どうもこんばんは~、そうだいでございます。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました!
いや~、世間では小中学校や高校も2学期が始まったようですし、夏もいよいよ終わりに近づいてるらしいんですが、まだまだ暑い気候は続きそうですなぁ。いい加減に涼しくなってほしいんですけど、今年は残暑がなんと10月まで続くんじゃないかという見通しもあるのだとか。いやいや、もうカンベンしてくだされい……
最近ね、実は2009年の第1巻の発売以来、4年ごしにわたくしにとっての悲願となっていた、村上春樹の『 1Q84』の読破に、今ごろになってやっと挑戦し始めました。いや、別にいつ読んだって世間様にはなんの関係もない話なんですが、な~んか、ず~っと後回し後回しになっちゃってたんですよね。
そんで、家にあるのが重たい単行本サイズのもの3冊なので、通勤途中に読むのはキツいということで、家に帰ってからの寝る前の読書にこれを使うことにしたんですが、これがまぁ~読み進められないのなんのって。ひと晩で見ひらき2ページが限界! 全然お話が進みゃあしません。
こりゃ一体、いつになったら読み終われるのやら。さらに言えば、その次の『色彩がどーたらこーたら』いうほうにはいつになったらたどり着けるのやら……でも、別に好きってわけでもないのになんだかんだ言って読んじゃう小説家なんて、私にはこのお人くらいしかいないんですよね。他の人たちは純粋に好きだから読んでるわけなんですが。決して世間の波に遅れまいとしてるわけじゃないんですが、なんか読まなきゃと思っちゃう。思えば今現在の日本のエンタテインメント文化でこういう域にいっちゃってるのって、村上春樹とスタジオジブリくらいなんじゃないのでしょうか? 『少年ジャンプ』もそう? 私はぜんぜん門外漢ですけれども。
さてさて、そういった近況はそこまでにしておきまして、今日も今日とて、私の大大大好きな世界の探訪にのめりこんでいきたいと思います。
あ~そういえば、ジャンプの『ぬらりひょんの孫』もコミックス20巻前後からまったく読んでないんだよなぁ。あれ、今年に完結したんですよね? まとめ買いして最後まで読まないとなぁ。でも、陰陽師の子孫がどうこうって、興味がないんだよなぁ~。「困ったときの安倍晴明」という安易な選択がまったく気にいらない! 「困ったときの鬼太郎」だろうが、そこは!! 大人の事情があるんだったら、鬼太郎っぽいオリジナルキャラクターをひねり出さんかい、自分の創意工夫で!! 外野が好き勝手にわめいております。
『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン 第4巻』(2013年7月9日発売 講談社)の収録内容
第14話『怪自動車』 1972年1月6日放送 脚本・三芳加也、演出・山本寛巳
原作……非鬼太郎もの短編『怪自動車』(1967年1月掲載)
ゲスト妖怪……すねこすり(声・矢田耕司)、怪自動車(正体は人喰い藻屑)、一反木綿、つるべ火
他シリーズでのリメイク……なし
雨の降る夜など、視界の極端に悪い野山の道で人の足にまとわりついて歩行を妨害するという、犬っぽい外見の妖怪すねこすりがゲストとして登場するエピソードなのですが、水木しげるの原作マンガに登場するのは最終的に乗った人間を喰い尽してしまう正体不明の怪自動車だけで、すねこすりはおろか、怪自動車の正体だと暴露される人喰い藻屑といった設定も存在していません。
いちおう、すねこすりという妖怪そのものはその後のアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』でも、第3シリーズの劇場版第4作『激突!!異次元妖怪の大反乱』(1986年)や、第4シリーズ版の『妖怪反物』にも登場しているのですが、この『怪自動車』のようにメインゲスト扱いされることはありませんでした。水木しげるの手によってコミカライズされた、実写映画の『妖怪大戦争』(2005年)ではけっこうメインの役割で活躍していましたけどね。
余談ですが、この「歩行者を妨害する」という属性は、さきに取り上げたアニメ第2シリーズの第5話に登場したタヌキ妖怪あしまがりと共通しています。でも、妨害した上に山道で行く方向を迷わせてしまうあしまがりのほうが、犯行は悪質ですね。
