《前回までのあらすじ》
第3新東京市に1ヵ月半ぶりの使徒出現!
久々の出撃に血気はやるエヴァンゲリオン3機だったが、その中でも特に、前日のハーモにクステストでシンクロ率トップに輝いたことに気を良くしたのか、いつになく主人公きどりで先制攻撃をしかけた初号機専用パイロットが使徒の謎の反撃にさらされることとなってしまった。やっぱ、慣れないことはするもんじゃねぇなぁ!!
「おう、そこのムラサキのん! ワレけぇ、いきなり撃ってきたんは!? ワレぇ、人がのんびり街を歩いてるときに、よぉも劣化ウラン弾ブチ込んできてくれたのう!! ちょっと話があるけぇ、ウチんとこ来てんか!? ちぃと暗いとこやけど、広くて話もしやすいけぇのう!!」
なんと、高層ビルの陰からの初号機による不意のハンドガン射撃を一瞬にして回避した謎の白黒模様の巨大球体は、テレポーテーションのように一気に初号機の上空に瞬間移動し、そのとたんに球体の影になった部分は漆黒の底なし沼のような状態に変質! ガードレールや電柱、乗り捨てられた自動車などとともに、ふつうのアスファルトに立っていたはずの初号機もまた、足元からズブズブと地中に沈んでいく緊急事態に!!
このとき、それまで球体が第3新東京市上空をただよっていた時点では「使徒と認識できない」という意味の「パターン・オレンジ」という判定をくだしていたネルフのスーパーコンピュータ・MAGI(マギ)も、いったん消失したあとでふたたび初号機の直上に出現した段階で「パターン・青」、つまりは「使徒出現」という判断をくだしました。
これで状況ははっきりしました。あの巨大な球体はまごうかたなき使徒! 第12使徒レリエルです!!
でも、わかったところでもう遅いっつうの!
自分をじょじょに飲み込んでいく地表の黒い影! 初号機は足をとられつつも影にハンドガンを連射して逃げようとしますが、弾丸も影に飲まれていくばかりでなんの効果もありません。足首……膝……腰! 刻一刻と確実に、初号機の機体は黒い沼のような影の中に。
初 「ミサトさん(作戦指揮官のこと)、どうなってるんですか!? ミサトさん! アスカ! 綾波! 援護は? ミサトさん、聞こえてます!?」
通信を通じてネルフ本部に響きわたる初号機専用パイロットの絶叫。予想をはるかに超えた使徒の攻撃に唖然とする作戦指揮官も、なんとか気を取り直してパイロットの脱出を思いつきますが……
作戦 「(エントリー)プラグ射出! 信号を送って!」
オペ 「駄目です! 反応ありません!」
初号機専用パイロットを、搭乗しているコックピットにあたるエントリープラグごと、エヴァンゲリオン初号機の機体から空中に射出させて脱出をはからせようとした作戦指揮官だったのですが、時すでに遅し! その時点ですでにエントリープラグのある初号機の背部は闇の中に沈んでしまっていたのです。
初 「ミサトさん!? ミサトさぁあー……(プツッ)」
ついには初号機の頭部のてっぺんにあった一本角のようなアンテナ部分までもが沈みきり、第3新東京市の地上からエヴァンゲリオン初号機の姿は完全にかき消え、その瞬間にエントリープラグの専用パイロットからの通信もまったくの不通となってしまいました。
かなり以前にも触れたように、巨大人型決戦兵器エヴァンゲリオンの実際の身長はアニメ本編中の演出によってシーンごとにちょいちょい変化しているのですが、TVシリーズの放映されていた当時では、監督の庵野秀明さんがつねづね範とする円谷プロの『ウルトラシリーズ』の主人公・ウルトラ兄弟の巨大化したときの身長「40m」くらいである、とされています。もちろん、現実的に統一された寸法よりも「そのカットごとに映えるスケール」を優先するこの演出も、ウルトラシリーズの伝統であります。
ちなみに、エヴァンゲリオンのはっきりしない身長設定は現在の『新劇場版』シリーズになってからも変更はないのですが、どうやら今現在の多くのシーンでは「80m」サイズにまで巨大化しているようですね。それじゃ、ウルトラマンっていうよりもゴジラじゃないっすか!
っていうかさぁ、エヴァンゲリオンがそんな大きさだったら、『新劇場版・Q』のクライマックスで「あそこ」にゴロゴロころがってた「されこうべ」はなんの骨だったのよ!? やっぱエヴァンゲリオンのプロトタイプ諸先輩がたのお骨だったのかしら……それをあんなにガッチャガッチャ踏みつけちゃあ、いかんわよねぇ……合掌。
んなこたぁ今はどうでもいいんですが、ともあれ、そのように最低でも40m の巨大さを誇るはずのエヴァンゲリオン初号機が、たった30秒間のうちにまるっと謎の空間に飲み込まれてしまった!
エヴァンゲリオンが……しかも、ネルフ本部の虎の子である初号機がパイロットごと消失してしまった。いうまでもなく、これはネルフはじまって以来の異常事態にして大ピンチです。そして、それをやった使徒はいまだに第3新東京市のど真ん中で活動中!!
