の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

カンボジアの黒色土器

2016年05月28日 | 陶磁器(クメール)
6世紀から8世紀のプレ・アンコール期の台付黒色土器です。脚部に渦巻文と蓮華のような線刻が施されています。本品はパンテアイ・メンチャイ出土ですが、タイ南部からも同系の土器が出土します。
胴径18.9cm、底径13.0cm、高さ15.3cmとなっています・


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同時期の赤色土器です。口径9.3cm、胴径8.2cm、底径5.0cm、高さ8.0cmの小さな壷です。
古人が何を入れたのか、色々と想像が膨らみます。




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5、6世紀頃から建設された、環濠と土塁で囲んだ都市遺跡「シー・マホソット」のヒンドゥー遺跡を発掘した廃土と一緒に投棄された屋根瓦です。参考にもらってきました。




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「シー・マホソット」の遺跡番号22の発掘現場です。

堆積した土で遺跡全体が埋まっており、本来の基準面は2m以上掘り下げた所にあります。大量の廃土が近くに捨てられています。








クメールの土器

2016年05月25日 | 陶磁器(クメール)
タイ東部、「サケーオ」と国境を隔てたカンボジアの「バンテアイ・メンチャイ」で出土した土器です。州都シソポンの北方にはアンコール・ワットと同規模の遺跡群が眠っていることでも有名ですが、前史時代から扶南(タイ人はなぜかタワラワディーと呼んでいます)、クメールと続く遺構もたくさんあります。ただ、ポル・ポト時代の中国製地雷が大量に残っており発掘調査は十分にされていません。

6、7世紀のろくろ成形された土器です。
カンボジアの土器はインドの影響を受けているといわれていますが、本品が影響を受けたものかどうかは僕には分かりません。






やはり、「バンテアイ・メンチャイ」出土の土器壷です。肩と銅に3条の赤い縞が描かれています。


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最近タイへカンボジアから国境を越えて入ってくる品の出土地は皆「バンテアイ・メンチャイ」ということになっています。次の青銅鐸、腕輪も発掘は「バンテアイ・メンチャイ」です。
高さ26.5cm、幅16.4cmです。





長さ14.7cm、最大径6.5cmです。成人では手を通すことができません。

クメールの瓶

2016年05月19日 | 陶磁器(クメール)

クメールの丸瓶です。頸と底近くに凸線をめぐらし、口部から頸部の凸線までを灰釉、胴部に褐釉を掛け分けています。褐釉の肩部には線刻を数条めぐらし、さらに波文を刻んでおり、クメールの壷で紹介掛分壷と同じ意匠です。胎土は黒みを帯びた陶土が用いられています。
口径5.3cm、胴径11.1cm、底径5.5cm、高さ12.9cmの小瓶です。11世紀から12世紀のブリラム窯産です。





褐釉の蓋付き壷です。





シーサケットのクメール遺跡近くの工事現場に転がっていたバラスター壷と呼ばれる壷の底部です。11世紀から12世紀にブリラムで大量に生産されています。





底面に角穴があります。焼成前に開けられた穴ですが、シーサチャナライの焼き締め壷にも水抜き穴を開けた骨壺をよく見かけます。クメールから伝わった技法のようです。

バラスター壷の破片です。





ブリラムのクメール遺跡に散乱していた陶片です。


クメールの壺

2016年05月15日 | 陶磁器(クメール)

12世紀から13世紀のブリラム窯の青磁褐釉掛分壷です。









12世紀から13世紀のブリラム窯の褐釉波文壷です。



やはりブリラムの黒釉燭台です。


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褐釉鳥形壷です。入手したのがリバーサイドの贋作で有名なチェンマイから来ているお店で、真作の自信がありません。というのも、価格交渉をすると必ずチェンマイの父親と相談をし、贋作は価格がどこまでも下がっていきますが、真作はなかなか下がりません。兎に角、評判のよくない店でした。
チェンマイの父親の店は、贋作ばかりで客が来なくなり店を閉めたと聞いていたのですが・・・。リバーサイドもずいぶん長い間足を運んでいませんが、まだやっているのかどうか。



最近見たブログに実に酷い贋作が載っていたので、敢えて恥を忍んで本品をアップしておきます。

サンカロークの亀

2016年05月08日 | 陶磁器(タイ)
褐釉の亀形小壷です。内側には石灰粉が固着しています。
全長8.5cm、全幅5.6cm、全高4.5cmです。シーサチャナライのワット・カオ・ヤイから地中に埋めた奉納仏と一緒に出土したといわれています。
胎土にはモン陶と同じ、鉄分の多い「ディーン・コ・チェック(チェック島の陶土)」が使われています。

愛嬌でしょうか、体の左右で甲羅の模様が全く違います。





青磁の亀です。胴に貫通穴があり、紐が通せるようになっています。
タイでは、年中裸で過ごす幼児が、自身のチンポコをいじくって遊ぶのを防止するため、紐を通した亀を首からぶら下げて、亀で遊ばせるようにする習慣があるそうです。







青磁の亀、というより甲羅がのっぺりとしており、スッポンとした方がよいようです。



おしりに穴があり、紐が通せるようになっています。



青磁の海亀です。海から遠く離れたシーサチャナライでは海亀を見る機会は少なかったと思いますが、写実的に生き生きと表現されています。残念ながら後脚が欠損しています。(海亀の場合、脚と呼んでいいのか分かりませんが。)
全長7.2cm、全高3.6cmです。







いずれも14世紀から15世紀のサンカローク窯で生産されました。