私のピアノ人生を振り返ってみると、いくつかの転機がありました。
エレーナ・アシュケナージ先生との出会いもその一つです。
エレーナ先生は、かの有名なアシュケナージの実の妹さんです。
日本ではあまり演奏家として知られていないところがありますが、
ロシア国内ではその演奏、実力は高く評価されています。
過去、お兄さんのアシュケナージが亡命してしまったために、あまりロシア国外に出ることを許されず、演奏家としては不遇な時期があったそうで・・・・。
そんな経緯が無ければ、お兄さんと共にもっと世界で有名な演奏家となっていたのかもしれません。
今でも十分すごいんですけどね
初めてエレーナ先生に教えていただくと決まった時は、それはそれは天にも昇るような気持ちで、すっかり未来はバラ色状態になっていました。
間違いなくエレーナ先生は、私に「世界」を教えてくれた先生です。
その違いたるや、それはそれはもう・・・・!!
圧倒的な音楽性とテクニック。
まねしようと思っても、猿真似にすらならないんですから。
5年ほど教えていただきましたが、言葉の壁もありましたし、自分のピアノについて本当に悩みました。
本荘玲子先生との出会いがなければ、多分、私は今ピアノを弾けなくなってたと思いますね。
先生は演奏家として超一流ですが、人間的にも超一流なんです。
本荘先生にみていただくようになってそろそろ10年。
自分の練習ができているのなら、毎日でも曲を変えてレッスンに行きたい。
よく「まだレッスンに通っているの?」と驚かれますが、そうなんです。
私はできるだけレッスンを受けるようにしています。
「音楽家として自立ができていない」と言われるかもしれませんが、まぁ、
それはそれで。
私はそんなに自信がありません。
そのくらいの実力があったら、今頃世界を飛び回るピアニストになっていると思ってます。
先生がお亡くなりになったり、ご縁が無くなったり・・・。
いろいろありますが、私は幸せなことに、まだまだ教わりたい先生が近くにいます。
そして学生の頃以上の勉強ができる・・・。
どうしてもっと昔に勉強しておかなかったんだろう!と悔しくなることだらけですが、それでも学べる幸せにはかなわない。
これから後悔をしないだけ、一生懸命音楽を勉強したいと思います。