菩提樹の木の下で蓮華に座り瞑想する大乗仏教の釈迦像です。釈迦の左右には7層の傘蓋をもつストゥーパが彫られています。
「シー・マハポート」の「ワット・サ・マケーウワ」で発見された、南インドのアマラーヴァティー様式の影響を受けた6世紀前半の高さ114cm、横幅75cmの砂岩彫像です。
プラチンブリー国立博物館の展示品です。
プラチンブリーは市街の真ん中をバーンパコン川が流れ、タイ湾へ注いでいますが、河口付近の前史時代の遺跡「コック・パノム・ディー」、「ノーン・ノー」からの出土品、サケーオにたくさん残るプレ・アンコール神像、プラチンブリーの環濠遺跡シー・マホソットのドヴァラヴァティー時代の仏像、そしてタイ湾の沈没船から回収したスコータイ、アユタヤ時代の陶磁器が展示された見ごたえのある博物館です。
プラチンブリーはバンコクの北東90kmにあって、車だとバンナー高速道路からモーター・ウエイ、国道314、304、319号線で135kmです。国道319号線を17kmでドヴァラヴァティー、クメールの遺跡がたくさん残る「ムアン・シー・マホソット」があり、博物館までは21kmです。
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2013年10月23日、前日は仕事の都合でチャチョェンサオで泊まり、そのままバンコクへ戻るより、プラチンブリーまで75kmと遠い距離でもないので、気になっていた青釉のメソポタミア陶片を見ようプラチンブリー国立博物館へ出かけることにしました。
前日泊まったホテルから撮影した、チャチョェンサオの「ワット・ソトーン」夕暮れ風景です。
雨期も終わり、洪水の水も引いただろうと思っていたのですが、国道319号線を進むと、一帯の水田は水没状態です。
湖ではありません。バーンパコン川の水が溢れたものです。
プラチンブリー市街の道路もまだ冠水しています。
寺院の奥がプラチンブリー国立博物館です。この状態では開館していないでしょう。
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1カ月前の「ムアン・パー・ロット」近く、パーン・トーンの国道3127号線です。プラチンブリーの下流になりますが、その後1週間ほどで道路の水は退いており、上流のプラチンブリーは大丈夫だと思たのですが・・・。
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次に訪れたのが2014年3月15日です。受付で、親切にも「瞑想する仏陀像」をアメリカのメトロポリタン美術館へ貸し出し中で、9月以降でないと見られません、という説明です。
「瞑想する仏陀像」の展示場所には写真と「LOST KINGDOMS」展への貸し出し中の説明です。
メインの展示品がないということで、入館料をタイ人料金の30バーツにしてくれました。外国人の入館料は150バーツです。
プラチンブリ国立博物館のパンフレットです。タイ語版しかありませんでした。
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後日購入したメトロポリタン美術館の「LOST KINGDOMS HINDU-BUDDHIST SCULIPTURE OF EARLY SOUTHEAST ASIA」です。イタリアで印刷された336ページ、360葉の写真を掲載した豪華本です。
写真を見ているだけで楽しくなる東南アジア仏教美術誌です。
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ということで、「瞑想する仏陀像」を撮影するために2014年10月31日に訪問です。受付には誰も居らず、いつもは電灯をつけて回っている警備員が、今日は入館料が不要だから自由に入れと言います。理由を聞いても彼は知りませんでした。
入り口に展示されているムアン・シー・マホソットの出土品です。
第一室目です。部屋の中央にプレ・アンコール時代のヴィシュヌ神像を配しています。
ムアン・シー・マホソットから出土、7世紀初期の全高146cmの砂岩造ヴィシュヌ神像です。
全ての存在の基礎たる最高神を人格化しています。
シー・マホソット、バン・コック・ワット出土の7世紀初期のヴィシュヌ神です。
プラチンブリー市街西部にある1278年創建の「ワット・ボット」から移された7世紀初期のヴィシュヌ神です。全高165cmの砂岩製です。
尊顔のアップです。伏し目の凛々しい顔立ちで、ドヴァラヴァティーのモン族の高い精神性が窺える優れた彫像です。
シー・マホソット出土の説法印の仏陀立像です。7世紀から9世紀のドヴァラヴァティー様式の仏像です。
シー・マホソット出土の5世紀から6世紀のアンコール・ボレイ様式の仏陀座像です。
6世紀のドヴァラヴァティー時代初期の円柱です。シー・マホソットから出土しています。
7世紀から11世紀のドヴァラヴァティー時代の粗彫石像です。
ドーン・シー・マハポート出土の7世紀から8世紀のドヴァラヴァティー仏です。
同じくドーン・シー・マハポートから出土したドヴァラヴァティーのガルーダ像です。7世紀から8世紀の遺物です。
アランヤプラテートで出土の9世紀の法輪です。
ドン・シー・マハポート出土の瞑想する仏陀像です。
9世紀から11世紀のドヴァラヴァティー様式の仏座像です。
「ノエン・サ・ブア碑文」高さ177cm、幅40cmのプレ・アンコール時代の1061年の制作です。クメール語、パーリー語、サンスクリット語で彫られています。
7世紀から9世紀、ドヴァラヴァティー時代の封印です。
11世紀から12世紀の宋、福建の白磁合子もムアン・シー・マホソットから出土しています。
クメールのナーガに守られ瞑想する仏陀像です。サ・モラコット遺跡から出土した、1177年から1230年のバイヨン様式の彫像です。
1177年から1230年のバイヨン様式の磚仏と押し型です。
降魔印の仏座像は13世紀のロッブリー様式でシー・マハポートの出土品です。
右の2体はバイヨン様式の般若仏(プラジューニャパーラミター)です。仏三尊像の右脇侍です。左脇侍は四臂の観世音菩薩(ローケージュヴァラ)です。シー・マホソットの出土です。
シー・マホソット出土の9世紀のテラコッタ像です。
装身具の型です。シー・マホソットで出土の7世紀から11世紀のドヴァラヴァティー時代の遺物です。
シー・マホソット出土の7世紀から9世紀のドヴァラヴァティ様式の装身具です。