2 「あのバカ……模試だけ満点とったってしょうがないじゃない!」
使徒のいるポイントに急行しながら、いまいましげにつぶやく2号機専用パイロットのドイツ娘。でも、あなただってその模試の結果であんなにメンタルをぐわんぐわん動揺させてたじゃないですか……実に彼女らしい、自分のことを棚にポンポン上げまくった発言です。
ここで、初号機の独断によるハンドガン発砲から開始されてしまった対レリエル戦の推移を、時間ごとにおって整理していきましょう。
例によって、時間は物語のなかで公表された正確なものではなく私そうだいが映像から「だいたいこんなものだろう。」と類推した完全な予測ですので、あしからず!
正午12:00ごろ 第12使徒レリエルが第3新東京市市街地に突如出現
12:30ごろ 住民避難も完了していない段階で、ゆっくり移動するレリエルを3機のエヴァンゲリオンが包囲(この段階では、少なくとも初号機と2号機がレリエルとビル1つへだてた近距離に配置されている)
作戦指揮官により、エヴァンゲリオン1機がおとりとなってレリエルを誘導し、第3新東京市市街地から離れた地点で3機が総攻撃をしかけるという作戦が立案され、2号機専用パイロットの進言により初号機がおとりを務めることとなる
12:35 第3新東京市の住民避難が完了
13:00:07 市街地をなかなか出て行かないレリエルに初号機が業を煮やし、他の0号機や2号機の準備を待たずにハンドガンでレリエルに発砲するが、着弾の寸前でレリエルが消失
13:00:15~45 再び出現したレリエルが初号機と交戦し、初号機がなすすべもなく地表の影部分に吸収され消失する
13:00:45~13:01:00 作戦指揮官の命令により2号機がレリエルに接近し、0号機が遠距離からスナイパーライフルで狙撃するが、またしても着弾の寸前でレリエルが消失する
13:01:00~25 みたび出現したレリエルが2号機と交戦するが2号機は高層ビルの屋上に退避し、作戦指揮官が命令中止を指示する
その後もレリエルの影部分は拡大し、直径680m となった段階で停止する
ネルフ側が作戦を決定した「12:30」と、実際に初号機の発砲によって作戦が始まった「13:00」との間隔はもっと短いのかもしれませんが、作戦会議の段階では数歩でレリエルに近接できるような距離にあった2号機が、作戦開始の時点では15秒間全力ダッシュしてもたどり着けないような距離にいたということは、そのあいだにじりじり移動をともなうけっこうなタイムラグがあったのではないか?、と推定させていただきました。
あと、劇中でレリエルといっしょに映っているカットのなかった0号機は、スナイパーライフルで狙撃したのが0号機であるのにそれを回避したレリエルが次に選んだ相手が2号機であるという、「ミョ~なあぶらしっこ(山形弁であぶれもの・シカト対象の意)扱い」になっているのですが、これは0号機の使用した兵器が遠距離攻撃用のものだったことから見ても、常にとびぬけてレリエルから遠い地点にいたからなのでしょう。
でもそうだとしても、0号機が撃ったのにネルフ本部にいた開発主任(金髪染め)が即座に「アスカ(2号機)、気をつけて!」と指示していたやりとりは不自然な感じがしますよね……こんな細かいポイントにも、なんとな~く開発主任と0号機専用パイロットとのかみ合わなさという伏線を仕掛けているスタッフ陣には頭が下がってしまいます……って、こりゃ邪推っすかね!?
ただ、ここで見逃せないのは、レリエルが単純に「攻撃した相手に反撃する」というだけの行動原理で動く使徒なのではない、ということですよね。それだったのならば、レリエルが初号機のあとに襲ったのは0号機であったはずなのですが、実際にはまったく攻撃をしかけていない近場の2号機を標的にしていたわけなのです。しかも、まだレリエルに接触できていなかった時点での2号機を!
つまり、レリエルは最初っから、ビルの陰に隠れているとかなんとかいうことはいっさい関係なく、エヴァンゲリオン3機の位置を完全に把握しておきながら、そ知らぬ顔(顔ないけど)でふよふよ散歩を続けていた、ということになるのです。ネルフ側の混乱をねらって!
レリエル……恐ろしい子! 前回の第11使徒イロウルのエヴァンゲリオンの無視っぷりもそうとうに恐ろしいものがありましたが、今回のレリエルはそれとは正反対に、「エヴァンゲリオンだけに的をしぼっている使徒」だったのです!
「はっはっは。使徒をそんなに怒らせるものじゃあありませんよ。それじゃあ、今日はここでひと休みさせていただくことにしましょうか。本来ならば住む場所ではないこういった高層ビル街でキャンプするのも、たまにはいいものですねぇ~。」
ともあれ、ネルフ本部側はたった「1分30秒ほど」の作戦で、レリエルに第3新東京市市街地を占拠されたうえに初号機を文字通り「失う」という史上最大級の大敗を喫してしまいました。これが怪しい総司令の不在時に発生しちゃったもんなんですから、作戦指揮官にのしかかる責任問題は回避不可能かしら!?
