懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

アレクサンドラ・トゥルソワ賛

2019-12-09 01:42:28 | Weblog
良く言われることだが、百聞は、一見に、しかず。フィギュアGPファイナル、女子シングル、フリー。

結果を先に見て、コストルナヤ優勝、2位シェルバコワ(フリーは1位)、3位トゥルソワ、とまでは知っていた。

トゥルソワは、誰もそこまでやれって頼んでないのに、君は、フィギュアスケートの高難度ジャンプのデパートか!?

と、見る前までは、思ってた。

SPで、そこまでやれって言ってないのに、3Aに挑戦。

そして、FSでは、誰もそこまでやれって言ってないのに、女子初の、4Fに挑戦!そして、見事、成功!加点もしっかり!

さらに、このFSの構成、直後に4Sの予定(これは2Sになった。)で、その次すぐに、4LZ!(これは、見事に決まった!)
という、男子でも、あまり見た事ないような(?)気のする、鬼構成!!!

その後の4Tは、コンビネーションでばっちり決めて、・・・(これでもう、十分すぎると自分は思う、のは、トゥルソワ様の偉大さを理解していないのか??)この後も4T予定で、これは転倒だったかな。・・・

とにかく、とにかく、何これ?!

予定のジャンプ構成が、男子より難しいような気が、素人目にはするんだけど。器用過ぎて…男子にも出来なさそうな、プログラム構成。

立て続けに、異種4回転、それも難度の高い、ルッツ、フリップを立て続けに、そして、サルコー、トーループはコンビに。

SPのトリプルアクセル初挑戦といい、何だか、デパートか!??と言いたくなった。見る前までは。

ここまでやらなくても、勝てるのにって思ったけど。もっと先を見据えてるんでしょうけど。

でも。
試合の映像見たら、そんな気分は吹っ飛んだ。

偉大な天才!

彼女は、ひたむきで、純粋な、恋をしている。

前人未踏の領域と言う対象に。

「女子を超えた」なんて形容は、彼女の偉大さや驚異的な努力に、もはや失礼だと。

男女問わず、誰も見た事のない景色を見るために、きっと彼女は跳ぶのだろうと、思われた。

天才トゥルソワのフリーの演技。見てしまったら、私もあなたもトゥルソワ病。

もはや、トゥルソワしか見えない。

1にトゥルソワ、2にトゥルソワ、3,4が無くて、5にトゥルソワ!

そんな気分に、させられた。

常に前向きで、向上心の塊で、前しか見ない。

なんて人だろう!

彼女を見ていると、困難も、越えられるような、勇気を貰う様な、ポジティブな気持ちにさせられる。

大概の困難は、乗り越えられる様に思えてくる。

ジャンプ技術を超えて、高難度技術の、向う側にあるものまでをも、見せてくれる。

それが、フィギュアスケート界の新しいカリスマ、アレクサンドル・トゥルソワの、真の表現力なのかもしれないと、今日改めて思った。

こんなに素晴らしいものを、今日、見られる僥倖。

羽生がけがに泣いたように、明日は何が起こるか分らない。

だからこそ、今日、この優れた才能を湛えた少女を、惜しみなく称える。

・一方、ジュニア女子は、天才・アリサ・リウをフリーで逆転したワリエワが優勝。アリサ・リウが勝つのかと思ったが。

まだまだ、楽しみな逸材は出てきそうな女子シングル若手の世界。だが、トゥルソワのインパクトは、なかなか代替はきかないものだろう。

(脱線すると、優勝者ワリエワは、エキシビション『スパルタクス』で見た限り、最近の選手では珍しく、かなりバレエ系の演舞。編曲は前半が、古代の英雄スパルタクスと妻フリギアの抒情的な愛のアダージョのパート、後半に、悪女エギナと将軍クラッススの退廃的な乱痴気騒ぎのシーンで盛り上がるパートを採用していて。ワリエワの容姿は聖女フリギアに、踊りのエネルギーは悪女エギナにちかく思われた。この頃の選手にしては、バレエ訓練がかなりディープに入ってるかのような手足の使い方に見えた。でも、ジュニアの選手は、シニアまで上がってから判断した方がいいのかな?。

高難度で注目されたリウ選手と共に、せっかくのファイナルの演技、ゴールデンタイムのTV放送で出なかったのは、ちょっと残念?)

*コストルナヤが順当に優勝はしたが、フリーの1位は、アンナ・シェルバコワで、彼女は、順当に守りに入れば優勝してたのか?それとも、攻めのプログラムで、得意の4回転美ルッツに加え、彼女まで4回転フリップに挑戦したのは(これは、トゥルソワと違って転倒だったけど)、それがないと勝てないのかは、スコアの計算してないので自分には分らないが、たぶん、守りに入れば、勝てたのでは??(でも、演技構成点とかって、ちょっと主観要素も結構あるような気もして。)と半分思った。

ロシアの新人3強の中で、目立つのはトゥルソワとコストルナヤで、技術も動きの美しさも、シェルバコワはコストルナヤを上回るものがあるとは思うので、シェルバコワの場合、3人いると、ちょっと前の練習風景画像など見ると、1番目立たない感はあって、そういう面で、実力はあるのに、損してる部分はあるように思う。自分的にはシェルバコワの四肢をいつもとてもきれいに動かす滑り方は、コストルナヤを上回る魅力があるのだけど。一方、目立つ、人を自分に引き付ける資質を持つコストルナヤが素人受け、審判受けするのは分るので、…微妙な感想・・・。)

その、コストルナヤ、日本の手抜きTVは、今回、やっと彼女のFSの内容の解説を入れていて、自分は、説明されるまで内容を誤解して見ていた。
日本では、表現内容にあんまり興味持たれないのかもねと思うけど、選手が考えた表現内容は知らないより分ってた方が、見がいがあると思う。

紀平・羽生マンセーを延々同じような内容リピートする暇あったら、地道にこういうのも伝えてほしいもの。忖度ニッポンって・・。

・コストルナヤ達3人の薄い瞳の色、TV放送の顔アップ映像の時、ロマンティックで、3つの宝石の様でした。

・トゥルソワは、思わず涙出るほど素晴らしいファイティングスピリットだったが、表彰式に愛犬を抱いてきて・・・・やっぱ、天才は、・・・??
まあ、可愛らしかったから、いいのか?

・6位ザギトワ。妖艶な美しさなら、貴女が世界一!

男子がかすむ、ロシア魅惑の最強女子軍団、なのでした。

トゥルソワが深刻な怪我なく、世界選手権(できればオリンピック)行けますように!
実力者シェルバコワにも次の優勝がまわってきますように!

順位は一番でなくても、トゥルソワを称える気になってしまう、ファイナルFSでした。

明日は明日の風が吹く。今日の称賛は、今日の内に書いてみた。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする