長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第47回『如水謀る』

2014年12月19日 23時01分18秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第47回『如水謀る』(2014年11月23日 演出・田中健二)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 如水      …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

豊臣 淀殿      …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

小西 行長      …… 知力72、統率力48
 (演・忍成修吾)

増田 長盛      …… 知力85、統率力37
 (演・有薗芳記)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 (演・中村育二)

福島 正則      …… 知力45、統率力83
 (演・石黒英雄)

加藤 清正      …… 知力63、統率力81
 (演・阿部進之介)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

吉川 広家      …… 知力59、統率力48
 吉川元春の三男。吉川家当主となり従兄・毛利輝元を支える。(演・加藤頼)

大谷 吉継      …… 知力81、統率力80
 越前国大名。豊臣政権の実力者だが、病床に伏している。(演・村上新悟)

豊臣 秀頼      …… 知力44、統率力39
 豊臣秀吉の三男。わずか6歳の若さで豊臣政権総帥となる。(演・小美野来希)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)


ざっとの感想

○「今、天下を太平に導くことができるのは、徳川様しかおられませぬ! この黒田長政、どこまででも徳川様をお助けいたす所存。」
 長政の相変わらずのゾッコンっぷりを軽く受け流す家康ではあったのですが、肝心カナメの親父・如水の動向に関しては、「父は隠居の身でございます。」と、まったく軽く見ている長政の返事しかかえってこないことに若干の不安を残します。

 「これだから、自信過剰なだけの若造はどうしようもない……お前の意見なんかどうでもいいから、少しはあいつの本心のひとつでも探ってくれっつーんだよ!」

 自分が興味のある相手はそっぽ向いたまんまで、ど~でもいいヤツばっか、頼んでもいないのにベタベタくっついてくるこの家康の状況。モテモテねぇ~! こういう側面がミョ~にセクシーに見えてくるから、今年の寺尾家康はいいのよねぇ。なんか、歴代家康役者の中でも、きわだってイケメンなんだよなぁ。いや、実際イケメンなんですけど。

○黒田家の存亡がかかった大いくさも間近だというのに、必死に一日中、諸大名との交渉に駆けずり回って夜中に帰宅すれば、ヨメは得体の知れない心の病にかかって先に床についているという、このさみしさよ……長政さんも大変なのねぇ。
 なんだか、ここ数回の放送のうちに、異様に急激な速さで、今まで円満そのものだった夫婦仲に暗雲がたれこめてきてしまっている長政・お糸カップルなのですが、『軍師官兵衛』の流れでは、その責任の半分は死んだ長政の弟・熊之助にある、みたいな解釈になってますよね。タチワルいな~、だって、たまたまあの朝に熊之助を最後に見かけたのがお糸だった、ってだけなんですからね。熊之助くんも損な役回りをもらっちゃったもんだなぁ。
 史実では、慶長四(1599)年当時のお糸の方は数え年29歳だったということで、現代の感覚からすれば特にどうってこともない肉体年齢なんですが、16世紀のあのころに、この年齢で10年以上かかってやっと1人しか出産できていないという状況は、なかなかにつらいものがあったのかも知れず。「離縁」なんてことを自分から切り出すのも、無理のないことだったのかもしれませんがねぇ。21世紀の日本って、なんだかんだいってもほんとに医学的に恵まれてますよね。今も昔も「さずかりもの」であることに違いはないんでしょうが、昔はほんとに、いろんな厳しい条件が重なりあってシビアだったのねぇ。

○瀬戸内海の海運をフル活用して、京・大坂で起きたニュースをたった「3日」の時間差で九州の豊前国に伝えるという情報体制を可能にした井上九郎右衛門。グッジョブ!
 でも、「3日」かかるんですけどね……「3日」かかるという事実があっても、あの如水が「やりおるのう!」と俄然上機嫌になっちゃうんですから、当時の地方大名にとって、確実かつ迅速な情報伝達がどれほど大変で重要なファクターだったのかが、よくわかるってもんです。
 今じゃあ、よっぽど電波の届かない山奥か離島にでもいないかぎり、日本で情報が伝わるのに「3日かかります。」なんていう状況なんか存在しないでしょうからね。やりようによっては、「所要時間ほぼゼロ秒」で遠い場所の様子がわかっちゃうんですから……すごいなぁ、21世紀! ま、私はそういうの、まったく使いこなせませんけど。畿内~九州間で情報伝達に1週間かかるくらいのスピードで充分ですよ~、あたしゃ。

