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シーサチャナライ都城内のカオ・サワン・キーリ山から西に連なり、横断する国道1201号線から山頂まで4つの寺院遺跡があるカオ・ヤイ山の西にスコータイ都城を結ぶ古道が通るサラチットと呼ばれる地区があります。一帯はスコータイ時代の集落跡だと考えられていますが、現在はサトウキビ畑で草木の茂った古道がある以外の遺構はありません。古道も表示がなければただの木が茂る荒れ地です。
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このサトウキビ畑の耕作にトラクターが使われるようになり、かっての牛馬による耕作より深く土が掘り起こされて、地中に長年眠っていた遺物が地表に出るようになりました。
また、金属探知が一般に出回るようになり、容易に地中に眠る遺物を探索できるようにもなりました。
そんな背景でサラチットでは古銭や青銅器、陶磁器の出土も相次いでいます。ただ陶器の優品は王宮や貴族、寺院に納められており、庶民の暮らした集落跡からはたいした品は出土しないようです。
庶民の生活と関係が深かった、首の折られた陶人形や動物の陶像、小壷や合子等の小物の出土は多いようです。
陶人形は病気平癒や乳児の無病息災を祈った身代わり人形として集落出入り口の三叉路から大量に出土します。(一部に明器=副葬品との記述を見かけますが、私の知る限りでは墳墓遺跡から出土したことはありません)
ドヴァラヴァティー時代の環濠遺跡からも首の折られたテラコッタ人形が出土しており、モン族から伝わった風習でしょうか....
日本の郷里でも昭和の頃は、はしか等が治癒したときに村はずれの三叉路に人形に切った半紙を細竹に挿し桟俵に立て、赤飯のおにぎり、お茶等を供えた風習とよく似ています。
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サラチット出土の陶片です。
一点目は鉄絵鯰紋盤で、爪付きハマを用いて重ね焼きをした爪痕が見込みに残っています。
二点目も魚文盤ですが、立ち上がりが鳥文になっています。破損状態で土中にあったようで、これ以外の破片は見つかっていません。
三点目は青磁騎象形燭台でしょうか、象の背に置かれた座部とその後ろにいる二人の兵士(一人は逸失)の陶片です。
このような、騎象の背中には皿状の燭台が置かれて灯火器として造られたようですが、出征する家族の無事帰還を祈願して、騎象する人物の首を折り庭の木の下に埋められることもあったようです。
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サラチット出土の鉄絵青磁長頸瓶です。
鉄絵で口部に四本、頸中間に三本、頸付根に二本、胴上部に二本、肩部に三本、下部に五本の線を引き、その間に蕨文を入れていますが、釉薬の青磁釉とともに流れて不鮮明になっています。
発掘は鍬や鋤でガンガンやりますから、頸部に鍬の当り傷が出来ています。
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過去にサラチットで出土した陶器です。
以前に投稿した白釉褐彩刻花花鳥唐草文水注(ケンディ)全長18.0cm、胴径14.4cm、高さ14.0cmです。
その下の青銅製石灰入れ(高さ10.6cm、胴径3.8cm、底径3.5cm)に金属探知機が反応して無事地上にでてきました。
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鉄絵灯火器(ガー・タキアン)、全長16.4cm、胴径14.0cm、高さ8.0cmです。
頂部に装飾としての摘まみがありますが蓋はなく、口が付いています。耳が三つあり、吊して用いるようになっています。
水差し(ガー・サン)と表示された資料もあります。
口の一部が欠けて補修をしていますが、タイの補修技術も低下したのか補修部の肉厚が不均一で痕跡がよく分ります。
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このサトウキビ畑の耕作にトラクターが使われるようになり、かっての牛馬による耕作より深く土が掘り起こされて、地中に長年眠っていた遺物が地表に出るようになりました。
また、金属探知が一般に出回るようになり、容易に地中に眠る遺物を探索できるようにもなりました。
そんな背景でサラチットでは古銭や青銅器、陶磁器の出土も相次いでいます。ただ陶器の優品は王宮や貴族、寺院に納められており、庶民の暮らした集落跡からはたいした品は出土しないようです。
庶民の生活と関係が深かった、首の折られた陶人形や動物の陶像、小壷や合子等の小物の出土は多いようです。
陶人形は病気平癒や乳児の無病息災を祈った身代わり人形として集落出入り口の三叉路から大量に出土します。(一部に明器=副葬品との記述を見かけますが、私の知る限りでは墳墓遺跡から出土したことはありません)
ドヴァラヴァティー時代の環濠遺跡からも首の折られたテラコッタ人形が出土しており、モン族から伝わった風習でしょうか....
日本の郷里でも昭和の頃は、はしか等が治癒したときに村はずれの三叉路に人形に切った半紙を細竹に挿し桟俵に立て、赤飯のおにぎり、お茶等を供えた風習とよく似ています。
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サラチット出土の陶片です。
一点目は鉄絵鯰紋盤で、爪付きハマを用いて重ね焼きをした爪痕が見込みに残っています。
二点目も魚文盤ですが、立ち上がりが鳥文になっています。破損状態で土中にあったようで、これ以外の破片は見つかっていません。
三点目は青磁騎象形燭台でしょうか、象の背に置かれた座部とその後ろにいる二人の兵士(一人は逸失)の陶片です。
このような、騎象の背中には皿状の燭台が置かれて灯火器として造られたようですが、出征する家族の無事帰還を祈願して、騎象する人物の首を折り庭の木の下に埋められることもあったようです。
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サラチット出土の鉄絵青磁長頸瓶です。
鉄絵で口部に四本、頸中間に三本、頸付根に二本、胴上部に二本、肩部に三本、下部に五本の線を引き、その間に蕨文を入れていますが、釉薬の青磁釉とともに流れて不鮮明になっています。
発掘は鍬や鋤でガンガンやりますから、頸部に鍬の当り傷が出来ています。
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過去にサラチットで出土した陶器です。
以前に投稿した白釉褐彩刻花花鳥唐草文水注(ケンディ)全長18.0cm、胴径14.4cm、高さ14.0cmです。
その下の青銅製石灰入れ(高さ10.6cm、胴径3.8cm、底径3.5cm)に金属探知機が反応して無事地上にでてきました。
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鉄絵灯火器(ガー・タキアン)、全長16.4cm、胴径14.0cm、高さ8.0cmです。
頂部に装飾としての摘まみがありますが蓋はなく、口が付いています。耳が三つあり、吊して用いるようになっています。
水差し(ガー・サン)と表示された資料もあります。
口の一部が欠けて補修をしていますが、タイの補修技術も低下したのか補修部の肉厚が不均一で痕跡がよく分ります。
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