サンディエゴのフライング・レザーネック航空博物館に、
アメリカ軍塗装をしたこの機体を見つけ、ちょっとわたしは驚きました。
アメリカ軍塗装をしたこの機体を見つけ、ちょっとわたしは驚きました。
ホーカー-シドレー ハリアー AV-8 Harrier
今日はこのハリアーを中心に、VTOL機についてもお話しします。
■ 垂直離着陸機
何十年もの間、技術者たちはヘリコプターと飛行機の長所を組み合わせて、
ホバリングできる飛行機を作ろうとしてきました。
その結果、さまざまなタイプの垂直離着陸機が生まれ、
その中には成功したものもありました。
【飛行機がホバリングする仕組み】
飛行機とヘリコプターはどちらも素晴らしい性能を持っていますが、
どちらかにしかない能力があります。
ヘリコプターは垂直離着陸(VTOL)と空中でのホバリングができます。
つまり、空港から離れたほとんどの場所で活動できるのです。
飛行機は滑走路を必要とするため、それはできませんが、
ヘリコプターよりも荷物の積載力が高く、速度も比べ物になりません。
この2つのカテゴリーの能力を組み合わせた航空機。
遡れば少なくとも1950年代から、航空宇宙技術者たちは
この乗り物を生み出すためチャレンジしてきていますが、
今日まで、それを実現したものはほんの一握りしかありません。
まずは、飛行機が地面から垂直に離陸し、
空中でホバリングするために何が必要かを見てみましょう。
これまでに4機の飛行機がそれに成功していますが、
それぞれが異なる技術的問題に取り組んでいます。
【飛行機がホバリングする仕組み】
ホバリングを実現する技術は、実はとても複雑です。
飛行の定義では、固定された翼の上に空気が流れることで揚力が得られますが、
ホバリング中の飛行機には前進速度がないため、翼は揚力を得ることができません。
では、どうすれば飛行機をホバリングさせることができるのでしょうか?
設計者やメーカーは、何十年も前からさまざまな技術を試してきました。
その点、ヘリコプターは明らかにそれを解決していました。
ヘリコプターは、固定翼ではなく、回転するローターから揚力を得ることで
垂直離着陸(VTOL)と空中ホバリングを可能にしています。
しかし、ヘリコプターは先ほども書いたように、
多くの荷物を積むことはできませんし、速く飛ぶこともできません。
実際のところ、最新のヘリコプターの最高速度は200ノット程度が限界で、
戦闘機や迎撃機としては決して十分な速度とはいえません。
航空宇宙設計者たちの課題は、最新の戦闘機に匹敵する性能と速度を持ちながら、
垂直方向に離着陸できる実用性を備えた航空機をいかにして作るかでした。
【VTOL vs STOL vs CTOL】
これらの略語は航空機の着陸方法をいいます。
「TOL」というのは「 take-off and landing」離着陸ですから、
頭についている頭文字でその違いを表しています。
何十年もの間、技術者たちはヘリコプターと飛行機の長所を組み合わせて、
ホバリングできる飛行機を作ろうとしてきました。
その結果、さまざまなタイプの垂直離着陸機が生まれ、
その中には成功したものもありました。
【飛行機がホバリングする仕組み】
飛行機とヘリコプターはどちらも素晴らしい性能を持っていますが、
どちらかにしかない能力があります。
ヘリコプターは垂直離着陸(VTOL)と空中でのホバリングができます。
つまり、空港から離れたほとんどの場所で活動できるのです。
飛行機は滑走路を必要とするため、それはできませんが、
ヘリコプターよりも荷物の積載力が高く、速度も比べ物になりません。
この2つのカテゴリーの能力を組み合わせた航空機。
遡れば少なくとも1950年代から、航空宇宙技術者たちは
この乗り物を生み出すためチャレンジしてきていますが、
今日まで、それを実現したものはほんの一握りしかありません。
まずは、飛行機が地面から垂直に離陸し、
空中でホバリングするために何が必要かを見てみましょう。
これまでに4機の飛行機がそれに成功していますが、
それぞれが異なる技術的問題に取り組んでいます。
【飛行機がホバリングする仕組み】
ホバリングを実現する技術は、実はとても複雑です。
飛行の定義では、固定された翼の上に空気が流れることで揚力が得られますが、
ホバリング中の飛行機には前進速度がないため、翼は揚力を得ることができません。
では、どうすれば飛行機をホバリングさせることができるのでしょうか?
設計者やメーカーは、何十年も前からさまざまな技術を試してきました。
その点、ヘリコプターは明らかにそれを解決していました。
ヘリコプターは、固定翼ではなく、回転するローターから揚力を得ることで
垂直離着陸(VTOL)と空中ホバリングを可能にしています。
しかし、ヘリコプターは先ほども書いたように、
多くの荷物を積むことはできませんし、速く飛ぶこともできません。
実際のところ、最新のヘリコプターの最高速度は200ノット程度が限界で、
戦闘機や迎撃機としては決して十分な速度とはいえません。
航空宇宙設計者たちの課題は、最新の戦闘機に匹敵する性能と速度を持ちながら、
垂直方向に離着陸できる実用性を備えた航空機をいかにして作るかでした。
【VTOL vs STOL vs CTOL】
これらの略語は航空機の着陸方法をいいます。
「TOL」というのは「 take-off and landing」離着陸ですから、
頭についている頭文字でその違いを表しています。
C(conventional)TOL - 従来の離着陸方法で、一般的な飛行機として機能する
S(Short)TOL - 短距離離着陸 一般的な飛行機よりもはるかに少ない滑走路で離着陸できる
V(Vertical)TOL - 垂直離着陸
S(Short)TOL - 短距離離着陸 一般的な飛行機よりもはるかに少ない滑走路で離着陸できる
V(Vertical)TOL - 垂直離着陸
【垂直上昇(バーチカル・リフト)を実現する方法】
飛行機(少なくとも飛行機のようなもの)をホバリングさせるために、
いくつかの方法が試みられてきました。
基本的な考え方は、エンジンの力を使って地面から垂直に離陸し、
安全な高度に達したら、エンジンで前方に推力を、翼で揚力を得る方法です。
これにより、巡航飛行では飛行機の速度で飛行しながら、
垂直離着陸が可能になることでしょう。
ライアン・エアクラフト社は
「テールシッター」(tail-sitter)と呼ばれる実験を行いました。
飛行機が垂直に座ったような位置から(テイルシット)離陸するもので、
パイロットは出発前、ロケットのように空に向いて座っていました。
ライアン社もテールシッターも今はもうありません。
エドワーズ空軍基地で飛行中(離陸直後?)のライアンX13
垂直方向の揚力を得るためのより良い方法は、
エンジンの排気と推力を制御可能な方法で排出することでした。
エンジンがフルパワーで作動し、機体の全重量を上回る推力を発生させれば、
それだけで離陸できるはずです。
この方法の問題点は、作るのにお金がかかることと、
そしてなんと言っても飛ばすのが難しいことです。
しかし、これまでに成功した「ジャンプ・ジェット」もないわけではありません。
現代のジャンプジェット(ハリアーのことをジャンプジェットという)は、
ジェット機に垂直方向のリフティングファンをつけて、
推力を下に向けたものというのが基準となっています。
ダクト付きの排気装置と組み合わせることで、
地上から離陸するために必要な揚力を、少し簡略化した形で得ることができます。
エンジン全体が回転し、離着陸時には垂直になるような設計もあります。
通常の飛行を行う際には、エンジンは水平方向に回転します。
■ 垂直離着陸を成し遂げた4つの飛行機
このような技術的な偉業を成し遂げた飛行機の例をいくつか見てみましょう。
【ベル・ボーイングV-22オスプレイ(Bell Boeing V-22 Osprey)】
我々日本人にはすっかりおなじみ、オスプレイ。
最近とんと活動の噂を聞きませんが、オスプレイに親でも殺されたのか、
「あちら側」の人たちはさかんにオスプレイを悪者にしております。
どうしてそんなにオスプレイを嫌うのか。というと、
やっぱりこれはどう考えても日本の敵にとっての脅威なんでしょう。
特に空母運用できるというあたりが、嫌なんでしょうね。
まあ、某党首のように、オスプレイ嫌いすぎて、ヘリコプターなら何でも
オスプレイに見えて困っちゃう〜な人もいるみたいですが。
さて、飛行機を垂直に離陸させる一つの方法は、
エンジン全体を可動式にして、用途に応じて排出の向きを変えることです。
それを可能にしたのがV-22オスプレイのティルトローターです。
オスプレイは飛行機でもないし、ヘリコプターでもありません。
人類が自力で空を飛んで以来、多くの航空機が計画されてきましたが、
オスプレイは世界で初めて運用されたティルトローター機となります。
FAAは、この技術がいつか民間でも使用されることを想定して、
オスプレイのために新たに、
「パワードリフト」(powered lift)
という航空機のカテゴリーを設けました。
わたしは初めて知ったような気がしますが、というのも
今のところオスプレイはオスプレイとしか呼ばれていないからでしょう。
我々日本人にはすっかりおなじみ、オスプレイ。
