ロンドンオリンピックの男子サッカー3位決定戦で日本は韓国チームに敗れました。力の差はかなりあったようです。それはそれとして健闘した両国のチームには称賛が送られるべきですが、試合終了後に不愉快な出来事がありました。
韓国チームの1人の選手が観客から大きな紙のボードを受け取り、ピッチを走り回ったのですが、そのボードにはハングル文字で「独島(日本名竹島)は我々の領土」と記されていました。五輪憲章第5章に「五輪に関するあらゆる場所で、いかなる種類の示威行動、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動も認められない」としているからこの選手の行動(ボードを手渡した観客も含めて)は、明らかにそれに無視した行為です。国際オリンピック委員会(IOC)の広報担当者は、この件について調査を始めたことを明らかにし、韓国オリンピック委員会に対し、速やかな対応と当該選手のメダル授与式への出席取りやめを求めました。当該選手は授与式には参加しませんでした。
この選手の行動は、試合開始の12時間ほど前に韓国の李大統領が初めて竹島に上陸したことを受けてのアピールであることは明らかのようです。李大統領は最近実兄が逮捕されるなどで人気が凋落しているので、竹島上陸は人気回復のためのパフォーマンスと見られています。
いずれにしてもこの選手のパフォーマンスは愚かと言うほかはなく、これには韓国のメディアもさすがに批判的と思いきや、例えば韓国紙の毎日経済(電子版)は「勝利確定後、紙をさっと掲げて感動のセレモニーを演出した」と称賛するなど批判的な報道はほとんど見られなかったようです。また、各メディアは「立派だぞ」「日本よ見ているか?」などと手放しで喜ぶネット上の書き込みも紹介したといいいます。偏狭なナショナリズムの極みと言うべきで、ただただ呆れるばかりですが、この韓国メディアのあり方には危険なものを感じます。この事件で韓国チームのメダル剥奪まではいかないでしょうが、この愚かな選手を帰国後英雄扱いなどしたら、韓国国民の国際的な良識が疑われます。
竹島に対する韓国の実効的支配は、進んでいるようですが、日本政府は粘り強く日本の主張を国際的に訴えていくべきだと思います。