2019年5月のブログです
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川上弘美さんのエッセイ集『ゆっくりさよならをとなえる』(2004・新潮文庫)を再読しました。
川上さんのエッセイを読むのは、『赤ゾンビ…』以来ですかね?
少し前の本で、本棚の端のほうでなんとなく寂しそうにしているのを見つけて(?)読みました。
いい本です。
軽いタッチの文章のわりに、なんというかいみじみとした感じが漂っていて、文章も少しだけ寂し気です。
しかし、内容がとても面白いので、時々、フフフ、と笑ってしまいます。
大笑いをするわけではないのですが、時おり軽く笑ってしまうので、電車の中では要注意です。
もともとは日経や朝日、中日などの新聞や月刊雑誌に連載したエッセイたちらしいのですが、こんなに笑わせていいのだろうか、と思ったりしながら読んでいました。
川上さんのサービス精神もあるのかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、底のほうには寂しさや哀しみなどが流れている文章が多いので、しっとりとした感じがします。
これがおとなの女性なのかもしれません。
そういえば川上さんも美人。
美人恐怖症のじーじは(?)、扉の裏に載っている写真はできるだけ見ずに、文章に集中します。
文章だけを読んでいると、あまり美人ちゃんぽくないところが川上さんのいいところ(?)。
家の中の片づけもあまり得意ではなさそうで、なんだかホッとします。
この、ホッとするところが、川上さんのいいところなのかもしれません(?)。
こうやってどんどんと川上ワールドにハマっていくのかもしれませんね。 (2019.5 記)