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キャンパスツァーとインディペンデンス・デイ(独立記念日)〜アメリカ滞在

2021-07-10 | アメリカ

豪雨のあと、一瞬の奇跡のような爽やかな日が訪れましたが、
あっという間に最高気温33度の夏日に戻ってしまったピッツバーグです。

なので、公園の散歩はコースにまだ陽の差さない早朝に行くことにしました。

いつもなら無人のごはんタイムに乱入してきた人間に戸惑っている若い牡ジカ。

リスも朝の方が活動的です。


街を歩く人のマスク着用率は二十人にひとりといったところですが、
ホテルのある一角はピッツ大医学部病院の集中地帯なので、
医療関係者が多いということを考えると、ここではほとんどが
マスクを外し、飲食店も平常営業を始めたと言っていいかと思います。

最初に「ヌードルヘッド」という麺専門店で外食をしました。
去年は店を閉めて店頭でテイクアウトだけしていましたが、今回行ってみると
広い店内が埋め尽くされていて流石の人気ぶりでした。

いつもここにくるとこのチキンパッタイを頼み、半分食べて持って帰り、
次の日野菜を足すなどのアレンジをして頂きます。

MKは、車がないと行けない郊外のお気に入りのレストランで
このバッファローウィングスを食べるのを楽しみにしていたようです。

ここのウィングはとても肉が柔らかく、適度なピリ辛が食欲をそそります。

シェイディサイドには、アップルストアがあるというイケてる商店街があります。
ある朝そこの朝食専門フレンチ風カフェに連れて行ってもらいました。

わたしは朝食を食べないのでお茶だけです。

この日、MKが大学の「内部見学ツァー」をしてくれました。
ここにはかつて立派な研究室のビルがあったのですが、
2023年完成予定で新築工事に入っています

大学のシンボルであるタワーとその周辺の、最初にできた建物に手をつけず、
新しい建物をこの旧校舎と渡り廊下や壁などで接続していくのがアメリカ式。

古い建物を大事にするお国柄なので、この建築法はどこでも見られます。

ちなみにMKはタワーの頂上まで昇ろうとしたそうですが、さすがに鍵がかかっていたそうです。
しかも、後から、あのタワー近辺は物凄い電磁波だから近づかないほうがいいと言われたとか。

おいおい、後から知ってどうする。

学内には、最初の校舎の建築時の現場写真と設計図がパネルされて飾られています。
左手に線路が見えていますが、工事現場の写真の左側に今でもあって、貨物線として利用されています。

斜面の上に建っているので、表からみると2階建、
裏から見ると6階建というトリッキーな建築です。

まずは機械工学部から。
大学のシンボルである黒いスコッチテリアは充電でお休み中。

木工所みたいですが、何をするところかわかりません。
建築学科とかかなあ。

MKによると、その前日、教授たちが皆で片付けをした跡だそうです。
片付け=廊下にゴミを出すこと?

まだ片付いていないのかと思いきや、これが通常の状態だということです。

これがMKのワークスペースだそうで。

飲みかけの水とほったらかしておくのはいかがなものか。

壁全体がホワイトボードになっている仕組みです。
書かれた字がMKのと似ているのでこれあなたの?と聞くと、全く違う、との返事でした。

偏見かもしれませんが、アメリカ人も理系の人って字の下手な人が多い気がします。

 

創立当初の機械工学部(だと思う)。
当時の大学生は皆スーツに革靴といういでたちだったんですね。
この写真は現在の同じ校舎の廊下に飾ってありました。

説明がありませんが、おそらく1940年代ではないでしょうか。
機械のたたずまいから通信関係の研究ではないかと思われます。

アメリカの工学大に学はもちろんですが軍事研究のための予算が出ているので、
MKに言わせると、当大学にも「秘密のラボ」があって、そこでなにやら
武器兵器の研究が行われているとかいないとか。

出入りできるのはごく限られた研究員だけという噂があるそうです。

ここで一旦外に出てみます。
大学は5月から夏休みに入っているので、人影はほとんどありません。

チャレンジャーで事故死した宇宙飛行士の一人、

ジュディス・アーリーン・レズニック(Judith Alrene Resnik)

が本大学の卒業生であることから作られた碑。
このモニュメントの形は、彼女がエンジニアの名誉クラブ、
くしくもMKが先日その末席を汚すことになったところの
τβπ(タウ・ベータ・パイ)であったことを表します。

このマークは、時計のネジを巻くための鍵と橋脚の架台を組み合わせた形を
図案化しており、創設時はそれが工学への誠実と卓越の原則を象徴するものだったのです。

MKにも周りの誰にも、これが何を表していて何のためにあるのか
説明がないので全くわからないという謎の団子モニュメント。

「でもなんか可愛くない?」

「雪の日、マフラーと帽子付けてもらってたよ」

しかし大学キャンパスという地にありながら、よく今日まで無事落書きされずに来たものです。

ギネスブックにも乗っているという噂の、

「最もしょっちゅうペインティングされたフェンス」

ですが、最近の学生はどうもやる気がないらしく、今は

「一度これを塗ってみたかった」

という投げやりな文句が白地に書かれているだけのもの。
それと、π二乗=9ってこれ何なんだよ・・。

π^2=9.86960440109・・・・???

