私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

スジボソヤマキチョウ Gonepteryx aspasia niphonica:一蝶一会

2022-10-23 09:09:57 | チョウ・ガの仲間
2022年10月23日(日)

スジボソヤマキチョウ Gonepteryx aspasia niphonica

20221019

渓流沿いの山道を散歩中、神社奥の野草地にとまっていた。
いつも見るキタキチョウにしては淡く、少し大きいし・・・
キタキチョウ


モンキチョウにしては翅端が黒くないし・・・
と、近づこうと踏み込むのも失礼な話だし・・・

遠くからズームをかけて撮影したら・・・

前翅の端がとがってて、「あ、まだ書いたことのないヤマキチョウだ!」と思った。

帰宅後調べてみたら、ヤマキチョウは西日本に生息してないどころか東日本でも分布は限られていて
コイツは、「スジボソヤマキチョウ」という和名だったのだと、初めて気づいた。

紀伊半島以外の本州や四国・九州の山地に分布するそうだ。
が、九州ではほぼ絶滅に近く、中国地方も広島・岡山を除いてレッドリストにあげられていた。

この頃気温も下がってきていて、コイツも越冬前なのかヨロヨロと飛んでいた。
近づけたらなあ・・・でも私有地だし罰が当たるのも嫌だしなあ・・・

クロコノマチョウ Melanitis phedima 幼虫:バイキンマン!

2022-09-16 17:43:25 | チョウ・ガの仲間
2022年9月16日(金)

クロコノマチョウ Melanitis phedima 幼虫

20220915 20mmほど

昨日も渓流沿いの散歩。
ハチやクモ、産卵終えてイラクサに落ちてきていたハイイロチョッキリなど撮影しながら
エノコログサの葉にコイツがいて


「蛾の幼虫だろうし、あまり撮る気も起きないしなあ」と・・・

一応、記録だからと撮ってみたら・・・

「な、なんだ? この頭は?」てなことに・・・


まるでバイキンマンの頭とそっくりじゃないか!

帰宅後、蛾の幼虫を手元の『幼虫図鑑』で調べるもヒットせず・・・
仕方がないので、「黒 頭 ウサギ 幼虫」などを入れ、ネット検索。

あ~「クロコノマチョウ」だったのか!
南方系だったのが、温暖化の影響からか次第に本州北部まで分布を拡大しつつある蝶だ。

蝶だもの、蛾でヒットするわけないか。

それにしても、この目立つ頭は何の意味があるのだろう?
胴部は食草としている単子葉植物の色にあわせているのになあ?

調べてみてもわからない。
わかったのは、黒い頭部にはいろんな模様があるらしいこと。
あ~、近くにたくさんいたから、頭部だけでももっと撮っておけばよかったなあ。

カキバトモエ Hypopyra vespertilio:ミヤマクワガタを添えて

2022-08-23 18:09:45 | チョウ・ガの仲間
2022年8月23日(火)

カキバトモエ Hypopyra vespertilio

20220630

6月下旬の夜散歩のとき、ミヤマクワガタの横にいた。
ミヤマクワガタなら子どもの頃から馴染みの虫なので、まあよしとして・・・
この何となく地味な色のくちびる型の蛾は何なんだ?
と、何枚か撮影した。


頭部がよく見える角度からも


横からも

とても鮮やかなオレンジ色になってる翅の裏と体色に驚いた!

眼も大きくて、じっくり見れば可愛らしい。

どうやら吻を伸ばして、樹液を吸っているみたいだ。

帰宅後、いつものように調べてみて、その和名に納得!
「カキバトモエ」(柿葉巴)というのは、柿の葉が紅葉した様になぞらえたんだろうね、きっと。
また、翅の表側がとても柿の葉には思えない「渋い色」なのは、天敵からのカムフラージュの役割をしているんだろうね。
何となくやんちゃな学ランを着ているように見えることにも「親しみ」を感じるな。

サカハチチョウ Araschnia burejana :季節型

2022-08-15 17:12:47 | チョウ・ガの仲間
2022年8月15日(月)

サカハチチョウ Araschnia burejana 春型

20220517 翅長40mmほど

日本全土に分布する。
タテハチョウ科にしては小さな蝶だ。
美しいデザインだ。

5月中旬、カワガラスを観察しようと渓流沿いの県道を散歩中
ウツギの花にたくさんのテングチョウがやってきてて、その中に1頭混じってた。


落ち着きのない吸蜜行動で


飛び回るし回転するし


翅の裏側を撮影しようと


やっと撮れたのがコレ


何せカワガラスを観察しようと川沿いを歩くのが目的だから、そうそうかまってもいられない。

帰宅後も『日付・サカハチチョウ』とだけ記録していた。

ところがある日、私のブログに来てくださる方々の日々のランキングに👇
「やまごん」探索隊?後編:岩屋権現&サカハチチョウ
という2年前の過去記事が入ってて、懐かしさから見直してみたら・・・

20200923
「翅の模様が全然違うやんっ!」てなことに。

2年前、サカハチチョウを撮影した時のことはしっかり覚えてるのに
そのとき『夏型』とまで調べていることは、すっかり忘れてた。
この春出会ったのは、ブログ初登場の『春型』だったとは・・・

あらためて並べてみると

蝶でよく見られる季節型変異の中でも、サカハチチョウの模様の変異は極めて目立つのにね。

春型は越冬蛹から羽化したもので、夏型(秋型も含む)は春型によって産卵され発生した個体たち。
この違いは、それらの個体の脳から分泌される『夏型ホルモン』によって生じるらしい。

アゲハモドキ Epicopeia hainesii

2022-08-01 17:20:27 | チョウ・ガの仲間
2022年8月1日(月)

アゲハモドキ Epicopeia hainesii

20220515

一見、クロアゲハの仲間のように見える。
が、分類上ではまったく異なる昼行性の蛾の仲間だ。

この日の散歩はラッキーで、オナガアゲハと前後するようにアゲハモドキにも会えた。

もう一度、オナガアゲハを載せて比べてみる。

どちらかと言えば、アゲハモドキの方がオナガアゲハより毒蝶のジャコウアゲハに似てる気がする。

腹部下部の赤い斑点なんかそっくり!
近縁なアゲハたちという種間関係で擬態が生じてきたこと以上に
蝶と蛾という科というレベルで擬態が生じていくという進化の過程は、もっと複雑なプロセスがあったのかもしれない。

例えば、イヌ科のAとネコ科のBがそっくりになっていく、なんてなことが進化の過程で起きた訳でしょ?

クロアゲハたちと違うのは触角で

櫛状(♂)や棒状(♀)になっている。
コイツはオスなのかもしれない。

アゲハに限らず蝶の触角は細い線状だよね。

その数週間後の夜散歩中、公園のトイレの照明近くでまた見つけて

20220630
コイツはメスっぽい。

トイレ内の白壁にもう1頭。

コイツはオスでよさそうだ。

昼行性の蛾といっても、正の光走性はコイツらの遺伝子に組み込まれてるんだろうなあ。
そこは、アゲハたち蝶との大きな違いなのかもしれない。