の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

チャイヤプームの織物 2

2022年10月13日 | 織物
チャイヤプームはバンコクの北北東300kmにあるコラート台地の入り口です。
チャイヤプームにはウコンの仲間、クルクマ・シャローム(クラチオ/和名不明)の自生地がたくさんあり、特にパー・ヒン・ンガム国立公園は有名です。雨季に入ると山腹にピンクの花を咲かせ、観光客で溢れます。また、この山には奇岩が林立しています。
サイトーン国立公園は蝶々の宝庫です。






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サイトーン滝で吸水する蝶々たち


バーン・クワーオ村の続きです。
この家は綿花の栽培、綿織物も生産しています。
かって聞いたのは、若い娘は絹織物、年を取る綿織物をすると....絹は繊維が細く視力のよい若いうち、歳をとって視力が衰えると太い糸の綿を織ると。

ワタはアオイ科の多年草でフヨウやハイビスカスの仲間です。
まず、白い花が咲き、翌日にはピンクに変わっていきます。花が落ちる頃には大きなワタの実を付けています。
数日で実がはじけて綿花が開きます。
ほっておくと、綿花が膨らみ風とともに飛んでいきます。ワタの木もほっておくと2mを越える大木になり、回りは散った綿花の種が芽を出し、空地一面の綿畑になってしまいます。
丈夫で繁殖力の強い植物です。


















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玄関横にあった綿花です


摘んだ綿花の乾燥中でしょうか....


まず、種を取り出します


綿を叩いてほぐします


繊維を棒に巻いていきます




糸に撚ります


どの作業も見ていると簡単で、男性の指導で実施しましたが、見ると為すでは大違い、まっとうなものは出来ませんでした。
表に置かれた染料甕を見に行ったとき米つきの指導も受けました。








チャイヤプームの織物 1

2022年10月12日 | 織物
タイの道路を走らせていると伝統工芸品を生産している集落を示す道路標識によく出会います。
チャイヤプーム市街から国道225号線を西へ15km行くとバーン・クワーオ村の表示に出会います。よく走行する道路で、いつもは横目で道路標識を見ながら通過するのですが、この日は早朝で時間もあり寄ることにしました。
取りあえず村内のシルク販売店に寄り情報収集です。
イサーンは地域毎に特色のあるマットミー(絹絣)が生産されています。




メー・トン・スックシルク店です。


展示室もあります










訪問記念に天然染料を用いたマットミー2点を購入しました。女店主(トン・スック氏)からは購入した生地をもっての記念撮影を求められました。

女店主に生産している所を見学したいと申し入れると、店員に案内するよう言いつけてくれます。
店員のバイクに先導され狭い路地を入った一軒に到着、来訪の説明をしてくれます。






カイコです









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カイコの幼虫と繭から糸を取り出しているのは同じチャイヤプームですが少し北に位置した農村です。
この農家は農閑期に絹糸の生産をしているようです。(生産工程が分るように補足しました)









糸を取り除いた蛹はイサーンの大切なタンパク源です。彼女は蛹を囓りながらの作業中です。小生にも奨められましたが、遠慮しました。

次の写真はスリンで撮した、糸を括る作業です。
細かい、神経と根気のいる作業です。










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バーン・クワーオ村の訪問先に戻ります。







背後の壁にたくさんの賞状や表彰楯が置かれています






水色の紐で括っていますが、臙脂色は先染め、白色は未だ染めていません


染め上がった糸です。4色入っています


天然染料の素材です


甕に入った染料です








隣家も機織り中でした

トゲグモ

2022年10月09日 | 昆虫撮影
タイの植物は成長が早く、国立公園では大木が繁り暗い森が出来ます。森の中の灌木にクモが網を張り獲物を待っています。
トゲグモもそんな仲間です。彼らの獲物となる昆虫には目立たない網かも知れませんが、人の目にはよく分り、発見は容易です。ただ、網はたくさんの木を繋いでいるため、気をつけ近づいても、どこかの枝に触れ網を揺らしてしまいます。逃げられても派手な色をしたトゲグモは目立ちます。
見つけると枯葉が積もり、湿気を帯びた地面に座り込み慎重に撮影ですが、たくさんの蚊に襲わせることになります。

「トゲナガトゲグモ」(Macracantha arcuata) 英名はCurved Long-Spined Spider、Buffalo Spiderなどと様々の呼び名があるようですが、いずれも身体から突き出た長いトゲに由来しています。
パンシダー国立公園で撮影