○冷静に内容だけを見れば、完全に父子決裂の場面なのですが、夕刻の大坂邸での如水と長政の会話のくだり、これはなかなかの名シーンでしたねぇ!
 黒田家の未来を第一に考える太守に成長した長政と、その姿に感じ入りつつも、自らの「天下」にとり憑かれたかのような野望に忠実に生き抜こうとふっきれた如水との、お互いの本質を深く認めあう「わかれ」のひととき。なんか、非常に男くさくてよかったですね~。
 また、生真面目な長政をいなすかのように、苦みばしった笑みを浮かべながら片手をふっと上げる如水のクセが、まぁ~おっさんくさい、おっさんくさい。これまた、岡田さんの老け演技のひとつですよね。顔以外はなかなかにおじいちゃんです。

○最近ず~っと、大坂城以外はなかなか城郭の外観グラフィックが出てこなくてフラストレーションがたまっていたんですが、やっと新しいお城が出てきたかと思ったら、ダーイシの居城の近江国・佐和山城、でかっ! 五層の天守閣だったのねぇ~。なにかとケチな印象の強いダーイシなんですが、ちゃんと使うとこには使ってんじゃないの! この期に及んで、ダーイシの好感度がいきなりアップしました。
 さすが、ダーイシが最終的な防衛拠点に想定していたお城なだけはあります。まぁ、ダーイシ本人は大坂や京で奉行職としてあくせく働いていたから、佐和山城にいる時間自体はそんなになかったそうなんですけど。ワーカホリックだったのねぇ。

○長盛「(如水と)会わぬほうがよい……会えば、たぶらかされるぞ!」

 あくまでも盟友ダーイシのことを思って忠告する長盛だったのだが、それを聞いて内心で、「いや、大丈夫。おめーじゃねーから。」とつぶやくダーイシ。
 長盛てめぇ、それでも、あの太閤殿下のおん弟・秀長公の遺した大和国郡山城を本拠とする戦国武将なのか!? 所領20万石のいっぱしの大名が、所領19万4千石の隠居状態のオレにぐちぐち泣きついてくんじゃねー!! てめーが反徳川派を率いてなんとかしろや!!

 一瞬のうちにさまざまな言葉が脳内に氾濫するダーイシであったが、そんなことを言っちゃうと長盛がほんとに泣き出しそうな気がしたので、ここは言わないでおくのであった……
 ダーイシさんって、ほんとにいいひとなんですね。

○「ぱちんっ、ぱちんっ。」と、なにやら神経質に扇を開けたり閉じたりするクセを、いつの間にやらつけてしまったダーイシ。
 いやいや、この『軍師官兵衛』において、その扇パッチンのクセは、あの将軍・足利義昭公を即座に連想させる特濃な敗北フラグですから、やめといたほうがいいですよー!! 牛乳飲んで、カルシウムを摂取して落ち着いてください!

 ちなみに今さらですが、その当の義昭公は、『軍師官兵衛』ではあったりまえのようにスルーされつつも、秀吉が没する丸1年前の慶長二(1597)年)8月に、61歳の天寿をまっとうしておられます。
 『軍師官兵衛』に登場しなくなって以降の義昭公って、実は天正十五(1588)年10月に秀吉の許しを得て京に帰還できていて、山城国槙島(現在の京都府宇治市)1万石の所領をもらって、だいたい10年くらい、けっこう気ままに京や大坂を行き来するフリーな余生を送っておられてたらしいんですよ。
 これって……戦国の世で言っても現代の感覚から観ても、完全なる「勝ち組」なんじゃないの!? 少なくとも、織田信長とかダーイシよりは安楽な最期を迎えられただろ!
 さすがはおん大将……おつかれさぁーっした!!

