被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
その時、私は東京湾内に突き出た埋立地の最先端におり、
震源地はこの地なのだと思っておりました。
2週間が経過した今、その日の体験を忘れず、次に備え
なければと思います。被災された皆さんのため、自分に
出来る支援を、“継続し続けること”も忘れません。
私の場合とにかく、常に車のキーは身に付けておこうと
思います。“津波が来るから逃げろ!”となって、そこ
に車はあるのに、キーは3階のオフィスのデスク上では、
話にならないですものね。
その時、
オフィスAの3階、自分のデスクで執務中だった。
いつもより大きい揺れを感じ、周囲の男性がヘルメット
をかぶり始めた。私も足元に常備しているそれを取り出
しかぶった。更に揺れがひどくなり、デスクの下にもぐ
った。訓練のときには頭しか入らないのに、このときは
楽に全身が入った。床に手とヒザを付き、床が抜け落ち
ないことを祈った。どんどん揺れがひどくなり、デスク
の内側でシェイクされ、頭のヘルメットがガチガチ鳴っ
た。
そんな中、野球部の応援団でドラム担当のSさんが、
NOヘルでデスク前に立ち、『大丈夫だよ、大丈夫だよー、
もう終わるぞ、終わるな・・・』とおどけていた。
※(後日談)『だってヘルメット無かったし、机の下に
閉じ込められたら動けないだろ。』
長い揺れが納まり、デスク下から這い出した。
※140秒の揺れだったそうです。
パソコンは、見たことのないエラー画面になっていた。
私の背中方向ではBaiちゃんが、せっせとデスク上の
整理整頓をしていた。
大勢いた人々が何をしていたか、まったく思い出せない。
誰の声も聞こえなかった。誘導者はいなかったと思う。
私は自分のデスクから私物の小バックを取りだし、外に
出ることにした。オフィスの入り口から振り向くと、
Baiちゃんはまだデスクを整理していた。
※『入れたばかりのコーヒーがカップごと唐黷スんで
すぅ。』Bai
『私のはカップごとゴミ箱に落下したんです!』
byりさこ
廊下のスチール棚が唐黷トいた。
その手前の階段を急いで下りた。
正面玄関から表に出ると、ビル清曹フ3名がすでに避難
していた。驚きをわめきあってから、6KRと3・4
SK上の空の状態をみてアゼンとなった。白かったか
黒かったか茶色だったか思い出せないが、大変な事態に
なったと思った。会社が無くなると思った。
横断歩道を渡って、自車の駐車場のフチに立った。
みんな何しているのだろう、出てこない。呆然として
いると、遠くで大きな声がした。同じ所属のヤスさんだ。
こちらを見て、両腕で大きく○を作っていた。そうだ、
私の所属の避難場所はココじゃなかった、と走り出した。
オフイスBの裏手で、室長は赤ヘルの防災隊長となり、
点呼をとりはじめていた。私が到着すると、『あー良か
った。』と言ってくださった。彼らのオフィスBから私
は一人で別所属のオフィスAに居たのだった。
オフィスBから、防災グッズが入った大きなトランクが
運び出された。中のラジオは動かなかった。過去に電池
から漏れ出した液が本体に付着して接触が悪くなってい
たようだった。情報が何もなかった。
社有車のエンジンをかけラジオを聞いた。ここで初めて
震源地を知った。
避難場所になぜかM部長が立っていた。NES室で会議
だったそうだ。当SKS室を心配して来てくださったの
だろうか。携帯は通じない。無線機で安否確認が続けら
れていた。
『無線機沢山買おうな!』と室長の声。
ちょうどその頃、私は皆が防寒着を着て避難しているこ
とに気づいた。オフィスAのデスクにあったのに、着て
来なかった。更に、自分のキーホルダーもデスクに放置
してきたことに気づいた。『このまま車で避難となった
らどうする・・・』まずい事になった。
程なくして、男性の胸に付けているCOモニターが一斉
に鳴り出した。風上に避難していく途中で他部室の人々
と合流。Baiちゃんの部の人々だ。その中に皆を誘導して
くれる男性がいて、ありがたく思った。
※『単にそういうの好きなんですよね(笑』Baiちゃん
K子ちゃんたちもいた。私服のコートやダウンを着て
いた。避難する前に2階の女子ロッカーに寄ったんだー。
落ち着いてるなぁ。
大勢の人々とCOを避けて移動した場所で、立っていら
れないほどの余震が起こった。そこには50m以上もあ
るエントツが立っている。見上げると先端が大きく揺れ
ていた。『部長、コレ唐黷ワすか?』と尋ねると、
『唐黷ネいと思うー。』とおっしゃった言葉に安堵した
が、もっと広々した場所に逃げたかった。
余震が納まって見渡すと、部長と私はSKS室のメンバー
とはぐれてしまっていた。COモニターが鳴らないこと
を確認しつつ、元の場所付近でSKSと再度合流した。
落ち着きを見計らって、防災隊長に『防寒着とキーホル
ダーを取りに行きたい』と申し出た。『いいよ。悪いけ
ど、付いて行ってあげて』と意外にもOKが出た。
ヤスさんが付き添ってくださった。オフィスAの裏口の
外で、『3分を目処に戻ります』と言ってヤスさんを残
し、一人で中に入った。3階まで駆け上がると、オフィ
スのガラス扉が閉じられていた。“まさか!まさか!
カギかかってる?”
