん抜きで帰ってきてこちらにトライしました。

野菜と和牛バーガー、付け合せだけでわりとお腹いっぱいになったのですが、



お皿の上にはこんなものが・・・・。
こんな甘いものづくしは、わたしにとってちょっとした拷問だったりするのですが、
(最近甘すぎるものを食べるのが特に辛いんです)いくらスゥイーツ好きの女子でも、
こんなものは全部食べられないのでは?という気がします。

周りのテーブルでアフタヌーンティをしているのは息子とTO以外全員女性でしたが、(笑)
ざっと見たところ、若い女性はおしゃべりが目的なのか持て余しているのか、お皿は賑やかなまま。

アラフォー世代の二人組は遠慮なくがっつりと食べていましたが、三人組の若い子だと、
自分は食べたくても、牽制しあってお皿に手を出せない雰囲気があるんじゃないかと思いました。



スコーンとモンブラン以外は食べられなかったので部屋に届けてもらいました。



線路を挟んで向かいには昔の郵便局、今の「KITTE」があります。
いつ見てもこの屋上には人がたくさん出ています。
遠目に見てもいかにも中国人旅行者とわかる人たちも・・。



二日目の夕方となりました。
この時間、夕焼けの混じる空の色とほとんど全室点いたビルの灯りで、
東京は一種幻想的な美しさを見せます。



二日目のディナーも部屋でとりました。
ルームサービスは、レストランにはない手軽なメニューがあって量が調整できるからです。



スパゲティボロネーゼ。



バーニャ・カウダというのは、ポットで熱したアンチョビのソースに
野菜をつけながらいただくものですが、これはバーニャ・フレイダ。
アンチョビのソースが冷たいものをこういうようです。



TOは、キッズメニューのオムライスを無理言って作ってもらいました。
こんなことができるのもルームサービスならでは。
量的にも子供サイズで、これが良かったようです。



開けて次の日、新しい週の始まりで、東京は早朝から活気付き始めました。
駅から降りて丸の内の職場に向かう人々。



最後の朝ごはんもルームサービス。
ホワイトオムレツに付いているのはケチャップではなく「トマトのソース」です。
グラノーラに低脂肪ヨーグルト、ホワイトオムレツというこの取り合わせは、
健康メニュー(シニア向け)ということで、ソースもケチャップと違い全く甘くありません。



ニューについてきたのは雑穀入りトーストで、クロワッサンは息子のです。

ポイント消化とはいえ、こんな部屋に二泊させてもらった上、
3時まで延長で部屋を使わせてもらいました。
4時から近くで用事がはいっていたので、本当にありがたかったです。

東京駅前ホテル(仮名)のご好意で、我が家のホテル宿泊史に残る大グレードアップとなり、
心身ともに大統領気分を満喫しました。



大統領は部屋でブログの更新なんてしないぞ、って?