○先週から、伊達政宗とか上杉景勝とか直江兼続とか、大河ドラマ好きにとってはたまんないビッグネームがポンポン飛び出てきているのですが、まぁ~、放送スケジュールから観れば、関ヶ原合戦に直接姿をあらわすわけでもないこのへんのメンツは、『軍師官兵衛』には登場はしないんだろうなぁ。惜しいなぁ~!
 でもさぁ、もし出てきたとしても、今までのイメージで言ったら、松田龍平に北村一輝に妻夫木聡ですよ! お茶の間の TVの前にイケメン指数計があったら、全員出てきた瞬間にてっぺんが破砕して水銀とびだしちゃうよ!!
 いいですよ、セリフにその名前が出てくるだけでご飯3杯はいけますからね。今年は名前だけでいいんじゃないんでしょうか。どうせあれでしょ、再来年には出てくるんでしょ? うちの地元の最上義光公は……出てこないかなぁ。『天地人』でさえ出られなかったんだもんねぇ。ハセドージョー!!

●上杉軍と畿内の石田軍とで、徳川勢を関東地方に押し込めて挟み討ちにするという秘策を披露しながらも、「まぁ、これはやんないほうがいいけどね……」と、さっさと撤回してしまう如水。じゃあなんで言ったの!? と唖然とするダーイシ。
 フタを開けてみれば、これは翌年に実際に展開された関ヶ原合戦前夜の情勢にかなり似ているのですが、ここで如水が、おそらくはわざと言わなかったのであろう、「徳川サイドの東北勢が上杉軍を牽制する」という第4の動きによってパワーバランスがかなり変わり、結局は畿内に入る寸前の中部地方でダーイシと徳川軍とのタイマンになるという事態になってしまったのでした。いや~、こうなっちゃうと、ダーイシサイドの勝利はかなり厳しくなっちゃう!
 ただ、この程度の「上杉・徳川・畿内の周辺にいる勢力の動向」というファクターならば、逆にダーイシほどの人物が気づいていないと考えるほうが明らかに不自然なわけで、特に当時の伊達(親徳川派)なんかは、絶対に無視できない恐ろしさがあったはずなのです。

 つまり、ドラマ上は、如水がしれ~っと「関東で挟み討ちプラン」をダーイシにプレゼントしたという流れになるのでしょうが、それがかなり実現困難であることはダーイシにだってすぐに想像がつくはずだったわけなのでありまして……如水、あなた、ダーイシをナメすぎなんじゃありませんこと? いや、結局そういうことにはなったんですけどね。そんなに簡単にダーイシがひっかかるか?

○うわー、AKB 、ひっさしぶりー!!
 しばらく観ないと思ってたら、1599年だから、もう「 AKB61」か! 歳とったねぇー!!
 でも、ドラマ本編に出てないあいだも、彼は小早川隆景といっしょに大陸出兵に従軍して、ちゃんとバリバリ戦果を挙げる武将として大活躍してたんですよ。なかなかマルチな才能を持ったお人だったのねぇ。
 まぁ、もしかしたら、そういう自信が翌年の関ヶ原合戦に向かっていったのかも知れませんが。「高ころび」という予言は、最後には自分に降りかかるものだったのかしらねぇ。シェイクスピアみたいで、ものすごい生涯ですね!

○毛利さんとこの輝元くんは、相変わらず威厳が1ミクロンもないねぇ!
 AKB が、「我が主(輝元)は大老のおひとり。亡き太閤殿下のご遺言を守り、豊臣家をお支えいたす。」としゃべっている間も、なんだか「聞いてねーよ……」とでもつぶやかんばかりの涙目で、おどおどと視線を泳がせています。

 あなた、もっと根性決めてしっかりしなさいよ! 来年の大河ドラマで、あんたの子孫を、あの北大路欣也ちゃんがおやりなさるのよ!? ご先祖様が聞いて呆れますよ。まぁ、あんたがしっかりしてたら、その後の長州藩は存在してなかったかもしれないんですけどね。
 でも、毛利輝元と毛利敬親って、意外とキャラクターが似てたりして……この先祖にしてこの子孫あり、ですよね~!
 勝てねぇ戦いは、ドロひっかぶってでもおりまくる! それがおれたち毛利家のポリシーだぜ!!

