長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第48回『天下動乱』

2014年12月26日 23時27分49秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第48回『天下動乱』(2014年11月30日 演出・大原拓)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 如水      …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

黒田 長政      …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

豊臣 淀殿      …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次  …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

井伊 直政      …… 知力69、統率力81
 (演・東幹久)

安国寺 恵瓊     …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

小西 行長      …… 知力72、統率力48
 (演・忍成修吾)

増田 長盛      …… 知力85、統率力37
 (演・有薗芳記)

平岡 頼勝      …… 知力70、統率力30
 小早川秀秋の家老。黒田長政と親交がある。(演・今井朋彦)

小早川 秀秋     …… 知力21、統率力34
 (演・浅利陽介)

本多 忠勝      …… 知力66、統率力84
 (演・塩野谷正幸)

榊原 康政      …… 知力45、統率力78
 (演・中村育二)

福島 正則      …… 知力45、統率力83
 (演・石黒英雄)

毛利 輝元      …… 知力85、統率力80
 (演・三浦孝太)

大友 吉統(よしむね)…… 知力60、統率力46
 旧名・義統。豊臣政権下で失脚して領地を失い、現在は豊臣家直属の家臣になっている。(演・増田修一朗)

長束 正家      …… 知力87、統率力13
 (演・佐久間哲)

豊臣 秀頼      …… 知力44、統率力39
 (演・小美野来希)

徳川 家康      …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)


ざっとの感想

○「採用即ボーナス」、「武具貸し出し」、そして「士分取立て」という、ちょっとよその武家では考えられないなりふり構わなさで、領国・豊前国の中津でアマチュア民兵を急募する如水。なるほど、長政が連れてって領内に兵がいないのならば、また作ればいいんじゃないのという柔軟な行動力!
 でも、長政が率いる黒田軍も含めて、当時、国際戦争という最大の戦役も経験した、ほぼプロフェッショナルといってもいい全国諸大名の正規軍は、おそらく長い日本史上の中でも最強クラスの熟練度に達していたはずで、そこに急ごしらえの如水軍が、どこまで追いつけるのかどうか。
 おらが大殿のため、ということで士気は高いでしょうが、攻められての決死の防衛戦、みたいな危機感もないだろうし、ほんとのところ、如水はどういう情報戦略をとって自軍のテンションを上げたんでしょうかね?
 「天下統一しま~す。」とか言ったって、いまいち実感がわかないもんねぇ。大義も、よくわかんないっちゃあわかんないし……お祭り感覚は長くは続かないですからねぇ。ましてや、おっかないベテラン兵を相手にした戦争なんですから。

○家康の上杉討伐に従軍した黒田長政の動員兵力って、「5400人」だったのかぁ。なかなかシビアな数字ですよね。
 当時の黒田家、つまり豊前国中津藩は石高が公称「12万3千石」で、実状は「18万石」くらいまで成長していたということなんですが、やっぱりそれくらいが限界だったのねぇ。
 決して広くはない領内からの兵力の調達は、ゲームの『信長の野望』みたいに簡単にはいきませんわなぁ! 1万人超えはキッツいわぁ。

○ケチなダーイシを見越した、如水の「九州7ヶ国をくれるんだったら、加勢も考えるよ。」というムチャクチャな NO回答なんですが、ケチでなくともこれは飲めないよなぁ。だって、如水の異常な徴兵の情報を知らなかったはずのダーイシからしたら、主要な兵力のいなくなった中津の留守番をしているだけの隠居したおじいちゃんなんですからね。ただ、それでもそんなおじいちゃんに加勢の誘いを送ったのは、そのネームバリューで西軍の士気を上げることと、離間策で長政軍の動揺を引き起こすことが狙いだったのでしょう。
 でも、そんな自信マンマンな拒否の返事を受けちゃったら、ダーイシも「こいつ、な~んか考えてんぞ。」といよいよ疑いを深めたことでしょう。うわ~、今は前の敵だけに集中したいのに、後ろにわけのわかんないヤツがいる! こわいよ~。

○あんまり知らない大名と結婚したかと思ったら、さっそくの大ピンチで義母といっしょに農婦コスプレの脱出作戦かよ! あたし、ヤバいところにとついできちゃったかも……と不安の色を隠せない栄姫であった。
 って言っても、栄姫だって、とてつもなく波乱万丈な生涯を送ってきた叩き上げ武将・保科正直の娘なんですからねぇ。保科家の当時の領地だった下総国多胡藩(現在の千葉県香取郡多古町)で、こんなどろんこ遊びくらいはしょっちゅうやってたんじゃないですか?
 まぁ、ここはカマトトぶっとくか、と腹を決め、「こ、こんなところへ入るのは、初めてでございますっ。」と恥じらう演技をする栄姫。も~う、生まれたときから徳川家の深窓の姫君だったような顔しちゃって~、この!

○さすがにまったく同じ重さのものまでは用意しなかったかもしれないのですが、リアリティのためか、けっこうバカにならない重量のものをかついでいたらしく、女性2人を隠した俵袋を運ぶ母里……というか、もこみちさんの足元はかなり情けなくフラフラしていましたね。こういうのはやっぱりねぇ、背は高いにしても、足が短くて多少太ってるくらいのおじさん体型のほうがたのもしく見えるんだよなぁ。おじさん体型は、いいよね! いや、自分がなりたかねぇけど。

○そういう逸話が黒田家に実際に伝わっているのかどうかは知らないのですが、いかにもありそうな「お光・栄姫偽装作戦」エピソードでしたね。ベッタベタな展開ですが、こういうのがないと関ヶ原前夜じゃないんだよなぁ。定型ですよね。
 それにしても、主君もたいした軍勢もいない大坂の黒田邸に対して、これほどまでに西軍勢力が弱腰とは……ささいな武力制圧にも労力をかけたくないのか、それとも、そもそもその武力が調達できていないギリギリ状態なのか。とにかく全体的にダーイシの苦境が、無言ながらもひしひしと伝わってくるような哀しさがありますよね。ひっじょ~に、キビシ~ッ!!
 だいたい、新妻で大坂に来たばっかりの保科家の娘の顔を知らない、というのは百歩ゆずってわかるにしても、さすがに、そろいもそろって黒田家の先代の奥方の顔も知らないようなデクのバーばっかが使者って時点で、まったく緊張感がありません。ダーイシは、また人選をミスったな! そんなんじゃダ~メよ~。

 なんでもいいんですが、善助も、経産婦のことを「16歳には見えない」って言われただけで、そんなに動揺するんじゃない! どんだけヨメLOVE なんだって話ですよ。はいはい、アツいアツい!

○栗山善助と日本号ひっさげた母里友信が、なんかものすごい形相になりながら、人間が入りそうな大きな木箱を運んでるんですよ。真っ黒も真っ黒だろ、そんなもん! 港に行かせるんじゃないよ~、この腑抜け侍どもが。
 善助も友信も、実においしいタイミングでくしゃみが出そうになったカトちゃんみたいな栄姫もみなさんグッジョブだったのですが、いちばん黒田家に貢献してくれたのは、4人の逃亡のきっかけを命がけで作ってくれた、細川さんちのガラシャさんですよね。結局、今年は1秒も大河ドラマには出てこなかったけど、よくやってくださいました。あんたは、エラい!!
 藤孝は出るには出たけど、将軍・足利義昭公のインパクトのせいでだいぶ影が薄かったし、忠興も俳優ノンクレジット&セリフゼロでちらっと出てただけ。今年は細川家はかなりの冷遇でしたな。ま、そんな年もあっていいんじゃないかしら。

○非常に有名な「小山評定」で、先陣切っていきりまくった決意表明をする福島正則。いいですねぇ~、こういうお祭り男がいるかいないかで、場のテンションは天と地ほど違ってくるんですよね。そのうえ、戦となると正則はめっぽう心強い!
 ただ、いくら豊臣秀頼を奉じているとは言っても、正則がダーイシの挙兵にくみするとはだぁれも考えていないわけで、全体的に「まぁ、そうなるわな。」という雰囲気ではあったんでしょうけど。やっぱり、「旧主の恩よりオレの好き嫌い」なんですよね~。まさに戦国武将! のちの「サムライ」とはまったく違う、ビジネスライクきわまりない論理ですね。朝倉宗滴教景も、草葉の陰でサムズアップよ☆

○「上杉討伐に従軍した武将は、ほぼ全員が家康軍に加勢するもよう」という急報に接し、歯ぎしりして悔しがるダーイシたち。

ダーイシ「太閤殿下に取り立てられたご恩を忘れおって……」
長盛  「人質を取ったことが裏目となったか!」

 それを聞いて、内心で「いや、おめーらがいるから、あっちにいっただけなんじゃね?」とつぶやく AKB。
 ま、アタシたちもうすうすそうなんだろうなとはわかってるんだけど、自分たちからは言えないし~! もう遅いしぃ~!! もはや開き直るしかない奉行ズであった……

○いつの間にか AKBが入手していた、「如水軍1万までに膨張」というニュースに驚愕する西軍首脳陣。しかし、ダーイシには秘策があった!?
 「クックック……なんという男だ……だが、手は考えてある!」

 ……ときて、いったいどんな大作戦なのかと思ったら、如水攻撃軍の大将が大友吉統て! くわ~、こらまた、古くさ~いお名前が出てきましたなぁ!
 確かに、九州北部では絶大なネームバリューのある大友家の末裔を派遣する、というその着眼点は的確ですし、吉統も旧領奪回のためならばと決死の覚悟でのぞむことは間違いないわけなのですが……吉統さん、戦争の勝敗とかじゃなくて、自分の力量の足りなさで失脚して豊後国を失ってるからね。な~んか、あの尼子勝久とかとは違って、「自業自得でしょ」みたいなしらけムードがぬぐえないんだよなぁ。
 長盛から、念を押すように「敵は武名高き黒田如水! くれぐれも油断めされぬよう。」とか言われてますけど、これ、完全なる皮肉ですからね! だって、むかし吉統とその父・宗麟が島津家に危うく滅ぼされかけたところを救ってくれたのが、その「武名高き黒田如水」だったんですから。なんか、「自業自得」な上に「恩知らず」のレッテルさえもつきかねない、吉統の厳しい立場です。

 しかもさぁ、とどめはこれですよ、一時的な関係だとはいえ、自分にその命を下す総大将さまが、よりにもよって、あの毛利輝元なわけ!!
 キィイ~、なんで毛利!? なんで、かつて関門海峡を挟んで「西日本最大」の覇権をめぐる熾烈きわまりない抗争を繰り広げていたライバルの当主が西軍総大将で、オレが「領土は働き次第」のアルバイト待遇なわけ!?
 親父の宗麟も、天国で慟哭してますよ……おぉ神さま、神さま……助けてパパ~ヤ~♪

○「上善如水」の、『老子』の一節を如水が朗読するシーンなんですが、なんか、なつかしいな。そういえば、『軍師官兵衛』もそうとう初期には毎週ひとつずつ、兵法の一節を字幕で出して如水が実践する、みたいなパターンがありましたよね。
 あれ、いつの間にかなくなっちゃったよな……私個人はそういうのを、見てる人が飽きてもかまわないから50回ぜんぶでずっとやり続けてやる、みたいな「骨」が観たかったなぁ。好きです、そういうヘンなこだわり!

●如水の語りかけた「黒田家天下取りプラン」を、機先を制して自信たっぷりにとうとうと語りつくす、善助ら重臣ズ。
 もはや言葉さえもいらないツーカーの主従関係に思わずウルッときてしまう如水だったわけですが、いや~、その未来設計図、そんなにうまくいくかぁ!?
 だって、四国の反応がまったく計算に入ってないし、だいいち、その時点で九州には島津家と加藤キヨマーがいるんじゃないの! そりゃ、島津義弘は出張中だしキヨマーも敵になるとは確定していないんですが、危なっかしいメンツがうじゃうじゃしてる九州地方を統一して中国地方も制圧して、果たしてそのときの黒田軍が、西軍や東軍より「疲弊してない」なんて言えますか?って話なんですよ。そりゃムリな話だろ~。このプラン、西軍と東軍がいったい何年戦争してなきゃいけない想定なんですかね!?

 感動したあまりに3人の重臣に頭を下げる如水だったのですが、どっちかというと、「……とかって思ったんじゃけど、やっぱやめますさぁ~せん。」と言いたいようにしか見えない一礼なのでした。野望ってもんは、ほんとに人の目を狂わすのねぇ。

●如水のセリフ「軍師として重用されることができた。」の「重用」って、「じゅうよう」じゃなくて「ちょうよう」じゃないの? いや、まぁ、21世紀の読み方がそうなるっていうんなら、あたしゃ文句は言いませんけど。だいたい、如水が自分のことを「軍師」って言ってる時点でもうセリフおかしいからね。
 私は「ちょうよう」、好きなんだけどなぁ。私は死ぬまで「ちょうよう」派よ! あと、「どくせんじょう」派。

○関ヶ原最大のキーマン・小早川秀秋、ついに動く! あら、やっぱりそういう、おどおどキャラ? 今年もベタなのねぇ~。
 「勝つほうにつきたいです。」ってあなた、今回の大戦争は、あなたがついたほうが勝つのよ! どっちでも好きなほうにすればいいのよ~。こんなにラクなことって、ある!?
 今週は初登場ながらもセリフゼロだったんですが、秀秋付きの家老・平岡頼勝を演じる今井さんの存在感がハンパないですねぇ! いっつも情けないやりとりばっかりのこの2人ですが、今年はなんか、かっこよくなりそうだぞ~。

○別撮りで肉に食らいつくカットは用意されたものの、江戸城内の庭で飼われていたタカ、寺尾家康のたっぷり30秒間にもおよぶ「肉ほれほれ」モーションにも、まったくつれない無反応!! 少なからず気を落とす家康……ていうか寺尾さんがかわいい。
 あれほど、長政をはじめとする全国の大名どもを軽々と手玉に取る家康も、なれないスタジオ撮影に緊張するタカを制することはできないのであった……動物と子どもは、素直だねぇ~。秀頼役の小美野くんも、今週やけにカメラ目線になってましたよね。いよいよ近づいてきた天下分け目の大合戦の気配に、思わずちらちらしてしまう、大坂の子どもと江戸のタカ。みんなかわいいですね。


結論、「第49回がとてもたのしみです。」

 はいっ、というわけで、『軍師官兵衛』の本放送はもう終わっちゃったわけなんですけれども、こっちの企画は、まだ終わっておりまっせ~ん。
 まぁ、マイペースに、ね。なにごともムリをせずにやっていきましょう。のんびりのんびり~。

 うをっ、あの予告映像に出てた甲冑武者、もしかして、的場浩司さんじゃね!? これはものすっごい戦争になりそうだぞ~!! 今年は関ヶ原以上に、九州の石垣原がヒートアップするもよう! 見逃せないぞ。
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