*この画像は同じプロダクションの2016年ザルツブルクの舞台より
3月3日、ホセ・クーラは、急きょ、ドレスデンのゼンパーオーパーのオテロに出演しました。
キャンセルを受けた代打としての出演で、その経過は前回の記事で報告しましたが、2月28日までモナコでピーター・グライムズに出演し、次の道化師の出演のために中東オマーンに渡航するまでのわずかな間をぬってのことでした。
1日だけの代演のため、今のところレビューは見当たりませんでしたが、同じ公演の出演者たちが、期待以上にたくさん、SNSで発信してくれました。
ハードな日程になったクーラですが、劇場のピンチを救い、公演も大成功したようで、とても満足そうです。
写真から見ると、クーラはグライムズのために伸ばしていた髭をすっきり剃ったようですね。当日の美しい舞台写真が見ることができないのが残念ですが、こうしてSNSを通じて出演者たちの様子を知ることができるのは、本当にうれしいことです。
≪クーラのフェイスブックから≫
無事に3月3日の公演を終えて、クーラがFBにアップした写真↑です。以下のコメントが添えられていました。
「昨日の共演者たち、私が飛び込んだドレスデン・ゼンパーオーパーのオテロの公演で。
今(3/4)、帰宅した。水曜日(3/7)に、ローマ歌劇場とのゼフィレッリの道化師のプロダクションのためにマスカット(中東オマーンの首都)に行く。」
モンテカルロ歌劇場でみずから演出・主演したピーター・グライムズのために1か月間もモナコに滞在し、もしかするとそのままドレスデンに直行したのかもしれません。
そして帰宅して数日後には、初めてのオマーンへ。国際的に活躍するオペラ歌手は皆、こうした旅から旅の生活をしているとはいえ、55歳になったクーラ。疲れがないわけではないでしょう。
≪カーテンコール動画≫
こちら↓は、デスデモーナ役ヒブラ・ゲルズマーワさんのマネージャーがインスタに投稿してくれたカーテンコール動画です。この動画を見ると、クーラの活力の秘密がわかるような気がします(^^)
●添えられたコメント
「ドレスデンでの2回目のカーテンコール! オテロ=ホセ・クーラ、デスデモーナ=ヒブラ・ゲルズマーワ、指揮者ダニエレ・カッレガーリ! 昨夜は非常に情熱的なパフォーマンスでした! アルゼンチン - アブハジア - イタリアの血は、熱いエネルギーでホール全体を包んでいました!!! 🔥🔥🔥」
このカーテンコールで印象的だったのは、クーラと出演者が熱い一体感で結ばれているように見えたことです。
病気のキャンセルが相次いだなかで、主役のクーラも指揮者も急な代役で出演。リハーサルの時間もほとんどとれず、困難もあったと思いますが、それを乗り超え、キャストが一致団結して、音楽的にもドラマとしても、情熱あふれる充実した公演をつくりあげることができたからでしょうか。こういう瞬間は、生の舞台に立つアーティストたちにとって、何ものにも代えられない喜びであり、次に向かうパワーの源にもなっているのかもしれません。
これまでいろんな舞台のカーテンコールの動画を見ましたが、とりわけこの動画からは、クーラ自身の大きな満足感と喜びが感じられました。
以下は動画から。
① カーテンコールで登場し、大喝采に手を挙げて応えるクーラ
② 大きく手を広げて、指揮者を迎える
③ 指揮者を迎えてハグ、指揮者の足元がよろけるほど(笑)の固く熱い抱擁
④ 戻ったクーラを手を広げて迎えるデズデモーナを抱きしめてキス💕
指揮者のダニエレ・カッレガーリさんは、新国立劇場にも出演されたことがあるようですが、これまでクーラとも、バルセロナのリセウ大劇場でカヴァレリア・ルスティカーナ/道化師で共演したり、またクーラが演出・舞台デザインをしたストックホルム王立歌劇場のラ・ボエームの指揮をした方のようです。
さらに、今年9月にサンフランシスコオペラで、クーラが演出・舞台デザインしたカヴァレリア・ルスティカーナ/道化師のプロダクションの指揮を行う予定になっています。
信頼でき、気心も知れた指揮者であり、たぶん、ヴェルディのオテロの音楽解釈においても、クーラと一緒に情熱的な舞台をつくりあげる方だったのでしょう。
≪共演者とともに≫
それぞれの共演者の満足そうな様子が、他の画像からもうかがえます。
――こちら↓はデズデモーナ役のヒブラ・ゲルズマーワさんとクーラ。とても美しい2人です。舞台で見たかった・・。
●添えられたコメント
「私は昨日、"オテロ"をゼンパーオーパー・ドレスデンで歌いました。偉大なテノールであり素晴らしい俳優であるホセ・クーラ、素晴らしいマエストロ、ダニエレ・カッレガーリと共に! ❤」
――指揮者のダニエレ・カッレガーリさんがツイッターに投稿した写真↓。
Relaxing with Josè after our Otello’s performance pic.twitter.com/dHFTJ9gxmv
— Daniele Callegari (@callega3) 2018年3月4日
●添えられたコメント
「我々のオテロの公演の後で、ホセとリラックスして」
――ロドヴィーコ役ルーカス・コニェチェニーさんと↓。
●添えられたコメント
「ゼンパーオーパー・ドレスデンでオテロのリバイバル公演の後に、驚くべきオテロのホセ・クーラ、デズデモーナとして素晴らしいヒブラ・ゲルズマーワ、偉大なマエストロ・ダニエレ・カレガリ、そしてすべての素晴らしい仲間!
Bravi tutti !!」
――「Araldo」のチャオ・デンさんと↓
●添えられたコメント
「オテロとしてのホセ・クーラは素晴らしい❤️❤️❤️❤」
それぞれの出演者が、公演の成果に満足し、互いに健闘を称えあっているのが伝わってきます。
とりわけクーラが好調を維持し、共演者を驚かすような素晴らしいオテロだったようで、本当にうれしいです。
円熟期にあるクーラのオテロ、ぜひ生の舞台で観たいという思いがますますつのります。
――最後に、カッレガーリさんのツイッターより、みんなそろってのカーテンコールの写真を。
●添えられたコメント
「素晴らしい成功、ドレスデンでの我々のオテロのオープニングの夜、・・」
*画像は出演者の方々のSNSよりお借りしました。それぞれリンクを張ってありますので、元の記事・ツイートなどをぜひご覧ください。