りんたろうのきときと日記

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DVD「ラストキング・オブ・スコットランド」観ました♪

2008年05月08日 00時07分39秒 | 映画(DVD)
☆「ラストキング・オブ・スコットランド」
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:フォレスト・ウィッテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン、ジリアン・アンダーソン、サイモン・マクバーニー、デヴィッド・オイェロウォ、アダム・コッツ


1970年代にウガンダで独裁政治を行い、多くの人々を虐殺し、「黒いヒトラー」「アフリカで最も血にまみれた独裁者」「人食い大統領」と称された悪名高きイディ・アミンと、彼に気に入られ側近となった青年医師が体験する恐怖を描いた作品。
独裁者アミンを演じるのは、「プラトーン」、「ゴースト・ドッグ」のフォレスト・ウィテカー。
この作品で、第64回(2006年度)ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)、第79回(2006年度)アカデミー賞主演男優賞を受賞。
アミンに気に入られたために、ウガンダから出ることができなくなり、恐怖を体験する青年医師ニコラスには、「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」のタムナスさん役、「つぐない」のジェームズ・マカヴォイ。
全米では2006年9月に4館で限定公開された後、2007年1月から495館に拡大公開され、最終的には540館にまで拡大されたそうです。

僕がアミンという人物をしったのは、小学生の時に公開された「アフリカ残酷物語 食人大統領」。
ショッキングでした(>_<)
当時は、「食人族」などカニバリズム作品が流行し、今観るとヤラセで作り物の嘘映画というのがバレバレですが、幼い僕は恐怖したものです(>_<)

このアミンという人物、1946年イギリス植民地軍の王立アフリカ小銃隊に炊事係として雇われ、193cmという巨漢を活かし、ボクシングではヘビー級チャンピオンとなり、部隊内の体育大会で活躍。
白人ばかりのウガンダラグビーチーム唯一の黒人選手として活躍し、植民地軍中尉にまで昇進。
ウガンダ独立後はミルトン・オボテに協力しムテサ2世を排除、軍参謀総長となり、イギリス連邦首脳会議でオボテが外遊中の1971年1月にクーデターで権力を掌握。
アドルフ・ヒトラーを崇拝したと言われ、1970年代のウガンダに独裁政治を敷き、オボテ支持派を弾圧。
アジア人、インド系移民を追放。
国民約30万人(40万人説もあり)を虐殺し、やがて自らの側近、肉親までも処刑。
1978年、自国の軍隊を軍事訓練を行うふりをして隣国タンザニアに侵攻させるが失敗。
逆にタンザニアの共産主義政権相手に敗北し首都のカンパラまで攻め込まれ、1979年、反体制派のウガンダ民族解放戦線に攻撃されて失脚。
その後、リビア経由でサウジアラビアへ亡命し、2003年8月16日、亡命先のサウジアラビア、ジッダの病院で、多臓器不全による合併症で死去。

余談ですが、ボクシングのヘビー級チャンピオンになった経歴から、アントニオ猪木との異種格闘技戦の計画が浮上したことがあり、アミンは1979年1月にこの猪木戦を承諾したが、結局は、反体制派クーデターの影響でお流れになったそうです(ホントかよ?(笑))。

作中ではアミンの独裁者ぶりが、リアルに描かれています。
少しのミスも許さず、気に入らなければ従兄弟などの肉親でも処刑。
さすがに人肉を食べるシーンはありませんが、ニコラスと浮気をし、子供を身篭り、堕胎した妻の首を刎ねてしまう容赦の無さ。
囚われの身となり、アミンに怯えるニコラスの恐怖感が凄くよく伝わってきて、観ているこっちも息が詰まるほど。
ラストの脱出シーンは緊迫感あり、ハラハラドキドキ。

このアミンの独裁政治と虐殺が行われたのは、大昔ではなく、ほんの30数年前の出来事であり、今現在独裁国家というのは世界にあるわけで。
ありきたりですが、ホント、日本に生まれて良かった(>_<)