私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

コツバメ Callophrys ferrea :宅緩便

2024-05-07 16:04:09 | チョウ・ガの仲間
2024年5月7日(火)

コツバメ Callophrys ferrea

20240416  前翅長12mmほど

年に一度、早春にだけ現れるシジミチョウ科の蝶
小雨の降る午前中、ピュンとすばやく飛んでスッととまる地味な蝶だ。
翅の表面はスカイブルーだったりしてきれいなのに・・・
開こうとしない。

例えば、コンクリートの路上にとまると

どこにいるかすぐにはわからない。

例えば、枯葉の上でもわからない。

気付かずに近づくとすばしこく飛んで逃げるからややこしいヤツだ。

そして、観察してるととまった後ジワ~ッと横たわるのだ。
太陽の光で体温を上げたいのなら他のシジミチョウみたく翅を広げてとまってくれればいいのに・・・

まるで、稀にいるであろう少し運んではすぐサボる宅配便みたいなヤツだ。


ま、私もそうなのである。
お世話になった横島漁港の底引き網漁の龍神丸さんへ感謝の意を込めて
購入した『びんごの自然誌 第3号』を手に、今日漁協へと出かけたのだが・・・

・本当ならGW前に届けられたはずなのに
・ピュッと急いで届けりゃいいのに、図書館に寄ったり、ため池覗いたり
宅急便ならぬ宅緩便なのでありました。

トラフシジミ春型 Rapala arata:広島県希少生物保護シンポに添えて

2024-04-19 09:58:12 | チョウ・ガの仲間
2024年4月19日(金)

トラフシジミ春型 Rapala arata

20240418  前翅長20mmほど

日本全土に生息する濃茶色に白いストライプが入るシジミチョウ
今の時期に現れるのはストライプが鮮やかな春型だ
名の通り「虎斑」なのだが
どこか関西方面の虎関連のプロ野球チームがかつてそうだったように
夏(型)になると、ストライプはすっかり弱くくすんで地味になる

葉の上で、クルクル回転し

後翅の橙色と小さくのびた突起も見せてくれたり

薄いコバルトブルーの翅の表面をひらいて示そうとしたり


ここまでと、思いとどまったり


幼虫時の食草は、この辺だとフジやクズ・ウツギらしい
だから、確かに時期を外さなきゃ割と簡単にみられるのだろう

ただし、小さいからね
視ようと観ようとしなくちゃ、見ることはできないと思う

例えば、公園の駐車場のコンクリートにもいたり


掃き寄せられた落ち葉の上にもいたりするもの


なんか、今回私に近づいてきたトラフシジミは、前脚先端の形だと全部メスっぽくて・・・
そうだろそうだろ、私はもてるのかもしれないっ!

さておき、このシジミと同じ今の時期にきれいな婚姻色をみせる小さなタナゴが
私の町にはかろうじて生き延びていて・・・

友人・知人たちは、繁殖と種の保存のためにやっきになっている

そんな状況を「氷見のイタセンパラの保護活動」とともに、下記のシンポジウムで報告してくれるという


先着100名の無料配布の下敷きは、誰かほかの人にゆずるとして
少しでもお手伝いできるよう早めに出かけたい。

クモガタヒョウモン Nephargynnis anadyomene ♀:田んぼの生き物調査前のこと

2023-10-28 17:15:09 | チョウ・ガの仲間
2023年10月28日(土)

クモガタヒョウモン Nephargynnis anadyomene

20231026    前翅長40mmほど

この日、とある田んぼの希少生物の生息調査に参加。
大型コンバインによる稲刈りが始まる前のすき間時間で周辺を散策した。
以前訪ねたとき出会ったオオウラギンスジヒョウモンや〇〇トンボ(まだ名前は書けない)など、観察してみたかったから。

〇〇トンボには出会えないまま・・・
と、大型のヒョウモンチョウが笹の葉にひらひら停まったっ!
てっきりオオウラギンスジヒョウモンだと思い、撮影をして・・・


なかなか翅を広げないから、この1枚だけ。


調査も始まる。
ボランティアで参加してるのにさぼるのは良くない。
とりあえず、出会ったことは忘れ調査に集中。

いつものように帰宅後調べてみた。


で囲んだ前翅先端付近の白点は
オオウラギンスジヒョウモンやウラギンスジヒョウモンでもみられるメスの特徴らしい。
ところが、で囲んだ後翅の白斑が
下へ延びないまま途切れてて、もやもやした模様になってしまってる。

「変なオオウラギンスジヒョウモンやなあ・・・」とあきらめつつ、複数の図鑑をめくったら
ポケット図鑑『日本の昆虫1400』にヒョウモンチョウ類の識別がきっちりのっていて
名前もろくすっぽ知らなかった「クモガタヒョウモン」じゃないかな?と思った次第。
盛夏には仮眠して、秋になると再び吸蜜活動をはじめるらしい。

コイツは翅もすっかりボロボロになってて、まさに季語の『秋の蝶』状態。

こうして、調査のことも書かず、しばらく保護活動に学ぶ旅に出てたことも書かず、その前にたまってる膨大な生き物記録も書かず、ていたらくの日々。


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ヒョウモンモドキ Melitaea scotosia :雌雄と蛹

2023-08-07 10:57:08 | チョウ・ガの仲間
2023年8月7日(月)