○うわー、AKB を演じている山路さん、メイクとかはそんなに変わってないのに、演技が確実に歳をとってる! この人、すごいな!!
 まだ最後まで観たわけじゃないから、ここで言うのはちょっと早いんですが、今年の『軍師官兵衛』で私が感動したキャスティングって、この山路さんと、片岡鶴太郎さんの小寺政職くらいがツートップかなぁ。鶴太郎さんは序盤はコント風すぎてどうかと思ってたんだけど、とにかく晩節の汚しっぷりが最高だったからなぁ。陣内さんの宇喜多直家も良かったんだけど、あれはちょっと、出番が少なすぎだったかしら。

●九郎右衛門「小早川隆景亡き後、毛利には意見をまとめる者がおりませんな……いざ戦となれば、毛利はバラバラになる。」

 いやいやあなた、自分の家のことは棚に上げてよく言うよ! 黒田家だって、先代と当代とで完全に意見がバラバラになってんじゃないのよさ!!
 真田さんとこのご兄弟の話なんか特に有名ですけど、大乱にあたって武家が分裂するのは、どっちかが間違いなく勝ち組についているってことで、最終的に必ずお家を存続させるための鉄板プランなの! そんなの、保元大乱の昔から決まってることじゃないの!!
 石田派と徳川派に分裂してたっていいんです。要は、大乱の後に勢力が半分以下になっていてでも、毛利家が残っているのかどうか!
 むしろ、大老っていう超重量級な立場にありながら(輝元はさらに西軍総大将になってしまう)、ひら~り、ひら~りと限りなく無重力に近い足どりで責任逃れをしまくった末に徳川幕府の大名におさまるというウルトラCをやりのけるにあたって、重臣の誰かが責任を引っかぶるっていうのは回避不可能なアポトーシス的損害なわけなんですよ! トカゲのしっぽ切りとは、よく言ったものです。いや、それはアポトーシスじゃねぇけど。

 というわけで、ご本人はとんと気づいておられないのでしょうが、AKB 、あうとぉ~。

○いや、あの、家康さん、その「人質生活経験者つながり」のトーク、もう前に聞きました。

 ……とは言いつつも、これもあの寺尾家康さんの言うことなんだから、たぶん「いやぁ、キミとの宴席が楽しくてしょうがないから、おじさん久しぶりに酔っぱらっちゃったよ~。」ってことをアピールするための計算づくの演技なんです。こわいよね~!!
 廊下に出た途端に酔ったふりを解除する家康を演じる寺尾さん、楽しそうですねぇ~! そういうところ、秀吉と家康ってけっこう似てるんですね。

○長政からお糸の方に離縁の話が切り出されるシーンが、完全に無言で隣り合って座る2人というショットで処理される演出、なんか、好きですね。セリフを入れてもいいシーンになったのでしょうが、その短さもまた、よしということで。あわれだなぁ。お糸の方、まさかこんなリタイアの仕方になるとはなぁ。初登場時の輝き方がすばらしかっただけに、響きますね。

○ズラリとならんだ西軍武将の名前だけを見ればものすっごく勝てそうですなんですけどね。とくに「島津義弘」と「真田昌幸」の名前が、ギラッギラに輝いて見えるなぁ! ありがたや~。
 ただ、武将のネームバリューも大事ではあるんですが、もっと重要なのは「動員数」と「士気」なのでありまして……「数の上でも勝っている!」とほくそ笑むダーイシのかたわらで、「うち(毛利家)の兵力がみんな西軍についたら、ね……」と、なんだか申し訳なさそうな表情を浮かべている AKBが、来週のキーワードになりそうだぞ! 油断めさるな、ダーイシ殿~。


結論、「第48回がとてもたのしみです。」

 あっ、ず~っとドラマのタイトル映像に出てた「銀白檀塗合子形兜(ぎんびゃくだんぬりごうすなりかぶと)」が、やっと本編に出てきたぞ! いよいよ、最後の決戦のときが近づいてまいりましたなぁ! じゃあ、如水の肖像画でトレードマークになっている、あのおしゃれベレー帽みたいな頭巾は、いつ出てくるのかな?
 予告映像を観るかぎり、来週に関ヶ原合戦までいくのかどうかは微妙なんですが、『葵 徳川三代』の神がかった話はこびを思い出すまでもなく、とにかくここのくだりはおもしろくてしょうがないドラマの連続なので、脚本の方はそこに上手に九州のもようをからめて! がんばっていただきたいと思います~。

 ……といいつつ、そこらへんの放送は、もうとっくの1ヶ月前に終わってて、あさって(12月21日)に最終回なんだそうですけどね。間に合わなかったなぁ~、やっぱ! 毎週ドラマを観るってだけの行為が、こんなに大変なことだったとは……日本全国の主婦のみなみなさまがた、ごくろーさまです!!
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