ガッカリだろう。5泊7日の欧米歴訪を終え、15日に帰国した岸田首相。5月のG7広島サミットへ向け、外交成果による政権浮揚を期待したが、全くもって振るわなかった。読売新聞が外遊中の13~15日に実施した世論調査では、内閣支持率が39%と前回12月調査から変化なく横ばいだったのだ。
23日からの通常国会を控える中、今後も支持率回復は絶望的。自民党内の“問題3人衆”が、岸田首相の行く手を阻みかねないからだ。筆頭は細田博之衆院議長。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係について、これまで再三説明を求められながら全く応じず、いまだに問題がくすぶったまま。野党は徹底追及の構えを見せている。
「立憲の安住国対委員長は、細田さんについて『頬かむりしたまま何の説明もしてない』『逃げられると思ったら大きな間違い』と語るなど、追及する気満々になっている。旧統一教会の問題は昨年の臨時国会で被害者救済法が成立し、解散命令請求についても文科省が検討を重ねている状態で、下火になりつつある。ところが、細田議長については本人が説明から逃げ回っていて、まだまだ炎上する可能性が高い。春の統一地方選まで引っ張られると、自民は大打撃だろう」(永田町関係者)
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岸田批判を展開した菅前首相の思惑
2人目は月刊誌「文藝春秋」(2月号)のインタビューで、異例の岸田批判を展開した菅前首相だ。菅氏に近い自民党関係者はこう言う。
「菅先生は宴席でも軽率なことを言う人ではないので、考えがあって岸田総理に苦言を呈したはず。戦う気になっているのは間違いないだろう」
菅氏は岸田首相がブチ上げた「異次元の少子化対策」の財源について、「消費税増税は国民から理解されない」と発言。防衛増税についても「唐突だ」と批判していた。
折しも16日、防衛費倍増について増税以外の財源確保策を検討する特命委員会(委員長・萩生田政調会長)の役員会が開かれ、19日に初会合を開催することが決まった。今後、岸田首相にとって厄介な「増税反対派」が勢力を拡大させることも考えられる。
最後の問題人物は麻生副総裁だ。15日に講演で、「少子化の最大の原因は晩婚化」と発言し、ツイッターが〈少子化の最大の原因は貧困化だろうがボケ!〉〈自民のせいだろ〉と大炎上。完全に岸田首相の足を引っ張っている。
党内にこれだけの火ダネを抱える岸田首相。どれか1つでもハジケれば、立ち往生しかねない。
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