近頃は政治家たちの写真を見ると、何かしら嫌な感じがすることが多いのですが、下の写真とそれに関する記事を見た時には、強い不快感と怒りを感じました。
「みんなで決めよう『原発』国民投票」という市民団体が、東京電力管内の原発稼働の是非を問う住民投票条例制定を目標に、約32万3千人分の有効署名を東京都に提出し、条例制定を直接請求しました。この条例は、原発の稼働を止めることを求めているのではなく、稼働の是非についての民意を問うことを決めようというものですが、東京都議会は自民党、公明党、民主党の一部議員など82人が反対し民主党の一部と共産党、生活者ネットワーク・みらいの41人が賛成はということで否決しました。これに対して傍聴席が騒然となった時に石原知事がそれに向かってとったのがこのポーズで、傍聴人の一人が撮ったものです。
インタネットで見るとこのポーズは、サッカーなどのスポーツの試合の際に、選手や監督、審判に向けて発せられるブーイングのポーズです。
このポーズの由来は古く、もとは「殺せ」という意思表示でした。古代ローマのコロシアムで行われた剣闘士の闘いという見世物に、ローマ人たちは熱狂したのですが、試合に負けた剣闘士は手を挙げて助命を乞うのに対して、勝った剣闘士が観客にその意志を問いかけ、観客の多くがこのポーズをとると、臨席した皇帝もそれに従って同じサインを出し、勝者は直ちに敗者の息の根を止めました。血生臭く残酷な競技でしたが、剣闘士の多くは戦争捕虜や罪人でした。
さて、このような由来を持つブーイング・ポーズですが、石原知事はいったいどういうつもりでこのようなポーズをとったのでしょうか。私は剣闘士競技の「殺せ」のポーズであることしか知りませんでしたが、ネットでこれはブーイング・ポーズであることを知りました。しかしこの場合は石原知事の意に沿った採決結果ですから、いわゆるブーイングの意味でもでもなさそうですが、騒然とした傍聴者にたいして「黙れ」という表明だったのかもしれません。いずれにしても議会での知事の態度としては傲慢で、市民をバカにし見下した彼らしく品がなさすぎます。「反対して騒ぐ者は殺せ」とでも言っているようにさえ思います。気分は皇帝と言うところでしょうか。私には老残、老醜そのものに見えました。東京都民はこの知事を4選させ、強く支持していますが、それでもこのような態度にも共感するのでしょうか。
松下政経塾が育てた塾生が今の政権の中心に座り悪政推進。
次は維新政治塾生か。許してはならない。