最近とんと活動の噂を聞きませんが、オスプレイに親でも殺されたのか、
「あちら側」の人たちはさかんにオスプレイを悪者にしております。
どうしてそんなにオスプレイを嫌うのか。というと、
やっぱりこれはどう考えても日本の敵にとっての脅威なんでしょう。
特に空母運用できるというあたりが、嫌なんでしょうね。
まあ、某党首のように、オスプレイ嫌いすぎて、ヘリコプターなら何でも
オスプレイに見えて困っちゃう〜な人もいるみたいですが。
さて、飛行機を垂直に離陸させる一つの方法は、
エンジン全体を可動式にして、用途に応じて排出の向きを変えることです。
それを可能にしたのがV-22オスプレイのティルトローターです。
オスプレイは飛行機でもないし、ヘリコプターでもありません。
人類が自力で空を飛んで以来、多くの航空機が計画されてきましたが、
オスプレイは世界で初めて運用されたティルトローター機となります。
FAAは、この技術がいつか民間でも使用されることを想定して、
オスプレイのために新たに、
「パワードリフト」(powered lift)
という航空機のカテゴリーを設けました。
わたしは初めて知ったような気がしますが、というのも
今のところオスプレイはオスプレイとしか呼ばれていないからでしょう。
そのうち民間にパワードリフトというジャンルの別の乗り物が現れるのでしょうか。
しかしながら、これが残念ながら反対派の攻撃理由ともなっていたわけですが、
1989年に初飛行したオスプレイは、技術的・設計的な問題が多く、
ようやく運用が開始されたのは2007年のことでした。
ヘリコプターのVTOL性能、そして
強力なターボプロップ機の巡航速度性能を両立させたオスプレイは
現在までに約400機が納入されており、
アメリカ海兵隊、空軍、海軍が運用してきました。
そしていつの間にかさりげなく陸上自衛隊でも運用されています。
陸自V-22(オスプレイ)の教育訓練の状況
しかしながら、これが残念ながら反対派の攻撃理由ともなっていたわけですが、
1989年に初飛行したオスプレイは、技術的・設計的な問題が多く、
ようやく運用が開始されたのは2007年のことでした。
ヘリコプターのVTOL性能、そして
強力なターボプロップ機の巡航速度性能を両立させたオスプレイは
現在までに約400機が納入されており、
アメリカ海兵隊、空軍、海軍が運用してきました。
そしていつの間にかさりげなく陸上自衛隊でも運用されています。
陸自V-22(オスプレイ)の教育訓練の状況
アメリカ軍の軍人さんに教育訓練を受けています。
それにしても、不思議なのは陸自なのになぜにこの色・・。
それにしても、不思議なのは陸自なのになぜにこの色・・。
アメリカ海軍は現在、CMV-22Bを空母で運用することを計画しています。
オスプレイの航続距離は約1550km、飛行速度は約300ノットです。
後部ランプ(ドア)は飛行中に開くことができ、懸垂下降や吊り上げが可能です。
現在開発中の最新型ティルトローターはベルBell V-280 ヴァローValorで、
米国陸軍の攻撃ヘリの後継機として設計が進んでいます。
【ヤコブレフYakovlev Yak-38フォージャー Forger】
オスプレイの航続距離は約1550km、飛行速度は約300ノットです。
後部ランプ(ドア)は飛行中に開くことができ、懸垂下降や吊り上げが可能です。
現在開発中の最新型ティルトローターはベルBell V-280 ヴァローValorで、
米国陸軍の攻撃ヘリの後継機として設計が進んでいます。
【ヤコブレフYakovlev Yak-38フォージャー Forger】
ソ連がハリアーに対抗するために作ったのがYakovlev Yak-38です。
1971年に初飛行、1976年に就役し、その後は引退してしまいました。
これは、より性能の高いYak-41の前身であり、
タイミングが悪くキャンセルされたものの、より優れた設計と言われています。
231機が製造され、ソビエト海軍のキエフ級航空母艦に搭載されて
1991年まで使用されていました。
YAK-38のデザインはハリアーによく似ていますが、
機体の運用理論は大きく異なっています。
ハリアーはひとつのエンジンに4つの独立した推力偏向ノズルを備えてますが、
(シーハリアーの排気ノズル。
後方 (0°) から真下 (90°) を超えて斜め前方にまで角度変更が可能)
これに対し、Yakでは1つの大きなメインエンジンと、
離着陸専用に垂直に取り付けられた2つの小さなエンジンを使用しています。
【ロッキード・マーチン F 35B 22ライトニングII22】
1971年に初飛行、1976年に就役し、その後は引退してしまいました。
これは、より性能の高いYak-41の前身であり、
タイミングが悪くキャンセルされたものの、より優れた設計と言われています。
