穴にハマったアリスたち

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劇場版 仮面ライダーディケイド「オールライダー対大ショッカー」

2009年08月22日 | アニメ・日曜朝 感想その他
先週末に見てきました。
毎年恒例の某映画館で、毎年恒例の悪友と。
この謎同窓会も長く続いたもんだ…。

■劇場版 仮面ライダーディケイド「オールライダー対大ショッカー」

「10年に1度のお祭り企画」のみならず、これまでの「仮面ライダー」の集大成のようなお祭り企画でした。
全くもう、前日の夜に酒飲みながら考えた企画書を、そのまま推敲なしでゴーサイン出すなとあれほど…。
作ってたスタッフさんの大盛り上がり具合が伝わってきて、それが何より楽しかった。

で、細かいところは突っ込まれまくってると思うので、個人的に強く思ったところを。

ようやく辿り着いた「ディケイド」の世界。
そこで色々あって自分の世界に絶望しきったディケイド兄さんは、心身ともにズタボロになりながら、夏みかんさんのところに逃れてきます。
場所はいつもの写真館。そこはディケイド兄の帰るべき場所。

けれど夏みかんさんは、きっぱりと言い切ります。

夏みかんさん:
 「私の世界に、逃げ込まないでください」

閉じられる扉。追い出されるディケイド兄。「俺にはもうここしかないんだ」の言葉も虚しく、夏みかんさんは完全拒絶。
テレビでやってきた「帰る場所」云々は何だったのかと言いたくなるほどの冷たい対応です。
でも物凄く納得がいった。

ちょっと話が飛びますが、ミヒャエル・エンデ作の小説「はてしない物語」(ネバーエンディングストーリー)を思い起こしました。
現代の少年がファンタジー世界に迷い込んで大冒険、という割とよくある世界設定なんですが、特異的なのが「長時間、ファンタジー世界にいると現実世界のことを忘れて廃人になる」設定。
「夢いっぱいのファンタジーや想像力は大事だけど、そればっかりだと死ぬよ?」という、要はネット廃人の出現を予言したかのようなお話です。

翻ってディケイド兄さん。
過去の「仮面ライダー」の世界を旅し、「仮面ライダー」の能力を使いこなす夢の設定です。
でも、じゃあ「自分の」世界はどうなのかと。

楽しい旅や夢に没頭するのも結構ですが、それが自分の世界の戦いからの「逃げ」になってしまったら問題です。
我が身に置き換えてみると、酷く胸に突き刺さりました。
24時間年中無休でプリキュアさんのことを愚妄して現実逃避してる身としては、実に耳に痛い。

美翔さん:
 「私の世界に逃げ込まないで欲しいの」

返す言葉もありません。

二次世界で気分転換するのは悪いことではもちろんない。
でもやりすぎたら元も子もない。
アニメやゲームに限らず、野球やサッカーで暴徒と化すほど熱狂してる人たちや、逆に仕事にのめり込みすぎてる人等々、何かに夢中になることが「逃げ」になってしまってるケースは多々あります。

これを受けて、劇場版の前半戦では各種の過去ライダーの能力で景気よく戦っていたディケイド兄が、後半戦では己の能力のみで戦っていたのが印象的でした。
最終的な決め技も、自分自身のファイナルフォームライド。
そしてそうやって己の戦いに向き合った時、それでも本当にどうしようもない時、必ずヒーローは助けに来てくれる。

敵さん:
 「お前たち仮面ライダーは、死んだはずではなかったのか!」
歴代ライダーさん:
 「俺たちは死なない。必ず助けに現れる」
 「それが仮面ライダーだ」

根拠なんざない。ソースなんてない。でも必ず奴らはやってきて、共に戦ってくれる。
熱いのは、ディケイド兄自身もまた「仮面ライダー」であること。
もしも他の仮面ライダーがピンチに陥ったならば、やっぱりディケイド兄も助けにやってくるんでしょう。それが、仮面ライダーだからだ。

そしてそれを言い切るだけの覚悟を持てるのは、自分自身の世界に全力でぶつかっていってるからこそと思う。
この季節、同窓会やら盆やらで昔馴染みとも会いますが、この1年間で自分は成長してるんだろうかとかそういうことを思うわけですよ。
「オールスター」もののコンテンツを見るたびに、「ああ、良いなぁ」「ああいう仲間が欲しいなぁ」「ああいう戦いをしてみたいなぁ」とか思うわけですが、同時に「果たして自分はそれに見合うだけのレベルに達してるのだろうか」とも思うわけですよ。
現実世界でも、特に根拠もなく、居合わせた人たちやこれまでの縁で共闘する機会は少なくないです。
でもそんな機会に立ちあっても、自分自身の戦いから逃げてたら胸を張って戦いに参加できない。どんなに別世界に精通しようとも。

繰り返しですが、決して二次世界に(そしてスポーツや仕事やその他諸々に)熱中することは悪いことではない。
ディケイド兄とは逆に、自分の世界に引きこもっていたディケイド妹(変身しそうだ)もまた、違う意味でダメダメです。
線引きは非常に難しいけれど、どちらに逃避することもなく、自分自身の戦いが起こった時には、ちゃんとそれに向き合わないとダメだ。
そしてきちんと向き合うとき、必ず「彼ら」は助けに来てくれる。
逆に「彼ら」がピンチになってる時、必ず助けに行ける。

そんなことを強く思った映画でした。


(左画像)
劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー オリジナルサウンドトラック

(右画像)
決定版 劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー超百科 (テレビマガジンデラックス 200)


【蛇足1:これも集大成】

もはや劇場版の真の主役:オロナミンC。
今回の登場シーンも、とても格好良かったです。
やっぱオロナミンCの兄貴が出てくると、「ライダー」映画は引き締まるな!

【蛇足2:たっくん】

私は「555」の信者なので、あえて書きたい。

歴代最強ライダーの話題になると必ず出てくるバイオライダー。
その液状化能力を打ち破ったのは我らの555でした。
彼の「相手を固定して撃ち抜く」キックの特性は、確かにバイオライダーに突き刺さります。
対カブト戦でも活躍したりと、555はジョーカーみたいな強さを誇るなぁ…。
これが仮に、バイオではなくロボライダー相手だと、普通にはじき返されそうなところもまた素敵。

ライダー全員集合の際、微妙に立ちポーズが遅れてたのも目立ってて可愛かったです。
たっくん555の特徴「片手をがしゃりと振る」をやるかどうかちょっと迷って、そのせいで出遅れました、みたいな感じ。
555はどうしてこうも癒しポジションなのだろう。

映画の帰りに、パンフレットはお約束として、衝動的にストラップも購入してしまいした。555の目当てで。

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