人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

ホセ・クーラ 2018年ワルシャワ・ニューイヤーコンサート / Jose cura 2018 New Year Concert in Warsaw

2018-02-04 | コンサート




ホセ・クーラ、2018年最初の出演は、ポーランドの首都ワルシャワのニューイヤーコンサートでした。
約3時間のコンサートで、テノールのクーラをメインに、ソプラノ、メゾ、バスの若手歌手が共演しました。録音がラジオで3回に分けて放送され、またネットTVでも、2回に分けて録画放送してくれました。

チケットは早々に完売したようですが、当日のコンサートは、インターネットを通じて日本でも録音、録画を視聴することができました。録画は我が家の回線の問題なのか画質が良くなくて残念でしたが、録音、録画とも音質はとても良好で、この素晴らしいコンサートを共有してくれたポーランドの主催者、ラジオ、TVに対して、感謝の気持ちでいっぱいです。





≪クーラのメッセージ≫

昨年12月、テアトロコロン出演のため滞在中のアルゼンチンからネットを通じて、このコンサートについて語ったクーラのメッセージ。主催者のFBより。



≪ 出演者 ≫

The 13th New Year Concert in Warsaw
José Cura (tenor)
Aleksandra Kubas-Kruk (soprano)
Iryna Zhytynska (mezzosoprano)
Wojtek Gierlach (bass)
Conductor: Mario de Rose
The Polish Radio Orchestra
The National Philharmonic Concert Hall

第13回ワルシャワ ニュー・イヤー・コンサート
指揮 マリオ・デ・ローズ
ホセ・クーラ、アレクサンドラ・クバスクルク、イリーナ・ジーティンスカ、ヴォイテク・ギララッハ
ポーランド国立放送交響楽団
国立フィルハーモニー・コンサートホール





≪ 演目 ≫(クーラの歌のみ)

コンサートでは、クーラの同郷の友人マリオが指揮するポーランド国立放送交響楽団とともに、クーラと若手歌手たちが順番に登場してソロやデュエットで歌いました。
全体の演目は一覧がないのですが、クーラが歌ったのは次の曲でした。


①♪ レオンカヴァッロのオペラ「道化師」より ~ プロローグ(トニオのアリア)   
②♪ ヴェルディのオペラ「椿姫」より ~ 第3幕、ヴィオレッタとアルフレードのデュエット「パリを離れて」
③♪ プッチーニのオペラ「トスカ」より ~ 第3幕、カヴァラドッシのアリア「星は光りぬ」
④♪ ラテンラブソング "Somos novios" & "Esta tarde vi llover"
⑤♪ レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」より ~ 「唇は語らずとも」 ソプラノとデュエット
⑥♪ ビートルズの「イエスタデイ」("Yesterday") ギター弾き語り
⑦♪ プッチーニのオペラ「トゥーランドット」より ~ 第3幕、カラフのアリア「誰も寝てはならぬ」
⑧♪ ヴェルディのオペラ「椿姫」より ~ 第1幕、「乾杯の歌」 4人全員
 


クーラが最初に歌った「道化師」のトニオのプロローグは、バリトンの曲ですが、クーラは好んでコンサートで歌っています。 
ラテンのラブソングは、クーラのアルバム「ボレロ」にも収録されているメキシコ出身の作曲家アルマンド マンサネーロの2曲です。

イエスタディは、アンコールでクーラがよく弾き語りをしています。歌の前に、なぜ自分がギターを習いはじめたのかエピソードを語って、観客を爆笑させていました。
ファンサイト、ブラボクーラのFBページに掲載された動画をシェアさせてもらいます。





他にも、クーラ18番のアリアがあり、美しい二重唱、合唱もありで、本当に楽しく、美しく、華やかなコンサートでした。
若手歌手の皆さんも素晴らしい歌声を聞かせてくれました。

実はクーラは、その直前に夏のアルゼンチンでのオペラ出演のために1か月近くを過ごし、その後、真冬のポーランドへ移動しました。その気候の変化のためもあるかと思いますが、風邪をひいていてハンカチが手放せない状態でした。熱もあったのでしょうか、少し体も辛そうにみえました。それでも体調不良をおして出演し、少々鼻声でしたが、美しく張りのある歌声を聞かせてくれました。
曲の前や後に、前回このホールに出演した時のことや曲の紹介など、話でも観客を楽しませ、いつも通りのエンターテナーぶりでした。

そして一番のサプライズは、ドイツ語で歌わないクーラの非常に珍しいドイツ語の歌「唇は語らずとも」。途中、ソプラノがポーランド語で歌い始め、クーラもびっくりという演出があったり、最後のフレーズは2人でポーランド語で歌ったようで、楽しい演出でした。
歌の前には、16年前にこのホールに出演した時の思い出を語って、初めて「眼鏡(老眼鏡)」をかけたエピソードを紹介していました。
同じくブラボクーラFBページから、動画をシェアさせてもらいます。





やはりこれを聞かなければと思わせるクーラの力強い「誰も寝てはならぬ」を。これもブラボクーラFBからのシェア。
風邪のためにいつもより抑え目ではありますが、観客の熱狂的な拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションが起きました。一方のクーラは、観客の喝さいに応えつつも、アンコールを求める観客に、歌い終わってもうフラフラだというジェスチャーをしていました。




≪ラジオのオンデマンド放送≫

ありがたいことに、約3時間のコンサート全体が、オンデマンドで聞けるようになっています。いつまで聞けるかはわかりません。
司会者の話から始まって、オケの演奏、クーラの歌はもちろん、各ソリストたちの歌が聞けます。ただし、レハールと「誰も寝てはならぬ」は、なぜかラジオ放送ではカットされていました。その代わりに、ポーランドで大ヒットしたクーラのポップスアルバムからの歌が1曲流れます。
リンク先で、プレイヤーの再生ボタンを押してください。


●第1部 (クーラの歌は①のみ)




●第2部 (クーラの歌は②③⑥)




●第3部  (クーラの歌は④⑧)





――いくつかコンサートの様子を画像で

オペラはもちろんクーラにとって、深い解釈、表現力、存在感を全面的に発揮するメインの舞台ですが、こういったコンサートもまた、クーラならではの魅力にあふれています。堅苦しい退屈なことが大嫌いで、クラシックもポップスも区別せず、良い曲を歌うという姿勢を貫いています。そして観客とコミュニケーションをとり、曲の合間には、フランクでユーモアあふれる語り口のトーク。出演者やオーケストラをリスペクトし、仲間とともにステージをつくりあげることを大事にしています。そして何といっても、クーラの美しく強靭な声、多彩な表現をひとつのステージで聞けるというのがいいですね。

演出や指揮、作曲の比重が高まりつつあるクーラですが、こういう楽しいコンサート出演は、ぜひ長く続けてほしいと思います。かなうことなら日本でも・・。


とても美しかった椿姫のデュエット








リハーサルでしょうか、ギターの弾き語りをするクーラ




クーラの顔が大写しになったパンフレット


新年らしく華やかで美しい劇場内


*画像は主催者FBなどからお借りしました。
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