そもそも、今回の大敗の原因はどこにあるのかと考えてみますと、そりゃもう自軍の準備もできていない段階で、しかも被害の拡大する可能性の高い市街地でレリエルとの戦闘を開始させてしまった初号機専用パイロットの「独断専行・作戦無視」に最大の責任があるわけなのでしょうが、作戦会議からのネルフ側の一連のやりとりをよくよく見てみますと、具体的に「どうやっておとりとしての役目を果たすのか」というところを全然はっきりさせなかった、かつ、最近めずらしく調子に乗っている初号機専用パイロットがおとりになることを最終的に承認してしまった作戦指揮官のぼんやりっぷりがいちばん悪いような気がするんですが……どうでしょうか。少なくとも劇中では「撃つな」とは言ってないんですよね。だからこそ、一向に使徒らしいことをしてこないレリエルに初号機専用パイロットが「ちょっと撃ってみっか。」と考えてしまったとも言えるのではないでしょうか。ここらへんは直接的な失態は演じていないものの、やっぱり「なにもしていないことこそが最大の失策」という監督ミスなんじゃあなかろうかと。ついこの前まで、頭がどうかしているとしか思えない『ウルトラマンタロウ』の防衛チーム「ZAT(ザット)」もはだしで逃げ出す根性至上主義的な超デンジャラス作戦をバンバン連発していた作戦指揮官とは思えない「存在感のなさ」でした。
ただしここには、なんの予兆もなしにレリエルが第3新東京市のど真ん中に出現したからという準備の足りなさもあったのでしょうが、それよりももっと深刻なものとして、最近になってヨリを戻した2号機専用パイロット保護者代理のおじさんが日本政府のスパイであるという衝撃的事実が明らかとなり、さらにその彼から、自分の所属しているネルフという組織がいかに正体不明で秘密の多い、信用しがたいブラック企業であるのかを語られていた彼女の、今までどおりとはいきがたい心理的大混乱が大きく影響していたのではなかったのでしょうか。
一見すると2号機専用パイロットの凋落っぷりが表だってくる、今回の対第12使徒レリエル戦以降の『新世紀エヴァンゲリオン』なのですが、それとほぼ同時進行で典型的な陽性キャラクターだったはずの作戦指揮官がどんどん疑心暗鬼におちいりシリアスになっていくというシフトも見逃せないものがあります。とにかく、あらゆる方面で「たった1ヶ月前」までのあの日々が懐かしく思えてきてしまう作品の変質が無情に始まっていってしまうのが『新世紀エヴァンゲリオン』後半戦の恐ろしさであり、魅力でもあるのです。前半戦の能天気な空気は、もうかえらない……
さて、いつもどおり普通に過ぎていこうとしていた、ある晴れた日のお昼にあっという間に発生してしまった第12使徒レリエルの第3新東京市侵攻だったのですが、レリエルは初号機を地面の暗黒空間に吸収して以降は具体的な活動をいっさい停止してしまい、少なくとも地球人類を絶滅させる「サードインパクト」を誘発するようなアクションは起こさなくなってしまうのです。最初に出現した段階でも逃げまどう住民を尻目にの~んびり空中散歩を楽しんでいたし、今回の使徒は今までの使徒たちにあまねくあった「ガッツキ感」がまるでありません。まぁ、寝ている間に攻撃されてしまった第8使徒サンダルフォン(幼生)は完全な受け身対応だったから例外でしたけど。
同じように「空中に浮かぶモノっぽい形状の使徒」としては、レリエル同様に第3新東京市に侵攻してきて人類側の大ピンチをまねいた、あの第5使徒ラミエルが連想されるのですが、そのインパクトの与えかたが「ビームとドリルの超体育会系型」であるラミエルと「邪魔な物は静かにゴミ箱にほうむりさるコワい文科系型」であるレリエルとではまるで違うんですよね! どっちが強敵かって……どっちとも戦いたくないわ!!
だいたい、空中の巨大な白黒球体の直下にある漆黒の空間があらゆる物体を吸収してしまうらしい、というレリエルの攻撃方法はわかってきたのですが、それがどう駆使されたら第3新東京市の地下8~9キロまで到達してサードインパクトをぶちかます手段に応用されていくのか?という部分が、今のところははっきりしていないのです。
レリエル……何もかもが未知数、新展開な使徒です。これにたいしてネルフはどういう手を打つべきなのか!?
ネルフは……とにかく様子見!! 結局のところ、前回に番組タイトルになっているエヴァンゲリオン3機をさしおいて第11使徒イロウルを殲滅してしまった美しき開発主任(泣きボクロ)がレリエルの性質を解析して対応策を立案する深夜すぎまで、待ちの一手に徹してしまうのでありました。
地球人類の命運をになう秘密特務機関としてはあまりにパッとしない時間の過ごし方だったわけですが、これに、不在でどこかに行っているらしい怪しい総司令と枯れた副司令のコンビがどういう指示を下したのか、または下さなかったのかは劇中ではまったく描写されていません。この不可解な出向がどういう内容だったのかについてはこれ以降も全然ふれられていないし……ホントになんでいなくなってたんでしょうか、このお2人? 息子さん、連絡とれなくなってますよ~!