原作マンガは、中古車セール会場で値札もついていない不気味な自動車を2万円というとてつもない安値で購入した(1970年代前後の新車の価格は、安いものでも60万円前後だった)夫婦が、勝手に走り出したその自動車に文字通りに喰われてしまうという、なんの救いもない7ページほどのシュール&ブラックな超短編でした。なんだかよくわかんないんだけど、なけなしのへそくりでようやくマイカーを手に入れた貧しい夫婦が容赦なくされてしまうという部分に、「のうのうと生き延びていることだけで、もう罪」という当時の冷徹な水木イズムが垣間見えるような気がします。無差別すぎ……
そんなわけで、原作マンガの本来の持ち味はそのあたりの冷血っぷりにあったはずなのですが、さすがにそれをそのまんま『ゲゲゲの鬼太郎』でアニメ化するのはちょっと……という判断からか、原作どおりに怪自動車に襲われた貧乏夫婦は「もう二度と自動車を購入しないと約束するのなら、赦してやる!」というすねこすりの寛大な処置によって生還し、その一連の事件に立ち会っていたねずみ男が鬼太郎に報告するというかたちで、鬼太郎ものに再編されていきます。
結局、怪自動車の正体はすねこすりに使役された、山奥の湖沼に棲む極小サイズの人喰い藻屑の集合体がプラスティックや鉄板のように擬態したものだったということが判明し、すねこすりは自分のような小動物たちが、日本で当時巻き起こりつつあった第1次マイカーブームによって無数の轢き逃げ事故の犠牲者になっていくことに我慢できずに今回の犯行に及んだと告白するのでした。
つまり、このエピソードはアニメ第2シリーズで鬼太郎ものにアレンジされるにともなって、原作マンガにまるでなかった「高度経済成長によって弱者が犠牲になることへの警鐘」という立派なテーマをオリジナルに盛り込んだことになるのですが、これはまんま、第1シリーズでアニメ化もされたマガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』の第77話『ばけ猫』の繰り返しになっちゃうんですよねぇ。
まぁ、「大事なことなんで2回言いました。」という意図もあったのかもしれませんが、ここらへんのオリジナリティの弱さに、のちのアニメシリーズでリメイクされたことがない原因があるのかもしれませんね。
でも、このエピソード自体は、原作の陰鬱さを払拭するかのように、前半で展開される夫婦の貧乏トークのおかしさや、後半の怪自動車の追跡シーンでの鬼太郎サイドの機転のよさと、それにおもしろいようにひっかかって翻弄されてしまう怪自動車といったコミカルなバトルがとても印象的なお話になっていました。ディズニー映画のように擬人化された怪自動車のアクションが楽しいです。
特に、「丸メガネに出っ歯」という水木ワールドの定番キャラクター「山田」の八面六臂の冷や汗演技が堪能できるのが最高でして、本作で彼の声を好演したはせさん治(2002年没)さんのきめ細かな仕事が本当に素晴らしいですね。
お話自体は地味で目立たないコンパクトさがあるのですが、それこそすねこすりのように愛すべき魅力の詰まった好エピソードにまとまっていたと感じました。
それにしてもすねこすり、クライマックスの自白シーンでどさくさにまぎれて、
「人間どもは、おいらかわいい犬族を轢き殺してるんだぞ!」
と発言しているのは、さていかがなものなのだろうか……なんか、爆笑問題の田中裕二さんに通じる異常性をはらんだキャラクターでしたね。
第15話『牛鬼』 1月13日放送 脚本・安藤豊弘、演出・西沢信孝
原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第109・110話『牛鬼』(1968年12月掲載)
ゲスト妖怪……牛鬼、天龍八部衆迦楼羅(かるら)天(声・柴田秀勝)
他シリーズでのリメイク……第3・4・5シリーズ
第16話『南からの招き』 1月20日放送 脚本・辻真先、演出・山口康男
原作……非鬼太郎もの短編『世界怪奇シリーズ 南からの招き』(1968年8月掲載)
ゲスト妖怪……ガマ人間(声・はせさん治)
他シリーズでのリメイク……なし
第17話『縁切り虫』 1月27日 脚本・雪室俊一、演出・設楽博
原作……非鬼太郎もの短編『現代妖怪譚 縁切り虫』(1969年9月掲載)
ゲスト妖怪……縁切り虫
他シリーズでのリメイク……なし
