去年の夏、スタンフォードのリスに夢中になったエリス中尉ですが、
いたるところ自然が豊かなアメリカ、動物の生態を観察する機会は
ここ東海岸でも事欠きません。
去年の滞在にはなかった、カール・ツァイス搭載デジカメとニコン1、
このどちらもを駆使して、今年は写真を撮りまくっています。
息子の送り迎えや買い物のときは、小さなRX100を持ち歩いて、
何か面白いものを観たりしたときにはさっとカメラを出して撮影。
先日、学校の帰りにこんなことがありました。
アメリカの学校は基本スクールバスでなければ車の送り迎えです。
学校にはそのためのドライブウェイがあり、親は車を所定の位置に並べ、
前から順番に子供を受け取ったり送りだしたりするシステムです。
この学校はボーディングスクール(全寮制)なので、日頃は送り迎えがありません。
夏の間だけのシステムとなります。
前のトヨタが一番乗りの車。
わたしは二番目に到着しました。
学校の敷地内に建っているので関係者の家のようですが、
このあたりは何年きてもさっぱり事情は分かりません。
向こうの方からカウンセラー(キャンプの先生。学生のバイトだったりする)と子供が
アクティビティ先から帰ってきました。
毎年、キャンプのためのTシャツを作って、カウンセラーとキャンパーに配ります。
今年の色はカウンセラーがオレンジ、キャンパーは黒。
えんじ色はこの学校のスクールカラーで、もともとこの学校の所属である人たち。
というわけで、息子を乗せて学校から車を出したとたん・・・。
前方を横切る見たことのない鳥。
「何、この鳥」
「・・・・ダチョウ?」
「なわけあるか」
つがいで仲良く道路を渡りだしました。
向かいの車も通りすぎるのを辛抱強く待っています。
ここぞとカメラを取り出して撮影するエリス中尉。
「七面鳥?」
「七面鳥ってもっと脚短かったと思うけど」
「じゃ雷鳥」
「雷鳥はもっと小さいし」
ゆうゆうと、というか威風堂々と彼らは道を渡って行ってしまいました。
「あんな鳥、このあたりにいるんだ・・・」
「なんだったんだろう」
インターネットでもそれらしい鳥がヒットしません。
その次の日のこと。
いつもの公園にニコン1持参で行きました。
この写真を撮っていると、向かいから歩いてきたおじさんが、
「あそこのリッジのあたりまでいくと、ダックなんかがたくさんいたよ」
こんなところでもの珍しそうに見えたのか、わざわざ立ち止まって教えてくれました。
ダックじゃなくてあれはギースなんですけどね。
でもせっかく親切に教えていただいたので、
「そうなんですか!行ってみます。ありがとう」
と初めて知ったかのような反応をしておきました。
そしていつものコースを歩いていきます。
おじさんの言う「リッジ」とはこの写真の向こうに見える、
湖をせき止めている土手のこと。
土手の上は一本道になっていて向こうまで歩けます。
目の端に動くものを捕えてふと目をやると、
岩の上に、リス。
この辺のリスはスタンフォードのリスのように斑点はなく、日本のリスのような
縞々のしっぽでもありません。
顔も両者と比べてあまり個人的に可愛いと思えないのですが、
それでもリスはリス。
どうもこの種類は「トウブハイイロリス」というようです。
「トウブシマリス」も同地域に生息するという話ですが、
わたしはボストンではこのタイプしか見たことがありません。
名前はわかりませんが、この鳥も写真を拡大してみたら
虫を捕えて加えていることがわかりました。
コースの途中で、新宿御苑のレッスンを思い出して一枚。
さらに歩いていくと、土の上に小さな小さなカエルを発見。
これ、拡大していますが、体長1センチくらいしかないんですよ。
それをさらに拡大。
小っちゃいのにちゃんとカエルの形をしている。って当たり前か。
両生類嫌いな人ごめんなさい。
エリス中尉、実はカエル大好きです。
ポイントはずぼらな、じゃなくてつぶらな目、ですかね。
だから、基本的に目がかわいくないと「友達にはなれない」気がしてダメ。
この日は大収穫で、道路を横断するカミツキガメも見ることができましたが、
やっぱりこういう生物は少し苦手かな・・・。
よたよたと歩いているのですが、甲羅には結構いろんな間借り人がいて、
甲羅の上でうにょうにょ動いていたりするのがさらに不気味・・・。
このガメラのような手足の爪も、無駄に鋭くていったいなんのために、って感じだし。
だいたい、いかにも人相が悪いのがよくない。
そんなことを思いながらも立ち止まって写真を撮っていると、