これまでの物語の中でも再三語られているように、巨大兵器エヴァンゲリオンは専用の電源ケーブルである「アンビリカルケーブル」を通した電力エネルギーの供給がなければ、自身の内蔵している予備電源で「1分間」しか活動することができません。そのために、今回の作戦で黒い空間に取り込まれた部分から先のケーブルが「初号機ごとどこかに消えて」断線してしまったことから、もし初号機がレリエルの用意したどこかの別空間にすっ飛ばされているだけなのだとしても、あっという間に反撃するパワーを失い機動停止してしまっているであろうことは明らかです。じゃあ、中の専用パイロットはどうなってしまうのか!? 座して死を待つのみ?
ところが開発主任の弁によると、
「内蔵電源に残された量はわずかだけど、シンジ君(初号機専用パイロットのこと)が闇雲にエヴァを動かさず、生命維持モードで耐えることができれば、16時間は生きていられるわ。」
という状況になっているのだそうで、要するに最大限で翌日の未明5時ごろまでパイロットが生存することは可能なようです。つまり、動かせなくても、そのくらいの時間までエヴァンゲリオンはパイロットの「シェルター」ほどの役には立つ、ということなのです。にしても、このときの開発主任の冷たすぎるしゃべりかたといったら、もう! 作戦指揮官のせいでみすみす初号機を失ったことによっぽど腹を立てているのでしょうか。
さて、その初号機が消失してしまったレリエルの暗黒空間なのですが、白黒球体の直下地点を中心とする直径680m の真円地帯にかつてあったはずの高層ビルだの道路だの放置された車両だのガードレールだのといったもろもろの人工物・自然物はまるごとかき消えてしまっており、未来的な大都市の中心にぽっかり真っ黒な湖ができてしまったかのような不気味な虚無空間が出現してしまいました。
どうでもいいことかもしれませんが、真円地帯の比較的外側にあるビル群は全体の何分の一かを沈ませた状態で斜めにかたむいたまま浮かんでいる状態のものもあり、この空間がなんでも自動的に飲み込んでしまうのではなく、明確にレリエルの意志で広がったりストップさせたりという調節が可能なものなのであることが推測できます。便利ですね~!
「やぁ、今日はまた、茜色のステキな夕暮れですね……建ちならぶビル街も、その向こうに広がる箱根の山々もすべてが同じ色合いに染まっています。まさしく、私たちの社会と大自然とが一体になるかけがえのない瞬間です。こういうひとときに、家族とベランダで集まりながらちょっと早めにいただいちゃう生ビールの味といったらもう……一日の疲れなんかいっきに吹き飛んじゃいますよね!」
そんなことを悠長につぶやいていてもおかしくないレリエルの泰然自若としたたたずまいなのですが、そんな中でなすすべもなく日が暮れていき、日没の直後には「ネルフの骨は拾ってやる。」といわんばかりに国連軍の地上部隊が第3新東京市に配備されるという事態になっていました。つったって、まぁレリエルの相手になるとは思えないですけど。
その後、深夜になった段階でのネルフの作戦立て直し会議で開発主任が発表した内容はかなり深刻なものでした。
作戦 「じゃあ、あの『影』の部分が使徒の本体なわけ!?」
開発 「そう。直径680メートル、厚さ3ナノメートル(=10億分の3メートル)のね。その極薄の空間を内向きの A.T.フィールドで支え、内部は『ディラックの海』と呼ばれる虚数空間。たぶん……別の宇宙につながってるんじゃないかしら?」
作戦 「あの球体は?」
開発 「本体の虚数回路が閉じれば消えてしまう。上空の物体こそ、影にすぎないわ。」
作戦 「初号機を取り込んだ黒い影が目標か……」
2 「そんなの、どうしようもないじゃん……」
つまり、昼間に第3新東京市の上空に出現してエヴァンゲリオンを翻弄した謎の白黒球体は完全なフェイクであり、地面に広がっている黒い暗黒空間こそがレリエルそのものだったのだ!! これぞまさしく2次元キャラ! ど根性ガエルか!?
「さぁ、こんなわけで私は紫色のやつを人質にとったわけなんですが、ほっといても明日の夜明けには彼は死んでしまうんですよねぇ。これにたいして、果たして人類のみなさんはどういった手をうってくるのでしょうか。なんかこう、わくわくしてきますねぇ!
そして、次第に明らかになってくる、わたくしレリエルのおそるべき『第2の攻撃方法』とは? 興奮と『いつまで続くんだ』というロマンティックあきれモードが満載のつづきは、また次回でございます。
それではみなさん、どうぞ、くれぐれもインフルエンザにはお気をつけて、すこやかなアーバンライフをお送りくださいませ。第12使徒レリエルでした~。」
第3新東京市に1ヵ月半ぶりの使徒出現!
久々の出撃に血気はやるエヴァンゲリオン3機だったが、その中でも特に、前日のハーモにクステストでシンクロ率トップに輝いたことに気を良くしたのか、いつになく主人公きどりで先制攻撃をしかけた初号機専用パイロットが使徒の謎の反撃にさらされることとなってしまった。やっぱ、慣れないことはするもんじゃねぇなぁ!!
「おう、そこのムラサキのん! ワレけぇ、いきなり撃ってきたんは!? ワレぇ、人がのんびり街を歩いてるときに、よぉも劣化ウラン弾ブチ込んできてくれたのう!! ちょっと話があるけぇ、ウチんとこ来てんか!? ちぃと暗いとこやけど、広くて話もしやすいけぇのう!!」
なんと、高層ビルの陰からの初号機による不意のハンドガン射撃を一瞬にして回避した謎の白黒模様の巨大球体は、テレポーテーションのように一気に初号機の上空に瞬間移動し、そのとたんに球体の影になった部分は漆黒の底なし沼のような状態に変質! ガードレールや電柱、乗り捨てられた自動車などとともに、ふつうのアスファルトに立っていたはずの初号機もまた、足元からズブズブと地中に沈んでいく緊急事態に!!
このとき、それまで球体が第3新東京市上空をただよっていた時点では「使徒と認識できない」という意味の「パターン・オレンジ」という判定をくだしていたネルフのスーパーコンピュータ・MAGI(マギ)も、いったん消失したあとでふたたび初号機の直上に出現した段階で「パターン・青」、つまりは「使徒出現」という判断をくだしました。
これで状況ははっきりしました。あの巨大な球体はまごうかたなき使徒! 第12使徒レリエルです!!
でも、わかったところでもう遅いっつうの!
自分をじょじょに飲み込んでいく地表の黒い影! 初号機は足をとられつつも影にハンドガンを連射して逃げようとしますが、弾丸も影に飲まれていくばかりでなんの効果もありません。足首……膝……腰! 刻一刻と確実に、初号機の機体は黒い沼のような影の中に。
初 「ミサトさん(作戦指揮官のこと)、どうなってるんですか!? ミサトさん! アスカ! 綾波! 援護は? ミサトさん、聞こえてます!?」
通信を通じてネルフ本部に響きわたる初号機専用パイロットの絶叫。予想をはるかに超えた使徒の攻撃に唖然とする作戦指揮官も、なんとか気を取り直してパイロットの脱出を思いつきますが……
作戦 「(エントリー)プラグ射出! 信号を送って!」
オペ 「駄目です! 反応ありません!」
初号機専用パイロットを、搭乗しているコックピットにあたるエントリープラグごと、エヴァンゲリオン初号機の機体から空中に射出させて脱出をはからせようとした作戦指揮官だったのですが、時すでに遅し! その時点ですでにエントリープラグのある初号機の背部は闇の中に沈んでしまっていたのです。
初 「ミサトさん!? ミサトさぁあー……(プツッ)」
ついには初号機の頭部のてっぺんにあった一本角のようなアンテナ部分までもが沈みきり、第3新東京市の地上からエヴァンゲリオン初号機の姿は完全にかき消え、その瞬間にエントリープラグの専用パイロットからの通信もまったくの不通となってしまいました。
かなり以前にも触れたように、巨大人型決戦兵器エヴァンゲリオンの実際の身長はアニメ本編中の演出によってシーンごとにちょいちょい変化しているのですが、TVシリーズの放映されていた当時では、監督の庵野秀明さんがつねづね範とする円谷プロの『ウルトラシリーズ』の主人公・ウルトラ兄弟の巨大化したときの身長「40m」くらいである、とされています。もちろん、現実的に統一された寸法よりも「そのカットごとに映えるスケール」を優先するこの演出も、ウルトラシリーズの伝統であります。
ちなみに、エヴァンゲリオンのはっきりしない身長設定は現在の『新劇場版』シリーズになってからも変更はないのですが、どうやら今現在の多くのシーンでは「80m」サイズにまで巨大化しているようですね。それじゃ、ウルトラマンっていうよりもゴジラじゃないっすか!
っていうかさぁ、エヴァンゲリオンがそんな大きさだったら、『新劇場版・Q』のクライマックスで「あそこ」にゴロゴロころがってた「されこうべ」はなんの骨だったのよ!? やっぱエヴァンゲリオンのプロトタイプ諸先輩がたのお骨だったのかしら……それをあんなにガッチャガッチャ踏みつけちゃあ、いかんわよねぇ……合掌。
んなこたぁ今はどうでもいいんですが、ともあれ、そのように最低でも40m の巨大さを誇るはずのエヴァンゲリオン初号機が、たった30秒間のうちにまるっと謎の空間に飲み込まれてしまった!
エヴァンゲリオンが……しかも、ネルフ本部の虎の子である初号機がパイロットごと消失してしまった。いうまでもなく、これはネルフはじまって以来の異常事態にして大ピンチです。そして、それをやった使徒はいまだに第3新東京市のど真ん中で活動中!!
