穴にハマったアリスたち

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「プリキュアの報道は妥当」への反論

2012年09月11日 | プリキュア雑談・総合
見かけたので、幾つか指摘。

プリキュアの報道は妥当

[引用]
 幼女に対する犯罪があると、その犯人の趣味が報道されることが多い。
  先日も「犯人はプリキュア好き」という報道があり、これに対し、多くのアニメファンから「なぜそんな報道になるのか!」という憤りの声が湧き上がりました。

 しかし、私は、これは妥当な報道だろうと思います。
[引用終]


おかしなところがあちこちあるので、順に書いてみる。

[引用]
 「犯人はプリキュア好き」という報道から、「アニメと幼女に対する性犯罪」についての考え方を整理すると

   1.相関がない
      「アニメと幼女に対する性犯罪」は何の関係もない。
    2.相関があって因果関係はない
    幼女に犯罪を犯すような人はアニメを好む傾向が強い。
    3.正の因果関係がある
      アニメを観ることによって幼女に犯罪を犯すようになる。
    4.負の因果関係がある
      アニメで幼女に対する劣情を昇華できる。
    5.とにかくむかつく
      (分からなくはないですが……)

(中略)

 マスコミや憤りの声を上げている人が非常に多くいますが、いったい、どのような立場で憤りの声を上げているのか分かりません。(つまり、5じゃないかと考えます)
[引用終]


いや、「3.の否定」で声をあげているのでしょう。
どこから「とにかくむかつく」だろうと考えたのかが理解できません。
というか、最初に読んだときは

「5.とにかくむかつく(のでアニメと少女への性犯罪を関連付けて報道している)」

の意味かと思いましたよ。
まさか逆の想定をしているとは、意味が分からない。

[引用]
 例えば、アニメに興味がある人と、幼女に対する犯罪を犯した人の人数が以下の様になると仮定すると

(中略)

 アニメが好きな人はそうじゃない人に比べ、16倍も「幼女に対する犯罪を犯す」可能性が高いことになります。私はもっと高く数十倍になるのではないか?と考えています。
[引用終]


確かに「仮定すると」いくらでも数字を挙げられますが、何の意味があるんでしょうか…。
肝心の「本当にそうなのか」を伏せていては、そもそも相関があるかどうかの説明になっていません。

[引用]
 尤も、統計データに基づくものではなく、仮説であり印象に過ぎません。

 が、仮説を語ってはいけない、印象を語ってはいけない。ということはないのです。

 もし、「報道が気に入らない」と考えるのであれば「ほぼ1倍である(相関はない)」とデータを示すか、「ほぼ1倍である」という仮説を立てて、相手の仮説を崩すしかありません。
存在しないことは悪魔の証明ですが「相関がないこと」を証明するのは悪魔の証明ではないのです。
[引用終]


いや、根拠のない仮説を印象で語っちゃダメでしょう。
語る自由はありますが、「根拠ないよね」と指摘されれば「ごめんなさい」するしかないし、「根拠はない」のだから誘導するようなことを書いた時点でアウト。

「なんかよく分からないけど、酢って健康に悪いよね。だって酸っぱいし」
「だから『衝撃!がん患者の大多数が酢を食していた!!』と書いても問題ないよね」
「もし酢が健康に悪いわけではないと言いたいなら、そっちが根拠を示さないと説得材料にならないよ」

こんなアホなロジックが通ると思ってるのかしら。

[引用]
 ところが、その様なデータは存在しないようですし、出てくる反論は「犯罪者のほとんどが米を食べていた」とか、「犯罪者のほとんどが水を飲んでいた」のようなもので、それら例と比較すれば、「犯人はプリキュア好き」という報道の正当性を証明することにしかなりません。
[引用終]