「これに触っちゃだめよ。
これはスナップタートルと言って、この道の向こう側に巣があるんだけど、
ときどき反対の池に移動するのよ」
ウォーキング中のおばちゃんが立ち止まってこう言いました。
言われなくてもこんな気色の悪いカメ、触りませんよ。
と言うのもなんなのでまたしても
「あ、そうなんですかー、噛むんですかー」
と生まれて初めて聴く話のような顔をして相槌を打つ、美しい日本の空気読む私。
さらにおばちゃん、
「こんなところにいたら車が来たらひかれてしまうから、
アナタここにいて車が来たら踏まないように指示しなさい」
と一方的に言い渡して、行ってしまわれました。
いるよね。こういうおばちゃん。世界中どこにでも。
いやまあ、こんなところで朝っぱらから写真撮ってるわけだし、
いかにも暇そうに見えたのはわかりますが、だからといって、
亀が道路を渡りきるまでずっと見ていろって・・・・。
一体何時間かかるのかもこりゃーわかりませんな。
まいったまいった。
というわけで、カミツキガメが全くかわいくないせいもあって、早々に見捨て、
「せいぜいひかれないように頑張って渡りたまえ」
と激励の言葉を残して散歩を再開したエリス中尉です。
でも、おばちゃんに亀の命を託されてしまったにもかかわらず立ち去ったことで、
ハゲワシに狙われるアフリカの子供を撮影し、ピューリッツアー賞を取ったものの
その後全世界から非難されて自殺してしまったカメラマンのことをちらっと思い出してしまいました。
振り返ってみたら、なんと黄色い線のところで向きを変え、
Uターンして元来た方向に戻ろうとしていました。
何か戻らなければいけない理由でも思い出したのだろうか。
ところでこのおばちゃんですが、
あれ、この特徴のある後ろ姿は・・・・・。
去年、わたしが当ブログ記事で勝手に「ドリス・オグラディ」と名付けて
勝手に紹介したおばちゃんじゃなかったっけ。
初めて二年連続で同じ人を同じ場所で見ました。
ウォーキング、続いているんだ。よかったよかった。
あまり効果があったようには見えないけど、まあ、何事も続けることに意味があるよね。
さて、おばちゃんの言いつけを無視して(笑)歩き出してすぐ、
テーブルのたくさん並んだ松林に差し掛かると、
リスの集団、キター!
最初は松の木の上の方でがさがさやっていたのですが、
みんなで一斉に幹を伝って降りてきました。
冒頭写真でもおわかりのように、リス、ちゃんと人間の様子を伺うんですね。
なんのために降りて来たかというと、ピクニックテーブルの下などに落ちている
食べ物のかけらを拾いに来たようです。
アメリカ人の食べ残しなんか食べたら、体に悪いと思うけど。
ニコン1にはポートレイトのときにわざわざ切り替えるためのモードがあって、
それを使用するとバックライトが光って「目に光が入る」
つまり、目を生き生き見せる効果があるのだと習いましたが、
これは別にそのモードを使ったわけでもないのに目に光が入って、
まるで最近のユニバーサルのアニメみたいに見えます。
木につかまったままこちらを眺めるリス。
完璧に爪で体を支えていますね。
爪で木の幹に引っかかっているのかな。
さらにアップにしてみました。
かわいいじゃないかおい。
そうやって走り回るリスを激写していると、運命の出会いが・・・・!
ああ、あなたは確か昨日の。
しかし、初めてボストンに来てから以来15年。
住んでいたこともあるし毎年必ず一度は訪れて来たのに、
この奇妙な鳥を目撃したのは今回が初めてなのです。
しかもその鳥を二日続けて全く別の場所で見てしまうという偶然。
昨日の学校の近くとここは車でせいぜい6~7分の距離なので、
もしかしたら昨日見た鳥がここに移動してきたのかもしれません。
かなり離れていましたが、やはり鳥もこちらを意識しています。
やっぱりここでもつがいの二羽で行動していますし。
今、「ホロホロチョウ」という言葉がふと浮かんで画像検索したのですが、
・・・・違いました・・・・。
ホロホロチョウは黒地に白の斑点で、脚が短い鳥です。
ツルの種類ほど脚、長くないし・・・・。
「エミュー」?
いやいや、ここはオーストラリアじゃないし・・・。
航空機の種類を間違えていたり「なんでしょうか」と訊けば、
だいたい12時間以内に正解が寄せられるヤフー知恵袋状態のこのブログも、
さすがに鳥の種類に詳しい方はあまり見ていないとは思いますが、
どなたかこの鳥が何だかご存知でしたらぜひ教えてください。