さて、この割と最近の建築っぽい建物は、コンピュータサイエンスセンター。

この日は独立記念日の休日だったため、観光客がうろうろしていましたが、
キャンパスは自由に歩けてもさすがに校舎には鍵がかかっていて入れません。

外からドアを開けようとしている家族をMKは中から開けて入れてやりました。



このビルは某ゲイツ夫妻が寄付したということで、「ゲイツセンター」というそうです。
ゲイツは本学出身ではないのですが、いろんなところに寄付することで
自分の名前を全米の工科大学にまるでマーキングするかのように残しまくっているようです。

ちなみにこのご夫婦、最近離婚されたということですが、学生の間では
ビルのどこをメリンダが取るんだろう、というジョークが一瞬流行ったとか。

それよりわたしはなぜ今更離婚などしなくてはならなかったか、その本当の理由が知りたい。

ほとんどのアメリカ人がマスクを外し始めたアメリカですが、
まだ一応最警戒時のポスターと使い捨てマスクはそのままです。

マスコットのスコッティくんが、マスクをして食べ物はテイクアウト!と宣言しています。
(アメリカのテイクアウトはこのような紙パックがよく使われる)

本学の歴史はイコールコンピュータの歴史でもあると言いたいわけですな。

ざっと要約してみると、コンピュータの専門センターが創設されたのは1956年、
最初に導入したのはIBM650、2番目がBendixG-20、AIを作ったのもうちです的な?

この前段階では、コンピュータでチェスをやったとか、人工知能とか、
まあざっとそんな感じのことが書かれています。

ゲイツビルの裏はまるでホテルのようなアクリル柵に囲まれた
ベンチのコーナーがあります。

一階の大きな窓の内側にはなにやら水槽のようなものが・・。
これは当ブログ的に大変興味深い、海軍艦船関係の研究を行うプールと見た。

しかし、たかだか大学なのにこんな設備まであるなんてすごすぎない?

もう一度機械工学科のビルに戻ってきました。
これはナノテクの研究室で、二重ドアになっており、
入室の際には必ず(コロナと関係なく)マスクとヘアキャップが必須です。

大規模な木材の加工を行うことができそうな部屋。
天井からぶら下がっている黄色いチューブはダストスイーパーかな。

さて、ジュライフォース、独立記念日の7月4日のテレビニュースです。

ブルーエンジェルス結成75周年記念、ということは、
第二次世界大戦が終わってすぐ結成されたってことですね。

独立記念日には、恒例イベントとしてアメリカは各地で花火が打ち上げられます。

しかし、アメリカでは花火は買える場所もやっていい場所も限られていて、
どうしても花火を買いたい人はわざわざ越境し、使用する期間も限定的です。

その理由は、銃声と似ている花火の炸裂音とか、大量の火薬を使うことにあるようです。

わたしが昔住んだマサチューセッツ州は全面的に花火の売買と使用が禁じられ、
唯一許されているのが独立記念日のスポンサー付きの花火大会だけでした。
花火を買いたいマサチューセッツの住人は、ニューヨーク州との州境、
インターステート近くに集中している花火屋まで行かなければいけません。


つまり独立記念日は、アメリカ人にとって年に2度だけ解禁された
(もう1日はニューイヤーズ・イブ)花火を楽しめる日でもあります。

この日、老若男女は花火の見学スポットに陽が高いうちから詰め掛け、
ご覧のように芝生にチェアを並べてビールなど飲みながら9時過ぎまで待ちます。
去年中止されたイベントなので、今年の復活は皆が喜んだでしょう。

ここはわたしが去年の夏と今年の冬泊まっており、毎日歩いた河原なのですが、
車で様子を見るのがやっとでした。

MKは友達と連れ立ってバスで河原に来て花火を最後まで見たそうです。

 

9時になりテレビの中継を見ながらホテルの窓外を見ると、
ざっと見て少なくとも二十箇所から花火が上がっているのが見えました。

どこの地域でも陸海軍の軍楽隊が中心になってパフォーマンスを行いますが、
特に凄かったのがこのリモートによる海軍選抜メンバーのアカペラコーラス。
とんでもなく高クオリティの演奏でした。

FOXニュースでは、ウェストポイントの花火を中継していました。
お行儀よく制服を着て並んで座り見物している士官候補生たちも映っています。

インディペンデンスデイの次の日は月曜ですが、恒例として
この日もアメリカではお休みとなるようです。

9時からの花火の後散々ビールを飲んだりして、次の朝から仕事、
というのはあまりに過酷だということなのでしょう。

翌日公園を歩くと、至る所に花火の燃えかすが落ちていました。

こんなパッケージも。

TNT(トリニトル・トルエン?)のWAR TIMEなる花火。
しかもパッケージには群をなして飛ぶ爆撃機・・・。

TNT Fireworks

どんな物凄い花火かと思ったら。