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女性徒歩部隊の秘密兵器〜平成28年度自衛隊記念日 観閲式

2016-10-28 | 自衛隊

観閲感訓示、部隊表彰式に続き、観閲感の前を行進する
観閲行進が始まります。



シルクハットを胸に当てて立つ総理大臣、そして胸に手を当てる防衛大臣。
これは世界的基準で言うところの「閲兵」ですが、
わが自衛隊においてはこのような言葉で言い表しています。

6年前の民主党政権下の悪夢の観閲式では総理大臣が出席せず、
なぜか財務大臣だった菅直人が代わって出席し、
北沢防衛大臣はどういうわけかこれも出席をしなかったので、
本来防衛相の立つべき場所にいたのもなぜか外務副大臣の福山哲郎でした。

自衛隊最高指揮官が出席を拒否したのみならず、代理で出席した男は
自分がなるまで総理大臣が自衛隊最高指揮官であることを知らなかったという。

今考えたらものすごい観閲式だったですね(遠い目)



まず、全部隊に先立って陸海空合同音楽隊が行進。
向こう側の定位置について全部隊の行進音楽を演奏する関係上最初になります。

というわけで一番最初に観閲を受けるのは各音楽隊の隊長ということになります。
音楽隊のタクトはオケのものより長いみたいですね。



陸海空はそれぞれ中央音楽隊、東京音楽隊、中央音楽隊。
この三音楽隊が防衛省の直轄部隊となります。



一番後ろの、体に巻きつけて行進するのはスーザフォン。
その手前がチューバです。
いずれも低音を担当する楽器ですが、観閲式では最初から最後まで
この楽器と共に立ち、歩き続けなければなりません。
貧血を起こしている場合ではありません。

音楽隊に次いで行進するのは観閲部隊本部ということでした。
英語では「Commander of Unit」となっています。

続いて防衛大学校学生隊。
蛍光色の目立つベストを着せられているのは報道陣。
前回はこのようなものは着ていなかった気がしますが・・。



防衛医科大学学生隊の先頭は、医学科と看護学科が同時に行進します。



この集団は医学科のはず。
はやりクラスヘッドは女子学生のようです。



高等工科学校学生隊の向こうに空挺部隊、その向こうに海空の徒歩部隊。
さすがに木の向こうがわは少しリラックスしているように見えます。



腰に吊るしているのは銃のホルダーだそうです。(知ったばかりの情報)



普通科部隊指揮官。



旗を片手でまっすぐ支えるのはかなり難易度が高そうです。普通科。



うーん、これは、強い(確信)
空挺部隊の指揮官なんてどんな化けも・・いやなんでもない。



行進のときには脚絆を巻いていた旧海軍の伝統を引き継いで、
海自は足元に白いチャップス(というのかどうか知りませんが)
を着用しますが、これがまたいいんですよねー。



士クラスの制服はなんといっても海自のセーラー服が一番です(断言)

旧軍の昔、神宮球場で行われた陸海合同の式典で、
スタンドにいた女子学生が海軍軍人にばかり声援を送って陸軍憮然、
という逸話を聞いたことがありますが、今でも一般的に

「海自の制服が一番かっこいい」

とされているとのことです。
その割には「(就職先として)一番人気がない」そうですが。



で、一番人気があるのはというと、実は空自らしいんですね。

海自が「伝統墨守 唯我独尊」で、
陸自が用意周到 頑迷固陋」だとしたら戦後生まれの空自は

「勇猛果敢 支離滅裂」


この支離滅裂がフリーダムに通じるといいますか、悪く言えば適当、
よく言えば窮屈そうでない闊達な感じが、若者の職場として
好まれるのではないかとも思っております。

(全て印象で語っておりますので念のため) 



続いて陸海空女性自衛官部隊です。
そんな部隊、いったいどこで活躍しているのか?
とあまり自衛隊に詳しくない方は思われるでしょうか。

それもそのはず、この女性部隊は観閲式前に結成される
「観閲式行進のための部隊」であるからです。



例えば海自の女性部隊ですが、全国の海士クラス約100人を9月下旬に招集し、
横須賀で約1か月かけて行進の動作を訓練しています。

この晴れ舞台において一糸乱れぬ行進を披露し、二日後の25日、
彼女らは横須賀の海自横須賀教育隊で解散式を行ったそうです。



これを今回讀賣新聞は

「観閲式の立役者」…女性自衛官徒歩部隊が解散


というタイトルで報じています。

解散式では、同教育隊司令の池田秀人1佐が

「高い練度で観閲式の立役者となった」とたたえ、海士を代表して
鈴木菜央1士が「無事終えることができた」

とあいさつした。
指導した教育第2部長の飯塚真由美2佐は、

「3自衛隊の中で最も目立つ行進を披露してくれた」

と喜んだ。

讀賣新聞がなぜ海自女性部隊だけを記事にしたのかはわかりませんが、
横一列で同じような記事ばかりの報道のなかで、
女性部隊の解散式にまで触れたのは讀賣一社でした。



あ、余談ですが、空自人気の理由の一つに

「美人の隊員が多いから」

という俗説があるそうですね。
実際は知りません。

 

ところで、スカートにストッキング、パンプスでの行進。
靴が脱げてしまうということなどないのだろうか、とわたしは
女性の視点から大変気になっていたのですが、今回写真を
ここまで拡大してみて初めて合点がいきました。

彼女らは靴の上から透明の靴バンドを着用していたのです。
男性の方はおそらくこんなものが世の中にあるとは
全く気づかないまま今日まで生きて来られたと思いますが、
この靴バンド、夏のサンダルやミュールの脱げ防止に、
女子の間では普通に認知されている秘密兵器でもあります。

やっぱりこれ、自衛隊がまとめて購入したりするんでしょうか・・。 




さて、これをもちまして徒歩部隊の行進は終了。
続いては航空観閲である観閲飛行です。

プログラムには観閲飛行部隊指揮官として、
第1ヘリコプター団長、田尻祐介陸将補が紹介されていました。
おそらくですが、このCH-47のどれかに乗っていたのだと思われます。



偵察ヘリOH-6D、カイユース。



AH-1Jコブラ。



多用途ヘリコプターUH-1Jヒューイ。 



AH-64Dアパッチロングボウ。
映画「シン・ゴジラ」では大活躍しました。
アパッチに限らず、陸自の装備はフル出演の感がありましたが。



続いて LR-2。
ビーチクラフト社の多用途機で、 連絡・偵察任務のほか、
災害派遣としての緊急患者輸送も行います。



P-3Cオライオン。
わたしの隣の自衛官妻Hさんのご主人はこれに乗っていたそうです。
このP-3Cは鹿屋から来たとのことでした。



U-36 A。
これも海自の飛行機です。
訓練支援機なので、曳航標的やチャフポッドなど、
小柄な機体のに多様な装備を吊下して飛ぶのだとか。
うーん、見てみたい。

コールサインは「キューピッド」だそうで、雰囲気出てますね。
ちなみに、コールサイン「YAMATO」というのがあるそうですすが、
これなんだと思います?



ここからは空自機。
輸送機C-130。



そこであらためてこちらを見ると、輸送機にスマートさなど必要ねえ!
と力強く言い切ってもいいような気がしますね。



F-2もFー15も来ましたが、いつもうまく撮れません。
特にF-2は色も「あれ」なので、逆光になると全くダメです。


さて、というところで、続いては車両行進となります。

続く。