胸部大動脈瘤の手術を巡って医師である親子、恋人、刑事などが繰り広げる愛憎の物語という形容が当たっているでしょうか?
実は小生も17年前に人工心肺を使った大動脈弁狭窄症の手術を受けました。この物語もほぼ同時期に週刊新潮に連載されたものです。
小生も手術後ずっと術後の経過観察をして貰っていましたが、9年前に不整脈がキッカケで上行大動脈の拡大(大動脈瘤)を指摘されてしまいました。その時の医師の説明によると二尖弁の患者は長いこと心臓から血液を送り出す時に圧がかかっていたので、瘤が出来る事が多いのだそうです。
現状、45㍉程度ですがこれが50㍉を超えると人工血管に置き換える手術が必要とのこと。正にこの物語の患者と同じ手術になります。
クライマックスは欠陥車が道を塞いだために、救急車に乗せられた怪我をした恋人が手術に間に合わず亡くなってしまった事に復讐するため、欠陥車のメーカーの社長の手術を妨害して殺そうとする元恋人。
犯人によって電源を喪失した手術室で何とか手術を成功させようと協力し合う医師達、看護師、臨床工学技師などの闘い。
結局は刑事と恋人の説得に応じてハッピーエンドとなるのですが、17年前のオペを思い出してしまい、もうこの歳になって人工血管の置換手術は勘弁して欲しいと改めて思ってしまいました。
大動脈瘤の拡大が起きないように祈るばかりです。