2 「あのバカ……模試だけ満点とったってしょうがないじゃない!」
使徒のいるポイントに急行しながら、いまいましげにつぶやく2号機専用パイロットのドイツ娘。でも、あなただってその模試の結果であんなにメンタルをぐわんぐわん動揺させてたじゃないですか……実に彼女らしい、自分のことを棚にポンポン上げまくった発言です。
ここで、初号機の独断によるハンドガン発砲から開始されてしまった対レリエル戦の推移を、時間ごとにおって整理していきましょう。
例によって、時間は物語のなかで公表された正確なものではなく私そうだいが映像から「だいたいこんなものだろう。」と類推した完全な予測ですので、あしからず!
正午12:00ごろ 第12使徒レリエルが第3新東京市市街地に突如出現
12:30ごろ 住民避難も完了していない段階で、ゆっくり移動するレリエルを3機のエヴァンゲリオンが包囲(この段階では、少なくとも初号機と2号機がレリエルとビル1つへだてた近距離に配置されている)
作戦指揮官により、エヴァンゲリオン1機がおとりとなってレリエルを誘導し、第3新東京市市街地から離れた地点で3機が総攻撃をしかけるという作戦が立案され、2号機専用パイロットの進言により初号機がおとりを務めることとなる
12:35 第3新東京市の住民避難が完了
13:00:07 市街地をなかなか出て行かないレリエルに初号機が業を煮やし、他の0号機や2号機の準備を待たずにハンドガンでレリエルに発砲するが、着弾の寸前でレリエルが消失
13:00:15~45 再び出現したレリエルが初号機と交戦し、初号機がなすすべもなく地表の影部分に吸収され消失する
13:00:45~13:01:00 作戦指揮官の命令により2号機がレリエルに接近し、0号機が遠距離からスナイパーライフルで狙撃するが、またしても着弾の寸前でレリエルが消失する
13:01:00~25 みたび出現したレリエルが2号機と交戦するが2号機は高層ビルの屋上に退避し、作戦指揮官が命令中止を指示する
その後もレリエルの影部分は拡大し、直径680m となった段階で停止する
ネルフ側が作戦を決定した「12:30」と、実際に初号機の発砲によって作戦が始まった「13:00」との間隔はもっと短いのかもしれませんが、作戦会議の段階では数歩でレリエルに近接できるような距離にあった2号機が、作戦開始の時点では15秒間全力ダッシュしてもたどり着けないような距離にいたということは、そのあいだにじりじり移動をともなうけっこうなタイムラグがあったのではないか?、と推定させていただきました。
あと、劇中でレリエルといっしょに映っているカットのなかった0号機は、スナイパーライフルで狙撃したのが0号機であるのにそれを回避したレリエルが次に選んだ相手が2号機であるという、「ミョ~なあぶらしっこ(山形弁であぶれもの・シカト対象の意)扱い」になっているのですが、これは0号機の使用した兵器が遠距離攻撃用のものだったことから見ても、常にとびぬけてレリエルから遠い地点にいたからなのでしょう。
でもそうだとしても、0号機が撃ったのにネルフ本部にいた開発主任(金髪染め)が即座に「アスカ(2号機)、気をつけて!」と指示していたやりとりは不自然な感じがしますよね……こんな細かいポイントにも、なんとな~く開発主任と0号機専用パイロットとのかみ合わなさという伏線を仕掛けているスタッフ陣には頭が下がってしまいます……って、こりゃ邪推っすかね!?
ただ、ここで見逃せないのは、レリエルが単純に「攻撃した相手に反撃する」というだけの行動原理で動く使徒なのではない、ということですよね。それだったのならば、レリエルが初号機のあとに襲ったのは0号機であったはずなのですが、実際にはまったく攻撃をしかけていない近場の2号機を標的にしていたわけなのです。しかも、まだレリエルに接触できていなかった時点での2号機を!
つまり、レリエルは最初っから、ビルの陰に隠れているとかなんとかいうことはいっさい関係なく、エヴァンゲリオン3機の位置を完全に把握しておきながら、そ知らぬ顔(顔ないけど)でふよふよ散歩を続けていた、ということになるのです。ネルフ側の混乱をねらって!
レリエル……恐ろしい子! 前回の第11使徒イロウルのエヴァンゲリオンの無視っぷりもそうとうに恐ろしいものがありましたが、今回のレリエルはそれとは正反対に、「エヴァンゲリオンだけに的をしぼっている使徒」だったのです!
「はっはっは。使徒をそんなに怒らせるものじゃあありませんよ。それじゃあ、今日はここでひと休みさせていただくことにしましょうか。本来ならば住む場所ではないこういった高層ビル街でキャンプするのも、たまにはいいものですねぇ~。」
ともあれ、ネルフ本部側はたった「1分30秒ほど」の作戦で、レリエルに第3新東京市市街地を占拠されたうえに初号機を文字通り「失う」という史上最大級の大敗を喫してしまいました。これが怪しい総司令の不在時に発生しちゃったもんなんですから、作戦指揮官にのしかかる責任問題は回避不可能かしら!?