231機が製造され、ソビエト海軍のキエフ級航空母艦に搭載されて
1991年まで使用されていました。
YAK-38のデザインはハリアーによく似ていますが、
機体の運用理論は大きく異なっています。
ハリアーはひとつのエンジンに4つの独立した推力偏向ノズルを備えてますが、
(シーハリアーの排気ノズル。
後方 (0°) から真下 (90°) を超えて斜め前方にまで角度変更が可能)
これに対し、Yakでは1つの大きなメインエンジンと、
離着陸専用に垂直に取り付けられた2つの小さなエンジンを使用しています。
【ロッキード・マーチン F 35B 22ライトニングII22】
「ジョイント・ストライク・ファイター Joint Strike Fighter Program」
統合打撃戦投機計画」
は、アメリカ、イギリス、カナダその他同盟国における
戦闘機を置き換えるための最新の開発取得計画です。
その計画の一環として、STOVLのバリエーションが設計されました。
STOVLとは、short takeoff/vertical landing、つまり
短距離離陸(STO)と垂直着陸(VL)を組み合わせた
垂直/短距離離着陸機という意味です。
F-35Bは、ベクターノズルを備えたシングルタービンエンジンと、
離着陸時に揚力を得るためのパワードファンを搭載しています。
F-35BのV/STOLシステムに使われた技術の多くは、
ロッキード・コーポレーションとヤコブレフ社の提携によるものです。
後にキャンセルされたYak-41となる実験機Yak-141に搭載されたシステムが、
F-35Bへの道を切り開いたということができます。
離着陸時に揚力を得るためのパワードファンを搭載しています。
F-35BのV/STOLシステムに使われた技術の多くは、
ロッキード・コーポレーションとヤコブレフ社の提携によるものです。
後にキャンセルされたYak-41となる実験機Yak-141に搭載されたシステムが、
F-35Bへの道を切り開いたということができます。
F-35プログラムは、各兵科のニーズに合わせてカスタマイズされた
各種バージョンが用意されていることから、
「ジョイントストライク・ファイター」と呼ばれています。
その中でV/STOL機能を持っているのはF-35Bだけとなります。
各種バージョンが用意されていることから、
「ジョイントストライク・ファイター」と呼ばれています。
その中でV/STOL機能を持っているのはF-35Bだけとなります。
以下の通り。
F-35A - 空軍の通常離着陸型戦闘機/迎撃機
F-35B - V/STOLバージョン(海兵隊用)
F-35C - 海軍用の空母艦載型戦闘機
【ボーイング Harrier ハリアー】
BAe Harrier GR9
F-35A - 空軍の通常離着陸型戦闘機/迎撃機
F-35B - V/STOLバージョン(海兵隊用)
F-35C - 海軍用の空母艦載型戦闘機
【ボーイング Harrier ハリアー】
BAe Harrier GR9
ハリアーシリーズは、前述の通り通称「ジャンプジェット」と呼ばれる航空機です。
この分野におけるハリアーの存在を過小評価するのは簡単ですが、
もしハリアーがなかったら、後続の航空機は存在しなかったとも考えられます。
航空史上、技術者たちが考え出した大胆で一見無謀な発明の中で、
ハリアーは最も現実にその足跡を残したとも言えるのです。
ハリアーは1969年の初就役以来、現在でもアメリカ海兵隊や、
海外の一部などで限定的に運用されています。
しかし、主要な使用者である英国空軍と英国海軍は、
老朽化したハリアーをすでに退役させています。
1966年、イギリスで誕生したハリアーは、ヘリコプターのように
垂直に着地・離陸できるという特性から、海兵隊に注目されました。
前線近くの仮設飛行場や小型甲板の水陸両用強襲揚陸艦という
海兵隊ならではの運用に最適と考えられたからです。
ハリアーの運用は、海兵隊地上部隊の迅速な近接航空支援を可能にし、
ホーマー・ヒル海兵隊少将は次のようにハリアーを絶賛しました。
「ヘリコプターのように簡単に配備でき、
通常の攻撃機のようなパンチ力を持つ航空機は、
軍事航空に大きな影響を与えるだろう」
この分野におけるハリアーの存在を過小評価するのは簡単ですが、
もしハリアーがなかったら、後続の航空機は存在しなかったとも考えられます。
航空史上、技術者たちが考え出した大胆で一見無謀な発明の中で、
ハリアーは最も現実にその足跡を残したとも言えるのです。
ハリアーは1969年の初就役以来、現在でもアメリカ海兵隊や、
海外の一部などで限定的に運用されています。
しかし、主要な使用者である英国空軍と英国海軍は、
老朽化したハリアーをすでに退役させています。
1966年、イギリスで誕生したハリアーは、ヘリコプターのように
