学術会議 政府に勧告
「改悪法案提出やめ議論を」
全会一致 総会で決定
日本学術会議は18日、17日に続いて東京都内で総会を開き、政府に対し、今国会への学術会議法改悪案の提出をとりやめ、開かれた議論の場を設けるべきだとする勧告を出すことを全会一致で決めました。
細かい字句の修正は、幹事会での議論を経て梶田隆章会長に一任。梶田会長は「勧告という形で表明する強い意思を、政府が真摯(しんし)に受け止めることを期待する」と述べました。
日本学術会議法は、学術会議は科学的な事柄について「政府に勧告することができる」と規定。政府に対して実現を強く勧めるもので、これまで学術会議が会員任命拒否問題や政府の法改悪方針をめぐって出してきた「声明」より強い意思の表出と位置付けられています。総会で決議した勧告を出すのは、18年ぶり。
総会では政府への勧告とあわせて、国民に向けた声明も議論し、出すことを決定。当事者である学術会議との真摯な対話を欠いたまま、政府が法改悪方針を突然示した問題や、学術の独立性の意義、法改悪への危惧を表明するもので、勧告と同じく、細かい修正は会長に一任されました。
内閣府が17日の総会で示した学術会議法改悪の条文案は、学術会議の会員・連携会員以外の第三者が会員選考に関与するために新設する「選考諮問委員会」の委員について、首相が議長を務める総合科学技術・イノベーション会議の議員と、日本学士院の院長と協議の上、学術会議会長が任命すると明記。さらに、法改正後3年と6年をめどに、組織のありかたを見直す法改正などを講じるとしており、会員からは、政府からの介入を危惧する声が多数あがっていました。
きょうの潮流
米公民権運動の指導者キング牧師が首都ワシントンのリンカーン記念堂前で「わたしには夢がある」と演説してから今年で60年です。公民権法はその翌年に制定されましたが社会正義のたたかいは今も続きます▼銃乱射事件のニュースが絶えない米国。銃規制を求めて人々が立ち上がるなか、逆流も。南部テネシー州では、3月末の小学校での銃乱射事件を受け、若者が州議会に詰めかけ銃規制強化を要求していました。そこで“事件”が起きました▼議場から住民とともに声を上げた民主党議員が、多数をとる共和党に懲罰動議にかけられ議席をはく奪されたのです。追放されたのが2人の若い黒人議員だったことから全米から批判が集中しました▼2人は選出区の行政機関から全会一致で暫定議員に任命され、ふたたび州議会に戻りました。議会に続く道を、多くの若者たちと歩いて議会に戻ったジャスティン・ジョーンズ議員(27)。「民衆の議会から人々の声を追放することはできない」と議場の第一声で語りました▼この復帰劇の直前、ジョーンズ議員は、フォーク歌手のジョーン・バエズさん(82)と空港で遭遇し、「われわれは打ち勝つ、いつの日か」と歌いました▼バエズさんと言えば、60年前のワシントンの大聴衆の前で「ウィ・シャル・オーバーカム(勝利を我らに)」を歌ったレジェンド。キング牧師の友人でした。「リスクを恐れない行動が社会を変える」―バエズさんは、未来をつくる若者たちに熱いエールを送りました。
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