何故???
「犯罪者のほとんどが米を食べていた」は、「共通項があっても因果関係はない」を示す定番の反論です。

おそらく「米を食べていない人の犯罪率」と比較していないので、反論として不適。と言いたいのかとは思いますが…。
それはそのまんま、「アニメを好む人は犯罪率が高い」の根拠が不十分(アニメを好まない犯罪者との比較が抜けている)に直結します。
この人自身、何をどう反論すればいいのか理解できておらず、悔しくてとりあえず「おかしい!おかしい!なんで分からないんだ!」と書いちゃっただけに見えます。

[引用]
 「幼女(幼児)に対して性的興奮を覚える」ことは、治療が必要な性嗜好障害という病気です。であるなら治療が必要です。
[引用終]


何故???
性的興奮を覚えるだけなら自由です。内心の自由は憲法で保証されています。

この論法では、女性に対して性的興奮を覚えることだって治療が必要でしょう。
性犯罪者の圧倒的大多数は、それが原因で犯罪に走ってるんだから。

[引用]
 なお、「同一視する人が多い」という統計がどこにあるのか?って思う人は、親戚が集まる冠婚葬祭や、就職活動の面接で「プリキュアがどれほど好きか」語ってみれば理解できると思います。
  もちろん、アニメ関連の会社では喜ばれるでしょうが、実際には隠す人がほとんどですから、実は分かっているのではないでしょうか?

「常識ではない」ということを示すために、統計データが必要で、常識であれば統計データは不要です。
[引用終]


親戚が集まる冠婚葬祭や、就職活動の面接で「プリキュアがどれほど好きか」を語ることは困難でしょう。
同様に、趣味の昆虫採集や読み終わったばかりの推理小説のネタばらしや昨日食べた朝ごはんを、いきなり力説することも困難ですが。

この筆者は、親戚の葬式で「先週の連ドラのシナリオ展開は実に良かったよね」と熱弁出来なければ、「やはりドラマを視聴することは性癖の暴露と認識されており、恥ずべきものなのだ」とでも考えるのでしょうか。

故人や話題の親戚と関係ある趣味でなければ、どんな趣味であっても普通は語りだしたりはしません。常識で、考えよう。

[引用]
 「アニメを好む自由」と「性癖の自由」の違いは、そういう趣向のない人にとっては判別ができませんし、後者はどんなに主張されても認めるわけにはいきませんから、判別できない主張を繰り返すなら、女性専用車両にあたるような規制がなされる可能性も捨てきれません。
[引用終]


前提となる「アニメを好む人は、それ以外の趣味と比して犯罪に走りやすい」が根拠不十分なので、論に意味なし。
そもそも「性癖」は犯罪ではありません。性癖(や他の理由)に基づいて犯罪を行って初めて問題になる。

[引用]
 もちろん「相関すらない」と証明できるなら有効ですが「データがないから相関なんてないんだ」というような話では、多くの人を納得させることは不可能でしょう。
[引用終]


第一に「相関がある」と示さなければいけないのは報道側なのですが、全くなされていない。
何せこの記事を書いた筆者ですら逃げている。
であるならば、問題視すべきは「偏見で貶めている」でしょう。

「黒人には犯罪者が多いイメージがある」
「そんなデータはないと言っても、説得は不可能だ」
「まず黒人同士で、『犯罪はやめよう。肌が黒いことと犯罪は相関があるとして、通院することを検討せよ』と啓蒙しあえ」

これと同種のことを、何故に言い張れるんだろうか。

次に「相関があるかどうか」に話をすり替えている。
なんと筆者は負の相関がある場合ですら問題視する構えです。

「柔道が普及したことにより不良が減った」
「これは暴れたい欲求が柔道に昇華されたためだろう」
「この場合も、(負の)相関があると言う」

ここまでは正しい(可能性がある。見せかけの相関の場合も多々あるので断言はできない)。
ですが、

「故に柔道を行っているものには病的異常者が多い」
「事実、柔道の普及とともに不良が減少しているのだ!相関は、ある!!」
「だから柔道道場では、異常暴力者は通院すべしと啓蒙し、広く社会に周知すべきだ」

