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★南海トラフ地震 30年以内の発生確率「70~80%」に疑義 再検討不可欠 根拠の地盤隆起は工事原因の可能性

2022年09月11日 13時21分43秒 | ●YAMACHANの雑記帳

南海トラフ地震 30年以内の発生確率「70~80%」に疑義 再検討不可欠 根拠の地盤隆起は工事原因の可能性

30年以内に南海トラフ沿いで巨大地震が発生する確率を「70〜80%」としている政府の地震調査委員会の地震予測を巡り、確率算出の根拠となっている高知県室戸市の室津港の地盤隆起の変化が、地震活動によるものではなく、江戸時代の港湾工事による可能性のあることが、本紙と東京電機大の橋本学特任教授(地震学)らの調査で分かった。(小沢慧一)

◆本紙と東京電機大特任教授ら調査、19日に学会で発表

 橋本特任教授(地震学)が19日に滋賀県で開催される日本自然災害学会で発表する。以前から南海トラフの30年確率には信ぴょう性を疑う声もあり、今後の議論に影響を与えそうだ。
 70〜80%という確率は1980年に島崎邦彦東京大名誉教授(地震学)らが提唱した「時間予測モデル」を使って算出され、次の地震を2030年代中ごろと予測している。このモデルは、地震により地面が大きく隆起すれば、それだけ地震のエネルギーが多く放出され、次の地震のエネルギーを蓄えるため長く時間がかかるという仮説だ。江戸―昭和初期の史料に記載された、室津港の隆起による海底の深さの変化の測量記録から、次の地震発生時期を予測している。
 ところが、室津港で江戸時代に毎年のように工事が繰り返されていたことが、本紙と橋本特任教授の文献調査で分かった。人工的に港の深さが変えられた可能性が強く、予測の基となるデータとして室津港の測量値は不適切な可能性が出てきた。

◆測量誤差考慮し計算すると確率は50%程度

 さらに、文献から、測量誤差が生じることが明確になった。文献には測量時期や測量地点など、詳細な記録はない。現代の観測では、室戸の潮位は大潮と小潮の時期で約50センチの差があるが、モデルではその差も考慮されていない。橋本特任教授が現在のモデルで誤差を考慮して試算すると30年確率は50%程度まで落ちた。
 橋本特任教授は「信ぴょう性が相当程度疑わしいことが明確になった。確率の再検討は不可欠だ」と指摘する。地震調査委員長の平田直東大名誉教授は「専門家の間でモデルを否定する意見が醸成されるのを待つ必要があり、今は見直しの予定はない」と話した。

南海トラフ地震30年確率問題 海溝沿いの地震予測は、相模トラフ沿いなど全国6カ所で発表されている。南海トラフはその中で唯一「時間予測モデル」という手法を使っており、高知県・室津港の隆起データから、70〜80%と算出している。他の地域のように、地震の発生間隔を平均した「単純平均モデル」を使うと20%程度に落ちる。2013年の地震調査委員会での南海トラフ確率策定時は、地震学者らが時間予測モデルの信ぴょう性を疑問視。「せめて20%という数値も両論併記で公表するべきだ」との案も出たが、防災の専門家らは「防災予算が下りなくなる」などと猛反発し、時間予測モデルが採用された。70〜80%になった。

◆南海トラフ地震予測に一石 備え必要は変わりなく

 地震調査委員会は時間予測モデルを、2013年の30年確率策定時に「信ぴょう性に疑問はある」としつつも「完全に否定できる学説はない」として、採用した。その後はモデルの適否を巡る議論はなく、今回の論文は、時間予測モデルを根拠とした南海トラフ地震予測に一石を投じる格好だ。
 時間予測モデルを使わない場合、確率は20%に落ちるが、この値も、いつ地震が起こってもおかしくない高い確率で、備えが必要なことに変わりはない。
 モデルには根拠を疑う意見があったが、高い確率を示して防災予算獲得を狙う声にかき消された。意図的に南海トラフの確率を高く見せて防災を促すことは、国民に正しい危機意識をもたせることにはならない。影響は他の地域にも出ている。
 2016年に熊本地震が起きた熊本県は、南海トラフ地震に比べて発生確率が低いと宣伝し、企業を誘致していた。確率が低く見える地域に油断が生まれ、被害を拡大させた可能性がある。北海道の被災地では「次は南海トラフだと思っていたのに不意打ちだ」と涙する人もいた。
 地震大国日本は、いつ、どこで地震があってもおかしくない。政府や専門家は確率の上下に振り回されず、科学的にどこまでのことが言えるのか議論を重ね、今の地震学の実力を示した上で丁寧な説明を続けない限り、「万が一」への備えとはならない。

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