ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

武田専『分裂病という名の幻想』2003・元就出版社-精神分析で患者さんにより添う「熱い」精神科医に学ぶ

2025年02月28日 | 精神科臨床に学ぶ

 2019年のブログです

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 武田専さんの『分裂病という名の幻想』(2003・元就出版社)を再読しました。

 武田さんは慶応大学医学部出身。

 後輩だった小此木啓吾さんの紹介で、日本の精神分析の先達である古沢平作さんから指導を受けました。

 今では精神分析の大家である西園昌久さんらと同期で、日本の精神分析を切り開いたかた。

 精神分析的な治療を行なう武田病院を創設されています。

 本書はその武田さんの回想録ですが、武田さんもかなり「熱い」(!)人です(武田さん、ごめんなさい)。

 やはりすごい人というのは、情熱的でなければ、その道を究めることが難しいのかもしれません。

 それだけに、読んでいて面白いですし、痛快。

 気持ちが晴れ晴れとしてきます。

 一方、統合失調症の患者さんや家族に向ける愛情はとても温かく、ていねいです。

 統合失調症の患者さんだけでなく、たくさんの症例の患者さんが紹介されますが、いずれの患者さんへの治療もていねいで、こころがこもっています。すごいな、と思います。

 「熱い」人は、弱い立場の人には優しいのだ、と思います。

 びっくりしたのは、武田さんも、眼はそれを探し求めるもの以外は見ることはできない、という言葉を引いていること。

 精神分析や精神療法における大切な点のようです。

 もっとも、世の中のこと、すべてに通じる言葉かもしれません。

 「熱さ」と冷静さ、武田さんの魅力が爆発しているかのような、楽しくて、感動的な本です。        (2019. 10 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道生まれ  

    1977年、浦和、新潟家庭裁判所で家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

    2014年、放送大学大学院修了(臨床心理学プログラム・修士) 

    2017年、臨床心理士

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 mail  yuwa0421family@gmail.com    


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