こんなこと言いだしたら意味不明です。
「柔道をやったら不良になる(正の相関)」ならまだしも、逆ですら敵視ですか。


察するにこの記事、よく言われる「アニメ好きには犯罪者が多い、というデータはない」ことに対する反論をしたかったのだろうとは思います。
ですが「データはないが自分たちは正しい。反論するならデータを出せ」とか「負の相関であっても問題だ」とか、さすがに会話になってません。
「アニメに限ったことではない」ことを根拠にして誤魔化そうとするのも、よくある手ですね。(冠婚葬祭でプリキュアの話題はできないだろう?とか。いやそれ「プリキュア」に限ったことじゃないから)

「アニメ好きと犯罪には(正の)相関がある」と主張すること自体は良いと思いますが(思想の自由はある)、やるのであれば理屈は踏んで貰わないと。

[蛇足]

「一般的に忌避されている」が筆者の唯一の拠り所のようですが、実際のところどうなんでしょう。
私の場合、職場にも嫁にもその実家にも普通に知られています。
ですがそれが何か問題になったりはしていない。もちろんアニメ関係の仕事というのでもない。

そういうもんだと思いますよ、現実は。

上に挙げたような「冠婚葬祭の場で力説する」ようなことをしない限り、排斥されるもんじゃない。
逆に空気読まずに騒ぐようなら、プリキュア云々と関係なく、どんな趣味でも白い目で見られる。
この問題を混同してるだけじゃないかと思います。

例えば私は「赤毛のアン」シリーズの第三巻「アンの愛情」が好きです。
でも、さして親しくない人に(というか親しい人であっても)、いきなり「アンの愛情が好きです。具体的にルビーギリスの他界シーンに対するアンの描写や、続編もの特有の「その後の人々」の雰囲気、特にプリシラやステラの活躍が良くて…」とか言いだしたらドン引きされるに決まってる。

だから何か言うとしても「趣味は読書です」程度にとどまるし、深掘りして突っ込まれたら「例えば『赤毛のアン』が好き」と答える。
「ああ、私も好きです。あれ知ってる?」と更に深く聞かれたら、話の流れを踏まえつつ、深い話になる。
まぁ「だからプリンス・エドワード島に旅行してみたいんですよ」くらいのライトな流れになるのが精々ですが。
これは「『赤毛のアン』は恥ずかしい趣味だから人前で言えない」のではなく、会話ってそういうもんでしょう。

[蛇足2]

ついでに書くと、筆者の拠り所が「常識だ」なのだから、「常識で考えて報道はおかしい」でも反論できる。
何せ筆者の挙げた「常識で考えておかしい(冠婚葬祭の例、等)」は、常識で考えて破綻しています。

現実に、私や身の回りで迫害された例はないし、関連職業や保育士、主婦等々の友人も何名もいる。
この状況下で「忌避されるのが常識だ」と言われても、説得力がありません。
筆者の常識がずれてるとしか思えない。

ただこれに関しては、私らの側にも問題はあるかなと思う。
そろそろ「趣味がバレてイタタタ」的ネタは時代錯誤じゃないかな。

[蛇足3]

「プリキュアは中学生であり幼女ではない」という反論も可能は可能。
ただこれに関しては、再反論が思いつく。

あの子らの想定年齢がいくつなのか?といえば、未就学児童から成人までブレにブレると思う。
ターゲット児童の精神年齢に合わせた言動をする場面では低年齢化するし、大いなる決断をする際には大人よりも遥かに成熟した思考をなさる。
状況に合わせて、そこまで大きく振れるというのもアニメの強みの一つでしょう。

というわけで、数字上の設定年齢で戦うのは、ちょっと難しいかなと。

[追記]

ご指摘いただいたので、ちょっと書き方を変えてみた。少しはマシになったかしら。
コメント
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