最大規模の日米指揮所演習
アジアの緊張高める危険11~12月
過去最大規模の日米共同指揮所演習「ヤマサクラ81」が陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)で11月から12月にかけて予定され、大規模な臨時の建物の建設を計画していることが、4日までにわかりました。
ヤマサクラ81で指揮所に使用する建物と配電設備の建築・レンタル・解体業者を、横田基地(東京都)の米空軍第374契約中隊が募集。大阪府内の建設業者が9月21日に約1億6700万円で受注しました。
指揮所は臨時任務訓練複合施設(中央統制施設)として使用する幅9メートル2階建ての長さ64・8メートルと75メートルの2棟と、通行管理所として使用する1階建て2棟の計4棟です。納入・設置から解体・原状復旧までの事業期間は9月23日から来年1月31日まで。11月17日から12月23日のレンタル期間が準備・撤収を含む演習期間とみられます。
伊丹市平和委員会によると、同駐屯地での過去の演習でも、今回のような大規模な臨時建物を建設した例はないと言います。
同駐屯地や饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)などでは今年6月から7月にかけて、米軍の対中国作戦を想定した陸自と米陸軍の過去最大の実動演習「オリエント・シールド21―2」が実施されています。
演習を中止し、平和外交を
日本平和委員会の千坂純事務局長の話
今度の史上最大の日米共同統合指揮所演習は、30年ぶりの全陸自部隊が参加する史上最大の演習、米英3空母も参加した台湾周辺での6カ国演習への参加に続くものです。3月の日米安保協議委員会合意の「実践的な二国間及び多国間の演習及び訓練」強化の具体化です。対抗するように、中国、北朝鮮、ロシアの軍事活動が活発化しており、軍事対軍事の緊張の激化と戦争の危険を高めるだけです。日本がやるべきは、台湾問題の平和的解決、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築など、憲法に基づく平和外交です。演習の中止を求めます。
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【政界地獄耳】立憲民主党代表交代で野党共闘解消へ?
★落選した議員の部屋の片づけと、当選祝いのコチョウランが行きかう悲喜こもごもの議員会館で立憲民主党の議員に呼び止められる。代表選挙の受け止めを聞かれる。すると別の議員も「どう思うか」と探りを入れてくる。党代表・枝野幸男の辞任による代表選挙は国会議員に加え党員らが投票に参加する代表選挙戦を12月までに実施し執行部を刷新する。元来4年前、希望の党に排除された者たちで作った立憲民主党も所帯が大きくなることで、みんなの党や日本維新の会と同様、個人商店では組織が持たなくなる。結党からのこの4年間で分裂した国民民主党との再合流も曲がりなりにも実現したが、野党勢力の拡大を模索した枝野の政治手法では荷が重すぎたか。
★自著「枝野ビジョン」では「保守」を強くうたって保守層を取り込み、連合の嫌みに耐えながら共産党とも選挙協力を図るという動きを見せたが、そのプロセスは不透明で後ろ向きなものだった。何とか党勢拡大をと努力した。得票も伸びたし、部分的には共産党との選挙協力もうまくいった。しかし、09年の民主党政権時に当時の党代表・小沢一郎が仕掛けた共産党候補の出馬辞退作戦のように首尾よくは進まなかった。
★代表選挙は党政調会長・泉健太、旧自治官僚・小川淳也、元財務官僚・大串博志などの名前が取りざたされているが、今の執行部の幹部を含め立憲の主要議員は財政規律派が多い。古くは元財務相の藤井裕久、野田佳彦、野田政権の財務相・安住淳と幹部は民主党政権から引きずる消費税の3党合意順守派がいまだに党を牛耳る。「つまり党内の消費税減税派は党内非主流派で、れいわ新選組や共産党などの消費税減税政策と今後は政策を同じくすることはないだろう。自動的に野党共闘は解消の道を歩むのではないか」(立憲政策関係者)。また野党第1党は嫌な空気に包まれ始めた。(K)※敬称略