内閣改造後も、閣僚らと世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係や接点が次々と明らかになっている。岸田文雄首相は、教団との関係見直しを起用条件としたが、閣僚らの発言を聞く限り、関係断絶の意志は疑わしい。
閣僚十九人のうち八閣僚に教団との接点があったことが判明し、計五十四人の副大臣や政務官のうち二十人以上が関係を認めた。
首相が九月前半を想定していた内閣改造を前倒ししたのは、閣僚らと教団との不透明な関係により内閣支持率が下落したため、体制を刷新することが狙いだったが、完全に裏目に出た形だ。
首相は起用の打診に当たり、教団との関係を点検し、厳正に見直すことを条件とし、「了解した者のみ任命した」と説明した。
しかし、首相は教団との接点や関係のある者は閣僚らに起用すべきではなかった。改造後、教団との接点や関係が次々と明らかになるのは、首相の判断が甘かったからと指摘せざるを得ない。
高市早苗経済安全保障担当相は二〇〇一年、教団の関連団体「世界日報」発行の月刊誌上で対談したが、教団との関係を「知らなかった」と話した。事実なら政治家として資質が問われて当然だ。
豊田俊郎国土交通副大臣は一七年十月、教団のイベントに出席。教団総裁の名を挙げてあいさつしていたにもかかわらず、教団のイベントとは知らなかったと、事務所を通じて言い放った。
杉田水脈総務政務官に至っては一六年、教団との関連が指摘される施設で講演し、自身のツイッターには当時「統一教会の信者の方にご支援いただくのは何の問題もない」と投稿していた。
首相がこうした陣容で政治への信頼を回復できると考えるなら、国民を愚弄(ぐろう)するに等しい。
旧統一教会と政治との関係が再び問題視されるきっかけは、安倍晋三元首相への銃撃事件だが、安倍氏がビデオメッセージを送った教団の関連団体はソウルでの催しで安倍氏を追悼し、同氏との親密さを依然、アピールしている。
首相が自民党と教団との関係を断ち切るというなら、安倍政権の政策決定や政権運営に教団の影響力は及ばなかったのか、徹底的に検証することが先決だ。
それ抜きに安倍氏の歴史的評価は定まらず、安倍氏の国葬に疑問を抱く国民の理解は得られまい。⇔解散選挙しかない
旧統一教会系に会費6万円 自民萩生田氏、継続的な関係か
2022年8月17日 21時21分 (共同通信)
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