開いていた。
※省エネのため、普段 扉は閉じていたのを忘れていた。
誰もいないオフィスは不気味だった。散乱した書類・
キャビネット、ビービー鳴っている電話など・・・。
一目散に奥にある自分のデスクに行き、キーホルダー
・防寒着・軍手をつかんで走った。避難したあとに戻る
なんて最悪パターンだと思った。
急いで下に降りる途中、物欲が沸き、2階の女子ロッカー
に立ち寄った。お財布などが入ったバックを取り出した。
私服はダメになっても良いと思って残した。ロッカーの
カギの開け閉めが、数分かと思うほどモタモタしていた。
今オフィスが崩落したら・・・中に居るのは私だけだった。
さらに慌てて1階出口に向かうと、3階の人々が中に入っ
てきた。“寒いから1階で待機する”と言っていた。
外にでると、ヤスさんが心配そうに待っていた。
再びSKS室の待機場所に戻った。隊長の号令のもと、
オフィスBの2階に戻ることになった。建物の中に入る
のは、崩落するのではと浮ゥった。
こちらの私のPCは、停電のため使えなかった。何も
できない状態だった。
突然、爆発音が2,3度した。隣のT電か?もっと遠く
なのか?
いずれにせよ、停電では当社はどうなるのか・・・。
※C石油の火災の始まりだったのだと思う。
男性陣は徹夜で復旧作業となるのかな・・・。
他部室の女性はどうするのだろう・・・。再びオフィス
Aに行って、様子を伺うことにした。オフィスBから出
ると、オフィスAの裏口に“ティファニィ&ももこ”の
姿が見えた。オフィスCから戻ってきたんだ。
走ってオフィスAに行った。1階ロビーでは、待機中の
3階SK部の人々が“女性はもう帰るよ”“帰る人は、
ここにサインと連絡先書いて”と言った。
ならば私もそうせねば。安全に自力で帰宅することが、
会社に迷惑を鰍ッないこということだ。その前に2階で
“ティファニィ&ももこ”を探した。
2階のオフィスでデスク整理をしていた。
車で繋がって帰ろう、という事になった。
再びオフィスBに戻り、上司に許可をとる。
防災隊長=室長は電話中(電話が通じたのかな?携帯だ
ったのかな?通じたのかな?でも確かに何かで通話中
だった。)だったので、Cさんに周囲の女性の状況を伝
え、帰らせていただくことにする。
※近くにM部長がいらっしゃった。部長はご自宅が東京
だから、ここにお泊りだったのでしょうか?GJ室時代
は寝袋をお持ちでしたよね。
オフィスAの階段を上がると、女子ロッカー室の扉が開
いていて、停電の暗い中で“ティファニィ&ももこ”が
着替えていた。
『うっそ、このまま帰ろうよ。』
私は私服をかかえて制服にヘルメットのまま帰ることに
した。ヒールの靴はロッカーに残した。
K子ちゃんは帰宅前に3階から電池類の箱を取り出して、
1階で待機している人々に渡していた。ホント、落ち着
いているなぁ。
※『あの揺れは、ここが震源地の揺れではなかったから
そう慌てなかった』byK子
Jちゃん、ティファニィ、ももこ、私が繋がって走る
予定だった。駐車場の自車に乗ったとたん、なぜか携帯
をいじり始めてしまった。
ティファニーが駐車場の出入り口で待っているのに、
なぜだろう。あわてて、発進した。3人の車はもうい
なかった。
駐車場から出て右折すると、3人の車が対向車線を走行
中だった。こちらの車線は液状化で水浸しだったからだ。
追いついたところで、私の前の車は“ももこ”という
ことに気づいた。
いつもの出口、正門に向かっていた。ただ、JDS方向
の道路には行かず、直進して新しい道路を左折した。
パトカーが前にいて、付いていけば安全かと思って。
Jちゃんとティファニィは更に直進したようだった。
※『O門から出ようとしたら、閉鎖されていて、
UターンしてM門からでたんです!』byティ
そうそう、M門への合流地点で、ティを入れてくれたの
が、K子ちゃんだったって気づいてた?K子ちゃんいわ
く“O門閉鎖されてたのかぁ。どうりでヘンな方向から
(ティが)来くるなって思ったー”
正門への道は渋滞していた。カーラジオから火災発生の
ニュースも流れていた。
MICOちゃんから“大丈夫?”メールが入ったのが
この頃だ。ニュースを見たと言う。そのとき、道路を
火災発生方面に向かっていた。“火事ってドコ?
渋滞していて、会社から出られない”と返信した。
※結局この日の22:00過ぎにココでの火災は
無しとTVにテロップが流れた。
1時間ほどかかって、正門を出る直前に17:00の
時報が鳴ったのを記憶している。少し進んだ、“ありお”
とHM'Sの間の交差点待ちのとき、背中で爆音がした。
振り返ると、大きな炎か見えた。Bオフィスの人々を
思った。
自宅のことは考えないようにしていた。これは運命だと。
携帯は通じない、母はメールが出来ない。
ただ、母が外出していないことだけを祈っていた。
自宅付近に差し鰍ゥると、薄暗くなり始めた家々の玄関
に明かりが灯っていた。停電はしていないのかも・・・。
自宅前についた。
想像に反して、誰も外で待避していなかった。
母は無事家にいた。
自宅1階は、食器ひとつ壊れていなかった。
断水もせず、停電もせず、ガスは元栓でロックされ、
母がロック解除を済ませていた。
会社のCさんに、無事帰宅を送信した。18:00を
回っていたと思う。
『良かったです。こちらは大変です。』という返事だった。
2階は不安定な吊り鉢が1つ落下。バラの水栽泊}し木
のビンが唐黶Aそして・・・・・
今後の停電に備え、早めの夕食。
すると、MICOママがM彦と一緒に来てくれた。
『MICOが『Rosepoint』が渋滞で家に帰ってない
かもしれないと。』
ありがとう。私がMICOママのとこに連絡に行くべき
だったね。
以上、今までに経験したことの無い危機に直面し、
慣れず忘れず、今後に備えるため、記録しました。