たぶん2015年ころのブログです
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霜山徳爾さんの『素足の心理療法』(1989・みすず書房)を再読しました。
この本もものすごく久しぶりになってしまい、おそらく10年ぶりくらいです(霜山さん、ごめんなさい)。
いい本で、何度も読む価値のある本なのですが…。
まったくの勉強不足です。
とても中身の重い本ですので、軽々しくは読めない思いで、読むときには姿勢をただして読もうと思っているうちに年月がたってしまいました。
今回はボランティアでおじゃまをしている精神科デイケアで、自分の対応を考えながら読みました(メンバーさん、ありがとうございました)。
内容は心理療法に大切なことがらを一つ一つていねいに述べられているのですが、いずれもがご自身の実践や体験に裏づけられているので、ひと言ひと言がすごく重いです。
例えば、沈黙ということ。
沈黙の持つ価値についてこまやかに述べられています。
饒舌の、言葉の垂れ流しになっている現代には貴重なご意見だと思います。
また、人間の限界、その中での温かさ、小さなことがらこそが世界に繋がること、ユーモアの大切さ、などなど、書ききれないほどの豊かな内容が述べられています。
そして、おそらくは、初心者だけでなく、むしろ、中級者以降の人たちに役立つ、そして、考えるきっかけとなる大切なことがらが詰まっています。
10年間、放っておくのは本当にもったいないいい本です。
今後はもう少し頻繁に紐解いて勉強をしていこうと思います。 (2015?記)