2017年のブログです
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瀬尾まいこさんの『ファミリーデイズ』(2017・集英社)を読みました。
本の帯に、著者初の育児エッセイ集、とあります。
そうなのです。
じーじが知らない間に、瀬尾さんは結婚をされ(!)、出産をされ(!)、子育てをされていた(!)のです。
びっくり、ぽん、です(じーじが知らなかっただけですけどね)。
そういえば、先日、ブログで紹介せてたいただいた『君が夏を走らせる』(2017・新潮社)の子育てシーンがいやにリアルで、どこかの保育園に観察にでもいったのかな、と思ったりしたのですが、ご自分の子育てを参考にされていたのですね。
あの小説では、赤ちゃんの「悪魔のような」困らせぶりが、本当によく描けていました。
さて、本書。
だんなさんとの交際から、子どもさんの3歳の誕生日、そして、幼稚園のプレ卒業式までのできごとが記されます。
のんびり屋のだんなさんとのあれこれも面白いのですが、やはり、「悪魔のような」活発で元気な娘さんとのやりとりと、その中での瀬尾さんの成長が抜群に面白いです。
かなり几帳面で真面目な新米ママが、だんだんとおおらかで「ほどよい」(小児科医で精神分析家のウィニコットさんの言葉です)おかあさんになっていく様子がとても楽しく描かれています。
さすが、売れっ子小説家(?)です。転んでもただでは起きません(ちょっと表現が違いますかね?)。
子育てのたいへんさと喜びと楽しさを経験することで、教師時代の思い出や経験についても考え、当時の保護者とのできごとも振りかえられます。
ひょっとすると、貴重な立ち位置かもしれず、これからも楽しみが増えます。
おそらく、すごくパワフルな娘さんのことなので、ますます子育てはたいへんなことになりそうですが、そんな中でも明るく、楽しい物語が生まれていくのではないかと思います。
今後も楽しみです。 (2017 記)
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2019年春の追記です
瀬尾さんが本屋大賞を受賞されました。
おめでとうございます。 (2019.4 記)