徹底追及 統一協会
文化庁長官 集会参加
84年勝共連合主催・機関紙連載も
講演に「感銘」 教育勅語を肯定
作曲家の肩書をもつ文化庁長官の都倉俊一氏(75)が1984年、統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の政治組織「国際勝共連合」が開いた集会に参加していたことが5日、日本共産党の宮本岳志衆院議員の調査で判明しました。また都倉氏は同年に勝共連合の機関紙「思想新聞」で連載コラムを執筆し、統一協会が制定運動を推進していた国家機密法について述べていました。(統一協会取材班)
統一協会は、文部科学相が所轄する宗教法人。文化庁長官は文科相のもとで直接、宗教法人を所管する立場であり、都倉氏の説明責任が問われます。
宮本議員が確認した84年11月11日付「思想新聞」によると、同年10月30日に勝共連合の会員3万人を集めて日本武道館(東京都千代田区)で開かれた「世界の平和と安全を守る東京大会」に都倉氏が参加しました。
同大会は「共産主義に対する勝共連合の団結力」を示す目的で開催され、日本で統一協会の初代会長を務めた久保木亮光(修己)同連合総裁が講演しました。首相在任中の中曽根康弘氏や岸信介元首相、多数の国会議員から祝電が寄せられたと報じています。
紙面には「芸能界の来賓」として都倉氏のコメントが顔写真つきで紹介されていました。都倉氏は「こんなにも大きな規模で、これほどたくさんの支持者を集める大会になるとはね」と絶賛。久保木総裁の講演を振り返って「非常に感銘を受けましたよ。全く同感ですね。総裁のお話は実に説得力があると思う」と感想を述べています。
宮本議員の調査では、都倉氏が84年に「思想新聞」で連載コラムを執筆していたことも分かりました。
コラムは「都倉俊一の世相寸評」のタイトルで、同年9月から12月にかけて13回にわたって掲載されました。その中で都倉氏は、戦前戦中の天皇制のもとで「忠君愛国」の精神を子どもたちに植えつけた「教育勅語」について「守るべき徳目を列挙し、これを永久に変わらない道徳であるとしている」と肯定する持論を展開。スパイを防止するとして統一協会が制定運動を進めていた国家機密法について「あるのは当たり前」と述べています。
文化庁には宗教法人の認可などの実務を担う宗務課があり、長官は直接的に宗務行政を統括する立場です。同課は現在、統一協会の解散命令請求を判断するための調査を担当しています。
都倉氏は菅義偉政権の2021年4月から長官を務めていますが、統一協会との関係は明らかにしていませんでした。
統一協会の被害者救済に取り組む阿部克臣弁護士は「87年には霊感商法の被害額がピークの163億9826万円になり、大きな社会問題になっていた。本人が統一協会の反社会的な実態を認識していなかったとしても、広告塔として利用された可能性がある」と指摘します。
本紙は文化庁に都倉氏への質問状を送りましたが、期限までに回答はありませんでした。
宮本岳志衆院議員の話 国際勝共連合が開いた集会への参加や統一協会の開祖・文鮮明の名も出ている「思想新聞」でのコラム執筆は、都倉氏が協会側と深い関係を持っていたことが疑われます。自ら申告するのが当然であり、文化庁長官としての立場が厳しく問われます。
「死の商人国家」 絶対許さない!!
総がかり実行委など 武器輸出解禁に反対 官邸前
総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクションは5日夜、首相官邸前で、殺傷能力のある武器輸出解禁に反対する行動に取り組みました。集まった150人(主催者発表)が、「戦争をあおるな!」「憲法は戦争が残した平和への羅針盤」などと書かれたプラカードを掲げ、首相官邸に向けて「殺傷武器を輸出するな」「改憲軍拡増税反対」と声をあげました。
総がかり行動実行委員会の小田川義和共同代表(憲法共同センター共同代表)が主催者あいさつ。憲法9条の下で「死の商人」企業が存在する余地はないと強調。「軍需産業を輸出産業にしようとする政府の意図がみえる。日常に忍び寄る戦争の影に抗議の声をあげ続けよう」と訴えました。日本国際ボランティアセンターの今井高樹代表理事は、日本が途上国支援における非軍事の原則をかなぐり捨てようとしていると指摘。「『同志国』に武器を供与するというが、それは対中国包囲網に他ならない」と語りました。
「安保法制の廃止を目指す中野アピール実行委員会」の松井奈穂さんは「中野駅前での月2回の行動を8年間続けてきた。小さくても地道に声をあげ続けよう」と話しました。
日本共産党の山添拓参院議員、立憲民主党、社民党の代表があいさつ。参院会派「沖縄の風」からメッセージが寄せられました。山添氏は、「死の商人国家への堕落を止めさせよう」と訴えました。
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