スペシャル特典映像『ゲゲゲの鬼太郎ゆかりの地・東京都調布市探訪 後編』(約9分)
《レビューまだまだよ~!!》9900
いや~、世間では小中学校や高校も2学期が始まったようですし、夏もいよいよ終わりに近づいてるらしいんですが、まだまだ暑い気候は続きそうですなぁ。いい加減に涼しくなってほしいんですけど、今年は残暑がなんと10月まで続くんじゃないかという見通しもあるのだとか。いやいや、もうカンベンしてくだされい……
最近ね、実は2009年の第1巻の発売以来、4年ごしにわたくしにとっての悲願となっていた、村上春樹の『 1Q84』の読破に、今ごろになってやっと挑戦し始めました。いや、別にいつ読んだって世間様にはなんの関係もない話なんですが、な~んか、ず~っと後回し後回しになっちゃってたんですよね。
そんで、家にあるのが重たい単行本サイズのもの3冊なので、通勤途中に読むのはキツいということで、家に帰ってからの寝る前の読書にこれを使うことにしたんですが、これがまぁ~読み進められないのなんのって。ひと晩で見ひらき2ページが限界! 全然お話が進みゃあしません。
こりゃ一体、いつになったら読み終われるのやら。さらに言えば、その次の『色彩がどーたらこーたら』いうほうにはいつになったらたどり着けるのやら……でも、別に好きってわけでもないのになんだかんだ言って読んじゃう小説家なんて、私にはこのお人くらいしかいないんですよね。他の人たちは純粋に好きだから読んでるわけなんですが。決して世間の波に遅れまいとしてるわけじゃないんですが、なんか読まなきゃと思っちゃう。思えば今現在の日本のエンタテインメント文化でこういう域にいっちゃってるのって、村上春樹とスタジオジブリくらいなんじゃないのでしょうか? 『少年ジャンプ』もそう? 私はぜんぜん門外漢ですけれども。
さてさて、そういった近況はそこまでにしておきまして、今日も今日とて、私の大大大好きな世界の探訪にのめりこんでいきたいと思います。
あ~そういえば、ジャンプの『ぬらりひょんの孫』もコミックス20巻前後からまったく読んでないんだよなぁ。あれ、今年に完結したんですよね? まとめ買いして最後まで読まないとなぁ。でも、陰陽師の子孫がどうこうって、興味がないんだよなぁ~。「困ったときの安倍晴明」という安易な選択がまったく気にいらない! 「困ったときの鬼太郎」だろうが、そこは!! 大人の事情があるんだったら、鬼太郎っぽいオリジナルキャラクターをひねり出さんかい、自分の創意工夫で!! 外野が好き勝手にわめいております。
『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン 第4巻』(2013年7月9日発売 講談社)の収録内容
第14話『怪自動車』 1972年1月6日放送 脚本・三芳加也、演出・山本寛巳
原作……非鬼太郎もの短編『怪自動車』(1967年1月掲載)
ゲスト妖怪……すねこすり(声・矢田耕司)、怪自動車(正体は人喰い藻屑)、一反木綿、つるべ火
他シリーズでのリメイク……なし
雨の降る夜など、視界の極端に悪い野山の道で人の足にまとわりついて歩行を妨害するという、犬っぽい外見の妖怪すねこすりがゲストとして登場するエピソードなのですが、水木しげるの原作マンガに登場するのは最終的に乗った人間を喰い尽してしまう正体不明の怪自動車だけで、すねこすりはおろか、怪自動車の正体だと暴露される人喰い藻屑といった設定も存在していません。
いちおう、すねこすりという妖怪そのものはその後のアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』でも、第3シリーズの劇場版第4作『激突!!異次元妖怪の大反乱』(1986年)や、第4シリーズ版の『妖怪反物』にも登場しているのですが、この『怪自動車』のようにメインゲスト扱いされることはありませんでした。水木しげるの手によってコミカライズされた、実写映画の『妖怪大戦争』(2005年)ではけっこうメインの役割で活躍していましたけどね。
余談ですが、この「歩行者を妨害する」という属性は、さきに取り上げたアニメ第2シリーズの第5話に登場したタヌキ妖怪あしまがりと共通しています。でも、妨害した上に山道で行く方向を迷わせてしまうあしまがりのほうが、犯行は悪質ですね。