そもそも、今回の大敗の原因はどこにあるのかと考えてみますと、そりゃもう自軍の準備もできていない段階で、しかも被害の拡大する可能性の高い市街地でレリエルとの戦闘を開始させてしまった初号機専用パイロットの「独断専行・作戦無視」に最大の責任があるわけなのでしょうが、作戦会議からのネルフ側の一連のやりとりをよくよく見てみますと、具体的に「どうやっておとりとしての役目を果たすのか」というところを全然はっきりさせなかった、かつ、最近めずらしく調子に乗っている初号機専用パイロットがおとりになることを最終的に承認してしまった作戦指揮官のぼんやりっぷりがいちばん悪いような気がするんですが……どうでしょうか。少なくとも劇中では「撃つな」とは言ってないんですよね。だからこそ、一向に使徒らしいことをしてこないレリエルに初号機専用パイロットが「ちょっと撃ってみっか。」と考えてしまったとも言えるのではないでしょうか。ここらへんは直接的な失態は演じていないものの、やっぱり「なにもしていないことこそが最大の失策」という監督ミスなんじゃあなかろうかと。ついこの前まで、頭がどうかしているとしか思えない『ウルトラマンタロウ』の防衛チーム「ZAT(ザット)」もはだしで逃げ出す根性至上主義的な超デンジャラス作戦をバンバン連発していた作戦指揮官とは思えない「存在感のなさ」でした。
ただしここには、なんの予兆もなしにレリエルが第3新東京市のど真ん中に出現したからという準備の足りなさもあったのでしょうが、それよりももっと深刻なものとして、最近になってヨリを戻した2号機専用パイロット保護者代理のおじさんが日本政府のスパイであるという衝撃的事実が明らかとなり、さらにその彼から、自分の所属しているネルフという組織がいかに正体不明で秘密の多い、信用しがたいブラック企業であるのかを語られていた彼女の、今までどおりとはいきがたい心理的大混乱が大きく影響していたのではなかったのでしょうか。
一見すると2号機専用パイロットの凋落っぷりが表だってくる、今回の対第12使徒レリエル戦以降の『新世紀エヴァンゲリオン』なのですが、それとほぼ同時進行で典型的な陽性キャラクターだったはずの作戦指揮官がどんどん疑心暗鬼におちいりシリアスになっていくというシフトも見逃せないものがあります。とにかく、あらゆる方面で「たった1ヶ月前」までのあの日々が懐かしく思えてきてしまう作品の変質が無情に始まっていってしまうのが『新世紀エヴァンゲリオン』後半戦の恐ろしさであり、魅力でもあるのです。前半戦の能天気な空気は、もうかえらない……
さて、いつもどおり普通に過ぎていこうとしていた、ある晴れた日のお昼にあっという間に発生してしまった第12使徒レリエルの第3新東京市侵攻だったのですが、レリエルは初号機を地面の暗黒空間に吸収して以降は具体的な活動をいっさい停止してしまい、少なくとも地球人類を絶滅させる「サードインパクト」を誘発するようなアクションは起こさなくなってしまうのです。最初に出現した段階でも逃げまどう住民を尻目にの~んびり空中散歩を楽しんでいたし、今回の使徒は今までの使徒たちにあまねくあった「ガッツキ感」がまるでありません。まぁ、寝ている間に攻撃されてしまった第8使徒サンダルフォン(幼生)は完全な受け身対応だったから例外でしたけど。
同じように「空中に浮かぶモノっぽい形状の使徒」としては、レリエル同様に第3新東京市に侵攻してきて人類側の大ピンチをまねいた、あの第5使徒ラミエルが連想されるのですが、そのインパクトの与えかたが「ビームとドリルの超体育会系型」であるラミエルと「邪魔な物は静かにゴミ箱にほうむりさるコワい文科系型」であるレリエルとではまるで違うんですよね! どっちが強敵かって……どっちとも戦いたくないわ!!
だいたい、空中の巨大な白黒球体の直下にある漆黒の空間があらゆる物体を吸収してしまうらしい、というレリエルの攻撃方法はわかってきたのですが、それがどう駆使されたら第3新東京市の地下8~9キロまで到達してサードインパクトをぶちかます手段に応用されていくのか?という部分が、今のところははっきりしていないのです。
レリエル……何もかもが未知数、新展開な使徒です。これにたいしてネルフはどういう手を打つべきなのか!?
ネルフは……とにかく様子見!! 結局のところ、前回に番組タイトルになっているエヴァンゲリオン3機をさしおいて第11使徒イロウルを殲滅してしまった美しき開発主任(泣きボクロ)がレリエルの性質を解析して対応策を立案する深夜すぎまで、待ちの一手に徹してしまうのでありました。
地球人類の命運をになう秘密特務機関としてはあまりにパッとしない時間の過ごし方だったわけですが、これに、不在でどこかに行っているらしい怪しい総司令と枯れた副司令のコンビがどういう指示を下したのか、または下さなかったのかは劇中ではまったく描写されていません。この不可解な出向がどういう内容だったのかについてはこれ以降も全然ふれられていないし……ホントになんでいなくなってたんでしょうか、このお2人? 息子さん、連絡とれなくなってますよ~!
