第8回目の訪問です。2009年9月20日の日曜日になります。日曜日は修復作業もお休みです。
カンボジア人の観光客がいました。彼らは初め写真撮影を警戒していましたが、慣れるに従い気軽に応じてくれました。
グーグルマップで確認すると近くにはタイとカンボジアを結ぶ道がたくさんあって往来は自由(?)なようです。
=回廊外壁の西偽扉=
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=回廊北門=
=北経蔵=
回廊門と経蔵の破風を修復中です。回廊内は石材がゴロゴロしています。
6ヶ月後の2010年3月14日です。外周壁、内濠の掘削と回廊門の仕上げ作業が行なわれています。
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回廊北門の破風の彫刻中です。2009年9月20日に組み上げた回廊北門と比較してください。
残念なのは主祠塔を始め大半のまぐさ石に新石材が使われ彫刻がないことです。
下は主祠塔西偽扉のまぐさ石で、残存する一部の複製をコンクリートで固定しています。
オリジナルはプラチンブリー国立博物館に展示されていますが、複製は彫が浅く繊細さがありません。
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2年間をおいて2012年1月25日そして10月23日の訪問です。
1月は濠越しの写真のみです。内濠は水をたたえ、乾期ですが地面は草が青々としています。
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参道の石柱を運び込み、余った石材の撤去中です。
そして12回目、2013年3月24日、春分の日から4日遅れの日の出撮影です。
日の出写真は1回目に投稿していますからそれ以外を掲載します。
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参道の石柱を制作中です。欠損する古い石を新しい石材で継いでいます。朝が早いので作業者はまだ集まっていません。
木の根元に放置された石材にはナーガの繊細な彫刻が施されています。
遺跡内には現代寺院が建っていますが、芸術局によって隣地に建直し中です。
彼らは芸術局の職員でここに寝泊まりして寺院建築の指揮をしています。
近隣の住民が掘り起こし、回収してきたた扶南時代の遺品を並べてくれました。
2014年3月16日の春分の日の訪問です。参道の石柱は完成していました。
白い石がいかにも新作と分る石柱です。
バライの掘削も終わり遺跡の修復はほぼ終わったようですが、やはり気になるのはデヴァダの足です。
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デヴァダの足の残欠がたくさんありましたが、結局どこにも組み込まれていません。本来どこにあったのかも分りません。
ここから東150kmにアンコール ワットがあります。アンコール ワットには2000体以上のデヴァダが彫られていると言われていますが、そのデヴァダを撮影したくて出かけた私にとっては、納得出来ない修復です。
下は古い石材に加工してあった、ズレ防止のチギリを挿すための溝だと思うのですが、修復にはこんな小細工はありません。昔の職人の知恵です。
その後8年間、足が途絶えました。以降はインフォメーションセンターや周辺の整備をしていたのか、たまたま訪れた今年5月8日の翌週に「サドック コック トム歴史公園」が正式にオープンしました。
20年に及ぶ修復工事でした。近々もう一度訪れインフォメーションセンターの展示品を観たいと思っています。今までは無料で入れましたが、入り口に立派なチケット売り場も建てられており、将来は入場料を徴収されそうです。