原作マンガは、中古車セール会場で値札もついていない不気味な自動車を2万円というとてつもない安値で購入した(1970年代前後の新車の価格は、安いものでも60万円前後だった)夫婦が、勝手に走り出したその自動車に文字通りに喰われてしまうという、なんの救いもない7ページほどのシュール&ブラックな超短編でした。なんだかよくわかんないんだけど、なけなしのへそくりでようやくマイカーを手に入れた貧しい夫婦が容赦なくされてしまうという部分に、「のうのうと生き延びていることだけで、もう罪」という当時の冷徹な水木イズムが垣間見えるような気がします。無差別すぎ……
そんなわけで、原作マンガの本来の持ち味はそのあたりの冷血っぷりにあったはずなのですが、さすがにそれをそのまんま『ゲゲゲの鬼太郎』でアニメ化するのはちょっと……という判断からか、原作どおりに怪自動車に襲われた貧乏夫婦は「もう二度と自動車を購入しないと約束するのなら、赦してやる!」というすねこすりの寛大な処置によって生還し、その一連の事件に立ち会っていたねずみ男が鬼太郎に報告するというかたちで、鬼太郎ものに再編されていきます。
結局、怪自動車の正体はすねこすりに使役された、山奥の湖沼に棲む極小サイズの人喰い藻屑の集合体がプラスティックや鉄板のように擬態したものだったということが判明し、すねこすりは自分のような小動物たちが、日本で当時巻き起こりつつあった第1次マイカーブームによって無数の轢き逃げ事故の犠牲者になっていくことに我慢できずに今回の犯行に及んだと告白するのでした。
つまり、このエピソードはアニメ第2シリーズで鬼太郎ものにアレンジされるにともなって、原作マンガにまるでなかった「高度経済成長によって弱者が犠牲になることへの警鐘」という立派なテーマをオリジナルに盛り込んだことになるのですが、これはまんま、第1シリーズでアニメ化もされたマガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』の第77話『ばけ猫』の繰り返しになっちゃうんですよねぇ。
まぁ、「大事なことなんで2回言いました。」という意図もあったのかもしれませんが、ここらへんのオリジナリティの弱さに、のちのアニメシリーズでリメイクされたことがない原因があるのかもしれませんね。
でも、このエピソード自体は、原作の陰鬱さを払拭するかのように、前半で展開される夫婦の貧乏トークのおかしさや、後半の怪自動車の追跡シーンでの鬼太郎サイドの機転のよさと、それにおもしろいようにひっかかって翻弄されてしまう怪自動車といったコミカルなバトルがとても印象的なお話になっていました。ディズニー映画のように擬人化された怪自動車のアクションが楽しいです。
特に、「丸メガネに出っ歯」という水木ワールドの定番キャラクター「山田」の八面六臂の冷や汗演技が堪能できるのが最高でして、本作で彼の声を好演したはせさん治(2002年没)さんのきめ細かな仕事が本当に素晴らしいですね。
お話自体は地味で目立たないコンパクトさがあるのですが、それこそすねこすりのように愛すべき魅力の詰まった好エピソードにまとまっていたと感じました。
それにしてもすねこすり、クライマックスの自白シーンでどさくさにまぎれて、
「人間どもは、おいらかわいい犬族を轢き殺してるんだぞ!」
と発言しているのは、さていかがなものなのだろうか……なんか、爆笑問題の田中裕二さんに通じる異常性をはらんだキャラクターでしたね。
第15話『牛鬼』 1月13日放送 脚本・安藤豊弘、演出・西沢信孝
原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第109・110話『牛鬼』(1968年12月掲載)
ゲスト妖怪……牛鬼、天龍八部衆迦楼羅(かるら)天(声・柴田秀勝)
他シリーズでのリメイク……第3・4・5シリーズ
第16話『南からの招き』 1月20日放送 脚本・辻真先、演出・山口康男
原作……非鬼太郎もの短編『世界怪奇シリーズ 南からの招き』(1968年8月掲載)
ゲスト妖怪……ガマ人間(声・はせさん治)
他シリーズでのリメイク……なし
第17話『縁切り虫』 1月27日 脚本・雪室俊一、演出・設楽博
原作……非鬼太郎もの短編『現代妖怪譚 縁切り虫』(1969年9月掲載)
ゲスト妖怪……縁切り虫
他シリーズでのリメイク……なし
スペシャル特典映像『ゲゲゲの鬼太郎ゆかりの地・東京都調布市探訪 後編』(約9分)
《レビューまだまだよ~!!》9900