ヒョウモンモドキ Melitaea scotosia メス

20230616 

いわゆる「~ヒョウモン」蝶と比べ、小さく、飛び方も低空飛行で弱々しく感じる。
かつては、中部地方と中国地方と2つ生息地があったが、今では広島県の三原市と世羅町の保護地域とその周辺だけ。
環境省レッドデータブック:絶滅危惧IA類
種の保存法指定種
なのだ。
だから、もちろん捕獲も飼育も禁止、犯罪だ。

世羅町への用事ついでに『せら夢公園』へ何度か足を運んでた5月以来の話。
旧知の職員さんにビニルハウス内での保護・繁殖活動の様子を少し見せていただいた。
食草のキセルアザミをニホンジカの食害から守るため集めてプランター栽培しておく。

20230518
不足の年は、地域のボランティアがアザミを集めてきたりもするそうだ。

すっかりゼブラ模様の蛹になっていた。


幼虫の中には、白い網戸で蛹になるあわてんぼう(光走性のため?)もいて

その場合、網戸の一部を切り取り、プランターの小枝へ。
なるほど!網戸はつぎはぎすればいい!

羽化し、外へ出たがってるオスもいた。

が、羽化した多くのヒョウモンモドキたちは交尾し、キセルアザミへ産卵行動をしていた。

そして、繁殖行動にひと段落着いたと思われる個体は少し、自然観察園へと「放蝶」される。
「見に来てくれた運のいい方々へのごほうびです!」と職員さんは満面の笑顔だ。

6月に訪ねたとき、マアザミに翅がボロボロになった個体をみつけた。


何度も翅の開閉を繰り返し、近づいてもまったく逃げようともしない。


メスだろうと思うものの、どっち側に回っても、きっちり判別できる肝心の斑点のところが破れてたり、鱗粉がはがれてたり・・・


自然観察園をぐるりと散策し、いろんな生き物たちと出会った登り道で
じっと撮影されてる若い娘さんの姿をみつけ、近寄った。

今度は、翅の痛んでないきれいな2頭目だ。
「おとなしいんです!さっきから動かず撮らせてくれて・・・、私、初めて会えて嬉しくてドキドキして・・・」

職員さんの思いが気持ちよく受け止められてるじゃないかっ!

ただ、平日の自然観察園はがらんとしてて、夏のサギソウのときのような賑わいはまったくない。
足を運ぶ価値は、サギソウよりもはるかにあると思うのだけど・・・


私は、幸運なのだろうか?
昨年はオスに出会えた。



20220601

オスはメスに比べ鮮やかで
後翅裏側ので囲んだ斑点が、オスは橙色・メスは黒色。


アザミ類は、放置すると単子葉植物におおわれ繁茂しなくなる。
かといって草刈りの時期を誤るとアザミ類の成長もダメになる。
シカの食害もあり、他の力強いヒョウモンチョウたちとの競争にも負ける。
田畑などの開発や農薬など、人為的な影響はもちろん多大であり、放棄され荒地となってる課題もある。
マニアによる採集圧が拍車をかけた時代もあった。
かくして、かつて日本各地に普通に見られたヒョウモンモドキ族も全種絶滅へと追いやられてる。
人の手で保護・繁殖の管理をしていかねば種の維持ができないのは、淡水魚でいえば『タナゴ類』と似たようなもんだ。

諸事情をふまえれば、しょせんいずれは絶滅の運命にある命なのかもしれない。
が、一年でも長く延命・繁殖させ、自然復帰できるものならば、と願う。

きれいごとのように思われるかもしれないが、きれいごととは理想でもある。
理想を胸に抱くことなく現実を憂いているのなら、それはただの『愚痴』だ、と私は思う。

「たまに早秋に2回目の羽化をする個体もいるんですよ。また、会いに来てください」と職員さんは笑顔で言った。
その笑顔は、他の自然保護活動にかかわってる方々と共通するあきらめない笑顔だ。

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ゴマダラチョウ Hestina persimilis 夏型:早朝散歩にて

2023-08-03 16:52:44 | チョウ・ガの仲間
2023年8月3日(水)

ゴマダラチョウ Hestina persimilis 夏型

20230803   50mmほど

朝飯前のご近所裏山散歩。
午前7時でも30℃近いし、諸事情もあるし、今しばらく自由に散歩できるのは早朝。
早朝でも汗はだらだら、生き物もセミの声ばかり。

桜の枯れ木のカワウソタケに集まってたモンキゴミムシダマシをほじくる。

相変わらずかわいいデザインなのになと思いつつ、コイツも動きがにぶい。

特に目新しい生き物に出会えないままの帰り道、シオカラトンボのメスを撮る。

コイツも逃げない。

と、そのとき足元に降りてきて

2度ほどシャッターをきったらサッサと飛んでったのがゴマダラチョウ。

何度も見かけてはいたものの、ご近所に樹液を出してる広葉樹をみつけられず、飛んでるのをいつも撮り逃がしてた蝶。
コイツも翅を全開してくれればと思いつつ、とりあえずうれしい。

この「白黒はっきりつけましょう!」というデザインは好みだ。
特に、夏型は黒味が強くくっきりしてていい。

和風っぽいデザインだと思うけど、東アジアに広く分布するそうだ。
国内ほぼ全土の平地から山地まで広く生息してる。
タテハチョウ科コムラサキ亜科の大型の蝶。
幼虫の食草はエノキの葉。

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