次ぎも「トゲナガトゲグモ」です。上の写真と同種のようですが、体色は鮮やかな深紅で背面は凹んでいます。黒い斑点の並びも微妙に異なります。
ウェブサイト「THAILAND NATURE PROJECT」はタイに生息する昆虫や動植物が網羅されていますが、トゲナガトゲグモはチェンマイで撮影された体色がオレンジ色のものです。
ケーンクラチャン国立公園で撮影




学名(Gasteracantha doriae)です。トゲグモの仲間ですが和名はありません。
サムラン国立公園で撮影




かっこいい姿のトゲグモの仲間ですが和名はありません。学名(Gasteracantha hasselti)
サムラン国立公園で撮影(ここでは雨季の後半に地表にウスベニコップタケの密集がみられます。)








やはり和名はありません。学名(Gasteracantha kuhli)
パンシダー国立公園で撮影







シーサチャナライ古窯 4

2022年10月08日 | 陶磁器(タイ)


今回のシーサチャナライ訪問で入手した骨董を紹介します。

過去ブログ「最近見たオークション出品の東南アジア古陶磁器」でも紹介した交趾焼の鳥形水注です。
その後もネットオークションには同形の鳥形水注が出展されていたので、参考品として入手しました。
全長18.1cm、全高15.1cm、最大幅9.2cm、底寸法は8.4cm X 5.6cmの低温焼成品で叩くと鈍い音がします。出土はタークのドイ・ムス(トワイルアン村)です。

















本品も真贋は不明ですが出所ははっきりしています。興味があれば度々ネットオークションに出展される類似品と比較してください。

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長引くコロナの影響で海外から来訪者が途絶えて骨董業界も瀕死の状態です。骨董商も非売品として手許に残していた一品まで手放すようになりました。
そこで、彼らが大切にしていた塼仏を引き継ぐことにしました。

「プラ・カンペーン・ハローイ(500)」と呼ばれる五十五仏の塼仏です。スコータイ窯で焼かれ、ワット・プラ・パーイルワン出土です。コ・ノーイ窯で焼かれた塼仏と比較すると手取りは軽いです。


縦13.4cm、幅10.0cm、最大厚み0.6cm、147g




縦15.5cm、幅12.0cm、最大厚み1.2cm、240g



コ・ノーイ窯で焼成された五十五仏の塼仏です。

縦14.7cm、幅10.6cm、最大厚み1.0cm、258g




ゴップ・ナム・オイ
直径7.0cm、最大厚み1.5cm、64g


シーサチャナライ窯で焼成された塼仏はワット・パヤ・ダム出土です。
ちなみに、シーサチャナライでは「ワット・パヤ・ダム」、スコータイでは「ワット・プラ・パーイルワン」はいずれも都城跡から距離があり、人気の無い荒廃した最大規模の寺院遺跡で、出土場所のブランド名のようなものです。出所不明な塼仏は全てワット・パヤ・ダム、ワット・プラ・パーイルワンで通じるようです。

今回の訪問で2個の紡錘を貰ってきました。これも骨董商がなかなか手放さなかった貴重品(?)です。灰釉掛けの紡錘は各地で出土しますが、白釉褐彩は未だ見たことがありません。骨董商の特注品で新作です。




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鉄絵青磁長頸瓶に秋を感じようと芒に見立てて檸檬茅そして紫素芯花、扶桑花を生けてみました。花の名前を漢字にこだわってみましたが、全く理解できません(笑)。
檸檬茅は別名檸檬草でタイ料理のトム・ヤム・クンには必ず入っているハーブのレモングラスです。この香りで蚊が寄りつかない、と聞いてベランダでたくさん栽培していますが、全く効果がありません。
紫素芯花は紫蘇芯花とも書いてムラサキソシンカと読みます。別名、紫木椀樹(ムラサキモクワンジュ)または、ハート形の葉が羊の蹄に似ることから羊蹄木と呼ばれます。
「ハイビスカス」とはフヨウ属の総称で、品種改良で5,000種以上が存在するそうです。原種の赤色の花をブッソウゲ類「Hibiscus rosa/sinensis L」とし、写真の生けた淡いオレンジ色のハイビスカスの形をした花は種名を特定できなく「Hibiscus sp.」として扱われます。タイでは全て「チャバー」ですが。
背景の布は蝶々撮りによく通ったチャイヤプームの国道225号線沿いにあるバーンクワーオ村のマットミーです。