垂直に着地・離陸できるという特性から、海兵隊に注目されました。
前線近くの仮設飛行場や小型甲板の水陸両用強襲揚陸艦という
海兵隊ならではの運用に最適と考えられたからです。
ハリアーの運用は、海兵隊地上部隊の迅速な近接航空支援を可能にし、
ホーマー・ヒル海兵隊少将は次のようにハリアーを絶賛しました。
「ヘリコプターのように簡単に配備でき、
通常の攻撃機のようなパンチ力を持つ航空機は、
軍事航空に大きな影響を与えるだろう」
海兵隊は102機のAV-8Aハリアーと8機の訓練機(TAV-8A)を発注しました。
機体は基本的に英国空軍のハリアーと同じ、
アビオニクス、飛行制御、武器システムはアメリカ製でした。
機体は基本的に英国空軍のハリアーと同じ、
アビオニクス、飛行制御、武器システムはアメリカ製でした。
【ハリアーの飛行システム】
ハリアーの飛行は他のジェット機とは異なり、繰り返しますが、
「ベクトード・スラスト」Vectored Thrust=推力偏向
という概念を採用しています。
ハリアーの飛行は他のジェット機とは異なり、繰り返しますが、
「ベクトード・スラスト」Vectored Thrust=推力偏向
という概念を採用しています。
タービンのバイパスエアは翼根にある2対のノズルのうちの1つに送られ、
ジェットの排気は2つ目のノズルから送られます。
ノズルは縦軸に沿って一体的に回転させることができ、
前方飛行のためには真後ろから、ホバリングのためには
真下より少し前まで回転させることができます。
ノズルの位置は、スロットルの近くにある1本のレバーで操作を行います。
エレベーターやラダーが使えないほど速度が遅いホバリングモードでは、
リアクションコントロールシステムが働き、
翼端、機首、尾翼の「パファー」または「パフパイプ」と呼ばれる排気ダクトに
高圧のブリードエアを送ることができるのです。
操縦桿を前に動かすと、尾翼の下にあるパファーが空気を放出して機首が下がり、
後ろに引くと、機首の下にあるパファーが空気を放出して機首が上がります。
ジェットの排気は2つ目のノズルから送られます。
ノズルは縦軸に沿って一体的に回転させることができ、
前方飛行のためには真後ろから、ホバリングのためには
真下より少し前まで回転させることができます。
ノズルの位置は、スロットルの近くにある1本のレバーで操作を行います。
エレベーターやラダーが使えないほど速度が遅いホバリングモードでは、
リアクションコントロールシステムが働き、
翼端、機首、尾翼の「パファー」または「パフパイプ」と呼ばれる排気ダクトに
高圧のブリードエアを送ることができるのです。
操縦桿を前に動かすと、尾翼の下にあるパファーが空気を放出して機首が下がり、
後ろに引くと、機首の下にあるパファーが空気を放出して機首が上がります。
同様に、操縦桿を左右に動かすと、翼端のパファーが作動して飛行機がロールし、
ラダーペダルで操作する尾翼のパファーが空気を横に吹き出して
"ヨー "をコントロールします。
ラダーペダルで操作する尾翼のパファーが空気を横に吹き出して
"ヨー "をコントロールします。
【ハリアーII】
ジェット機の底面図
武器を搭載するための多数の翼下パイロンが見える
胴体下面には2本のフェンスが配置されている
AV-8BハリアーIIの胴体下面
AV-8BハリアーIIは、ホーカー・シドレー・ハリアーの
基本的なレイアウトを踏襲した亜音速の攻撃機です。
ロールスロイス社製ペガサス・ターボファンエンジンを1基搭載しており、
タービンの近くに2つの吸気口と4つの同期式ベクタブルノズルを備えています。
胴体の下側には、マクドネル・ダグラス社が開発した揚力向上装置があり、
地面に近づいたときに反射するエンジンの排気をとらえ、
最大で1,200ポンド(544kg)相当の揚力を得ることができます。
初代ハリアーと比較すると、ハリアーIIの操縦については
パイロットの負担が大幅に軽減されました。
技術革新による安定性の向上で、基本的に操縦しやすくなったのです。
安全面においても、「UPC/Stencel 10Bゼロゼロ射出座席」の搭載により、
パイロットはに静止した航空機から高度ゼロで射出できるようになりました。
最も徹底的に再設計されたのは主翼で、技術者は
新しい一体型の超臨界主翼によって巡航性能を向上させることに成功しました。
積載量が増加し、 主翼はほとんど複合材でできているため、
AV-8Aの小型の主翼よりも150kgも軽くなりました。
ハリアーIIは、炭素繊維複合材を広範囲に採用した最初の戦闘機です。
機体構造の26%が複合材でできており、従来の金属構造に比べて
217kgもの軽量化を実現しています。
英国のハリアーは1982年のフォークランド諸島戦争で戦闘任務に就き、
42機が地上支援、防空、艦船攻撃、偵察に投入されました。