これまでの物語の中でも再三語られているように、巨大兵器エヴァンゲリオンは専用の電源ケーブルである「アンビリカルケーブル」を通した電力エネルギーの供給がなければ、自身の内蔵している予備電源で「1分間」しか活動することができません。そのために、今回の作戦で黒い空間に取り込まれた部分から先のケーブルが「初号機ごとどこかに消えて」断線してしまったことから、もし初号機がレリエルの用意したどこかの別空間にすっ飛ばされているだけなのだとしても、あっという間に反撃するパワーを失い機動停止してしまっているであろうことは明らかです。じゃあ、中の専用パイロットはどうなってしまうのか!? 座して死を待つのみ?
ところが開発主任の弁によると、
「内蔵電源に残された量はわずかだけど、シンジ君(初号機専用パイロットのこと)が闇雲にエヴァを動かさず、生命維持モードで耐えることができれば、16時間は生きていられるわ。」
という状況になっているのだそうで、要するに最大限で翌日の未明5時ごろまでパイロットが生存することは可能なようです。つまり、動かせなくても、そのくらいの時間までエヴァンゲリオンはパイロットの「シェルター」ほどの役には立つ、ということなのです。にしても、このときの開発主任の冷たすぎるしゃべりかたといったら、もう! 作戦指揮官のせいでみすみす初号機を失ったことによっぽど腹を立てているのでしょうか。
さて、その初号機が消失してしまったレリエルの暗黒空間なのですが、白黒球体の直下地点を中心とする直径680m の真円地帯にかつてあったはずの高層ビルだの道路だの放置された車両だのガードレールだのといったもろもろの人工物・自然物はまるごとかき消えてしまっており、未来的な大都市の中心にぽっかり真っ黒な湖ができてしまったかのような不気味な虚無空間が出現してしまいました。
どうでもいいことかもしれませんが、真円地帯の比較的外側にあるビル群は全体の何分の一かを沈ませた状態で斜めにかたむいたまま浮かんでいる状態のものもあり、この空間がなんでも自動的に飲み込んでしまうのではなく、明確にレリエルの意志で広がったりストップさせたりという調節が可能なものなのであることが推測できます。便利ですね~!
「やぁ、今日はまた、茜色のステキな夕暮れですね……建ちならぶビル街も、その向こうに広がる箱根の山々もすべてが同じ色合いに染まっています。まさしく、私たちの社会と大自然とが一体になるかけがえのない瞬間です。こういうひとときに、家族とベランダで集まりながらちょっと早めにいただいちゃう生ビールの味といったらもう……一日の疲れなんかいっきに吹き飛んじゃいますよね!」
そんなことを悠長につぶやいていてもおかしくないレリエルの泰然自若としたたたずまいなのですが、そんな中でなすすべもなく日が暮れていき、日没の直後には「ネルフの骨は拾ってやる。」といわんばかりに国連軍の地上部隊が第3新東京市に配備されるという事態になっていました。つったって、まぁレリエルの相手になるとは思えないですけど。
その後、深夜になった段階でのネルフの作戦立て直し会議で開発主任が発表した内容はかなり深刻なものでした。
作戦 「じゃあ、あの『影』の部分が使徒の本体なわけ!?」
開発 「そう。直径680メートル、厚さ3ナノメートル(=10億分の3メートル)のね。その極薄の空間を内向きの A.T.フィールドで支え、内部は『ディラックの海』と呼ばれる虚数空間。たぶん……別の宇宙につながってるんじゃないかしら?」
作戦 「あの球体は?」
開発 「本体の虚数回路が閉じれば消えてしまう。上空の物体こそ、影にすぎないわ。」
作戦 「初号機を取り込んだ黒い影が目標か……」
2 「そんなの、どうしようもないじゃん……」
つまり、昼間に第3新東京市の上空に出現してエヴァンゲリオンを翻弄した謎の白黒球体は完全なフェイクであり、地面に広がっている黒い暗黒空間こそがレリエルそのものだったのだ!! これぞまさしく2次元キャラ! ど根性ガエルか!?
「さぁ、こんなわけで私は紫色のやつを人質にとったわけなんですが、ほっといても明日の夜明けには彼は死んでしまうんですよねぇ。これにたいして、果たして人類のみなさんはどういった手をうってくるのでしょうか。なんかこう、わくわくしてきますねぇ!
そして、次第に明らかになってくる、わたくしレリエルのおそるべき『第2の攻撃方法』とは? 興奮と『いつまで続くんだ』というロマンティックあきれモードが満載のつづきは、また次回でございます。
それではみなさん、どうぞ、くれぐれもインフルエンザにはお気をつけて、すこやかなアーバンライフをお送りくださいませ。第12使徒レリエルでした~。」
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