「仏典・ほとけさまのまなざし」~まかせるのだ、夜叉よ(やしゃ)~
(大乗7月号より)
夜叉はアーラバカといい、口が耳まで裂けている恐ろしい顔。
夜叉がお釈迦様に問題を出すのであります。
1,この世で、人間にとってもっとも価値のある財産はなんだ。
2,この世を安心してくらせる方法はなんだ。
3,この世の味の中で、なにがもっともすぐれた味か。
皆さんは何を思い浮かべますか…?
お釈迦様はお答えになりました。
一つめの答えは、
「仏さまの真実のみ教えを信ずることこそ、
もっとも価値ある財産なのだ。
なにがおころうとも、時代がかわろうとも、
かわることのない真実の教えこそ、価値ある財産なのだ。」
二つ目の答えは、
「安心してくらすそのただ一つの方法は、
仏さまのみ教えを聞かせていただくことなのだ。」
三つめの答えは、
「この世でいちばんすぐれた味は、
舌で味わう味ではなく、
こころで味わう仏さまのみ教えのほかにはないと、
わかってくれるだろう。」
アーラバカは、すこし、口ごもりながらつづけていいました。
「なにによってか人生の荒波をわたればいいのか。
なにによって人生の大海をわたればいいのか、
なにによって人生の悩みをこえればいいのか。」
「アーラバカよ、さっきわたしがいったとおりだ。
仏さまのみ教えを聞き、
仏さまがしっかりとわたしをだきしめて、
わたしと共におってくださることを信じさせていただき、
よろこびのこころで生きることが、
アーラバカよ、あなたへのこたえだ。」
アーラバカの表情がかわってきました。
耳までさけていた口が、小さくなったように見えました。
「さいごに聞きたいことがある。
人がこの世からあの世に行くときに、
どうしたら悲しまずにいられるのか。」
お釈迦様の目に、あたたかななみだが、うかびました。
「アーラバカよ。仏さまは、
わたしにまかせてくれとおっしゃていいる。
仏さまに、すべてをまかせるのだ。
悲しみは悲しみのままで…」
アーラバカの目から、あのおそろしげなひかりがきえてきました。
(大乗7月号より)
夜叉はアーラバカといい、口が耳まで裂けている恐ろしい顔。
夜叉がお釈迦様に問題を出すのであります。
1,この世で、人間にとってもっとも価値のある財産はなんだ。
2,この世を安心してくらせる方法はなんだ。
3,この世の味の中で、なにがもっともすぐれた味か。
皆さんは何を思い浮かべますか…?
お釈迦様はお答えになりました。
一つめの答えは、
「仏さまの真実のみ教えを信ずることこそ、
もっとも価値ある財産なのだ。
なにがおころうとも、時代がかわろうとも、
かわることのない真実の教えこそ、価値ある財産なのだ。」
二つ目の答えは、
「安心してくらすそのただ一つの方法は、
仏さまのみ教えを聞かせていただくことなのだ。」
三つめの答えは、
「この世でいちばんすぐれた味は、
舌で味わう味ではなく、
こころで味わう仏さまのみ教えのほかにはないと、
わかってくれるだろう。」
アーラバカは、すこし、口ごもりながらつづけていいました。
「なにによってか人生の荒波をわたればいいのか。
なにによって人生の大海をわたればいいのか、
なにによって人生の悩みをこえればいいのか。」
「アーラバカよ、さっきわたしがいったとおりだ。
仏さまのみ教えを聞き、
仏さまがしっかりとわたしをだきしめて、
わたしと共におってくださることを信じさせていただき、
よろこびのこころで生きることが、
アーラバカよ、あなたへのこたえだ。」
アーラバカの表情がかわってきました。
耳までさけていた口が、小さくなったように見えました。
「さいごに聞きたいことがある。
人がこの世からあの世に行くときに、
どうしたら悲しまずにいられるのか。」
お釈迦様の目に、あたたかななみだが、うかびました。
「アーラバカよ。仏さまは、
わたしにまかせてくれとおっしゃていいる。
仏さまに、すべてをまかせるのだ。
悲しみは悲しみのままで…」
アーラバカの目から、あのおそろしげなひかりがきえてきました。