少なくとも20機のアルゼンチン航空機を空対空の損失なしに撃墜しています。
海兵隊の航空機が初めて戦場に出たのは、それから約20年後のことで、
砂漠の嵐作戦では、86機のハリアーが艦上と陸上の両方から戦闘任務に就き、
3,380回、4,038時間の出撃を行い、595万ポンド以上の武器を輸送しました。
また、1999年にNATOがコソボに対して行った持続的な航空作戦
「アライドフォース作戦」でも戦闘任務を遂行し、
現在も「テロとの戦い」の作戦支援のために飛行しています。
新しい一体型の超臨界主翼によって巡航性能を向上させることに成功しました。
積載量が増加し、 主翼はほとんど複合材でできているため、
AV-8Aの小型の主翼よりも150kgも軽くなりました。
ハリアーIIは、炭素繊維複合材を広範囲に採用した最初の戦闘機です。
機体構造の26%が複合材でできており、従来の金属構造に比べて
217kgもの軽量化を実現しています。
英国のハリアーは1982年のフォークランド諸島戦争で戦闘任務に就き、
42機が地上支援、防空、艦船攻撃、偵察に投入されました。
少なくとも20機のアルゼンチン航空機を空対空の損失なしに撃墜しています。
海兵隊の航空機が初めて戦場に出たのは、それから約20年後のことで、
砂漠の嵐作戦では、86機のハリアーが艦上と陸上の両方から戦闘任務に就き、
3,380回、4,038時間の出撃を行い、595万ポンド以上の武器を輸送しました。
また、1999年にNATOがコソボに対して行った持続的な航空作戦
「アライドフォース作戦」でも戦闘任務を遂行し、
現在も「テロとの戦い」の作戦支援のために飛行しています。
【ハリアーII誕生までの経緯】
1960年代後半から1970年代前半にかけて、第1世代のハリアーは
英国空軍と米国海兵隊に就役したものの、
航続距離と積載量がいまいちという評価がありました。
英国空軍と米国海兵隊に就役したものの、
航続距離と積載量がいまいちという評価がありました。
この問題に対処するため、ホーカー・シドレーとマクドネル・ダグラスは
英米合同で1ハリアーの、より高性能なバージョンの共同開発を開始します。
初期の取り組みでは、ブリストル・シドレーがテストしていた
ペガサスエンジンの改良型、ペガサス15を搭載することになっていましたが、
強力になったただけに、エンジンの直径が2.75インチ(70mm)と、
大きすぎてハリアーに収まらなかったのでした。
おまけに、英国政府は1975年、国防費の減少、コストの上昇、
RAFの60機の必要数の不足を理由にプロジェクトから撤退してしまいます。
いろいろ言っていますが、要するにお金がなかったということです。
イギリスに辞められた後、アメリカはすっかりやる気をなくして、
単独での開発費を負担する気になれず、同年末にプロジェクトを終了しました。
おもしろいのがここからです。
国単位でのプロジェクトが終了したにもかかわらず、英米の2社は
ハリアーの強化に向けて異なる道を決して諦めなかったのでした。
国家予算の段階でストップがかかっても、現場の技術者たちは
英米ともに非常に諦めが悪かったということのようです。
ホーカー・シドレー社は、既存の運用機に後付け可能な新型の大型主翼に注力し、
マクドネル・ダグラス社は、米軍のニーズに応えるために、
その高価であまり野心的ではないプロジェクトを独自に進めていきます。
その結果、マクドネル・ダグラスはAV-16から得た知識を用いて、
AV-8Aハリアーを大幅に設計変更し、AV-8Bを開発させました。
英米合同で1ハリアーの、より高性能なバージョンの共同開発を開始します。
初期の取り組みでは、ブリストル・シドレーがテストしていた
ペガサスエンジンの改良型、ペガサス15を搭載することになっていましたが、
強力になったただけに、エンジンの直径が2.75インチ(70mm)と、
大きすぎてハリアーに収まらなかったのでした。
おまけに、英国政府は1975年、国防費の減少、コストの上昇、
RAFの60機の必要数の不足を理由にプロジェクトから撤退してしまいます。
いろいろ言っていますが、要するにお金がなかったということです。
イギリスに辞められた後、アメリカはすっかりやる気をなくして、
単独での開発費を負担する気になれず、同年末にプロジェクトを終了しました。
おもしろいのがここからです。
国単位でのプロジェクトが終了したにもかかわらず、英米の2社は
ハリアーの強化に向けて異なる道を決して諦めなかったのでした。
国家予算の段階でストップがかかっても、現場の技術者たちは
英米ともに非常に諦めが悪かったということのようです。
ホーカー・シドレー社は、既存の運用機に後付け可能な新型の大型主翼に注力し、
マクドネル・ダグラス社は、米軍のニーズに応えるために、
その高価であまり野心的ではないプロジェクトを独自に進めていきます。
その結果、マクドネル・ダグラスはAV-16から得た知識を用いて、
AV-8Aハリアーを大幅に設計変更し、AV-8Bを開発させました。
AV-8Bは1981年に初飛行し、1985年には米海兵隊に就役しました。
その後、夜間攻撃機AV-8B(NA)、レーダー搭載型ハリアーIIプラスが誕生。
その後、夜間攻撃機AV-8B(NA)、レーダー搭載型ハリアーIIプラスが誕生。
個人的に大変残念に思うのは、ハリアーIIIなる大型化された機種が
検討段階でポシャって実現には至らなかったということです。
かたや英国はというと、1990年代にBAEシステムズ社がボーイングと合併し
共同でプログラムをサポートすることになりました。
最終的に2003年に終了した22年間の生産計画で、約340機が生産されました。
検討段階でポシャって実現には至らなかったということです。
かたや英国はというと、1990年代にBAEシステムズ社がボーイングと合併し
共同でプログラムをサポートすることになりました。
最終的に2003年に終了した22年間の生産計画で、約340機が生産されました。
【アメリカ海兵隊での運用履歴】
AV-8Bは、1984年にアメリカ海兵隊運用評価テストを受けました。
4人のパイロットと整備・支援担当者が戦闘状態でテストを行い、
指定された航続距離と積載量の範囲内で、航続距離、目標物の捕捉、武器搭載、
敵の行動からの回避・生存などの任務遂行能力が評価されました。
テストでは他の近接支援機と連携して深層および近接航空支援任務を遂行し、
さらに戦場での妨害活動や武装偵察任務を行うことが求められました。
第2フェーズでは、戦闘機の護衛、戦闘空中哨戒、
甲板発射による迎撃任務が課せられ、設計上の欠点が指摘されたものの
のちに修正され、テストは成功したとみなされました。
AV-8Bは1990-91年の湾岸戦争でも活躍しました。
USS「ナッソー」や「タラワ」、そして陸上基地に配備された機体は、
当初は訓練や支援出撃、連合軍との共同訓練などを行っていました。
AV-8Bは「砂漠の嵐」作戦で当初は予備機となっていましたが、
イラク軍の製油所砲撃が起こり、あのOV-10ブロンコの前方航空管制官が
航空支援を要請してきたので、戦闘に投入されることになりました。
さらに戦場での妨害活動や武装偵察任務を行うことが求められました。
第2フェーズでは、戦闘機の護衛、戦闘空中哨戒、
甲板発射による迎撃任務が課せられ、設計上の欠点が指摘されたものの
のちに修正され、テストは成功したとみなされました。
AV-8Bは1990-91年の湾岸戦争でも活躍しました。
USS「ナッソー」や「タラワ」、そして陸上基地に配備された機体は、
当初は訓練や支援出撃、連合軍との共同訓練などを行っていました。
AV-8Bは「砂漠の嵐」作戦で当初は予備機となっていましたが、
イラク軍の製油所砲撃が起こり、あのOV-10ブロンコの前方航空管制官が
航空支援を要請してきたので、戦闘に投入されることになりました。
翌日、米海兵隊のAV-8Bはクウェート南部のイラク軍陣地を攻撃。
戦争中、武力偵察を行い、連合軍と協力して目標を破壊しました。
「砂漠の盾」「砂漠の嵐」作戦において、86機のAV-8Bは
任務遂行率90%以上という実績を上げています。
戦争中、武力偵察を行い、連合軍と協力して目標を破壊しました。
「砂漠の盾」「砂漠の嵐」作戦において、86機のAV-8Bは
任務遂行率90%以上という実績を上げています。
そのうち5機のAV-8Bが敵の地対空ミサイルによって失われ、
2人の米軍パイロットが死亡しました。
AV-8Bの消耗率は1,000回出撃するごとに1.5機でした。
2人の米軍パイロットが死亡しました。
AV-8Bの消耗率は1,000回出撃するごとに1.5機でした。
後にノーマン・シュワルツコフ陸軍大将は、
F-117ナイトホーク、AH-64アパッチとともに、
この戦争で重要な役割を果たした7つの兵器のひとつにAV-8Bを挙げています。
戦後の1992年8月27日から2003年まで、米海兵隊のAV-8Bなどが
「サザンウォッチ作戦」を支援してイラクの空をパトロールしました。
1999年、AV-8Bは「アライドフォース」(同盟国軍)作戦における
NATOのユーゴスラビア空爆に参加。
12機のハリアーが戦闘に投入され、コソボで戦闘航空支援任務を遂行しました。
米海兵隊のAV-8Bは2001年からアフガニスタンで行われた
「不朽の自由作戦」に参加、4機のAV-8Bが攻撃任務を行いました。
また夜間戦闘機6機のナイトアタックAV-8Bが
主に夜間に攻撃などの任務とともに偵察任務を遂行しています。
F-117ナイトホーク、AH-64アパッチとともに、
この戦争で重要な役割を果たした7つの兵器のひとつにAV-8Bを挙げています。
戦後の1992年8月27日から2003年まで、米海兵隊のAV-8Bなどが
「サザンウォッチ作戦」を支援してイラクの空をパトロールしました。
1999年、AV-8Bは「アライドフォース」(同盟国軍)作戦における
NATOのユーゴスラビア空爆に参加。
12機のハリアーが戦闘に投入され、コソボで戦闘航空支援任務を遂行しました。
米海兵隊のAV-8Bは2001年からアフガニスタンで行われた
「不朽の自由作戦」に参加、4機のAV-8Bが攻撃任務を行いました。
また夜間戦闘機6機のナイトアタックAV-8Bが
主に夜間に攻撃などの任務とともに偵察任務を遂行しています。
イラク戦争開戦から1ヶ月後、
水陸両用強襲揚陸艦USS「バターン」上にホバリングする米海兵隊のAV-8B
2003年のイラク戦争では、主に米海兵隊の地上部隊を支援するために参加。
初動時には60機のAV-8BがUSS「ボノムリシャール」や「バターン」など
艦船に配備され、戦争中はそこから1,000回以上の出撃が行われました。
このとき、「ボノム・リシャール」からの1回の出撃で、ハリアーは
共和国軍の戦車大隊に大きなダメージを与えています。
初動時には60機のAV-8BがUSS「ボノムリシャール」や「バターン」など
艦船に配備され、戦争中はそこから1,000回以上の出撃が行われました。
このとき、「ボノム・リシャール」からの1回の出撃で、ハリアーは
共和国軍の戦車大隊に大きなダメージを与えています。
ハリアーは高い評価を得ていたものの、なにしろ
1機あたりの滞空時間が15~20分程度と限られていたため、
米海兵隊内では6時間の滞空が可能で、重装備の近接航空支援能力を持つ
AC-130ガンシップの調達を求める声が上がっていました。
AV-8Bは、2012年に就航が予定されていたロッキード・マーチン社の
F-35ライトニングIIのF-35Bバージョンに置き換えられることになっていますが、
米海兵隊は2025年までハリアーを運用する予定です。
【FLAMのハリアーII】
1974年に就役し、海兵隊攻撃隊(VMA)513に所属したのち、
VMA-231装備として水陸両用攻撃艦「ナッソー」(LHA4)に配備されました。
その後、VMA513と水陸両用強襲揚陸艦「ガダルカナル」(LPH7)に。
水陸両用強襲揚陸艦タラワ(LHA 1)にも乗り組みました。
1974年に就役し、海兵隊攻撃隊(VMA)513に所属したのち、
VMA-231装備として水陸両用攻撃艦「ナッソー」(LHA4)に配備されました。
その後、VMA513と水陸両用強襲揚陸艦「ガダルカナル」(LPH7)に。
水陸両用強襲揚陸艦タラワ(LHA 1)にも乗り組みました。
多くの一般市民がジェット機のホバリングを初めて目にしたのは、
1994年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガーの
アクション・コメディの代表作である映画「トゥルー・ライズ」でした。
映画でアーノルドがAV-8Bハリアーを操縦してテロリストから娘を救出する姿が
描かれていたのを覚えておられる方もいるかもしれません。
ハリアーは何十年もの間、現役の戦闘機の中で
最も機動性の高い航空機の一つであり続けました。
続く。
マクダネル・ダグラスとBEAの共同開発でAV-8BとハリアーGR.7の名称でした。
英空軍はハリアーGR.5の名称で60機、スペイン海軍がEAVー8BマタドールⅡの名称で12機を1987年以降受領しました。米海兵隊は約260機採用しましたが前方監視赤外線装置や暗視ゴーグル対応やAPG-65レーダーの搭載したハリアーⅡプラスに100機以上がされました。イギリス等も改修機があります。
スペインも8機、イタリアは16機プラスを購入しました。
イギリスはキャメロン政権で軍事縮小の煽りを受け2011年退役し、改修されたハリアーGR.9の72機が米海兵隊に譲渡されました。これらはスペアーパーツとされました。
F-35Bの配備で退役していくようです。
全幅9.25m、全長14.12m、総重量14.06t、最大速度1,080㎞/h、戦闘行動半径1,128㎞、武装25㎜機関砲1基、AIM-9L×4発、AIM-120×4発、AGM-65×4発、爆弾等4.173t、乗員1名
参照せきれい社「世界航空機年鑑」
VTOL機といえば、これを忘れています!
https://www.youtube.com/watch?v=mnnCXoxnyvI
まあこの手の機体はサンダーバードを含めて殆どがVTOL なんですが、ジェットビートルのビートルは甲虫やビートルズではなくVTOLなので特筆すべきでしょう。開発者は平田様演じる岩本博士ですし(^.^)
ちなみにこれ「妖星ゴラス」でマグマと戦った機体の流用です。