斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

「ジェンダー・クオータ」

2018-10-30 23:55:57 | 歴史
「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が成立し、この法律を
実効性あるものにするために全国でさまざまな活動が繰り広げられています。
「クオータ」・「パリテ」の成立の歴史的背景を基に私の意見も交えながら
情報を紹介します。

ノルウェー⇒北欧諸国⇒欧州⇒世界にクオータ制が広がる中で、1990年代は
イタリアやフランスなどで「クオータは男性への逆差別ではないか」という
違憲訴訟があり、フランスでは違憲の判断が下されたことに対して憲法を改正
して、パリテ法を作りました。「パリテ」は「完全なる平等」を意味する言葉
だそうです。

ベルリンの壁が崩れ、「民主主義とは何か」という命題をつきつけられ、
当時、フランスの女性国会議員比率が欧州最低でギリシア以下になったことが、
世界初の「人権宣言」をした自負、先進国として恥ずかしいことだ、という
共通認識がフランスで広がったようです。パリテ成立前のフランス議会は、
9割以上が男性であり、日本以下でした。

パリテは、もはや女性への差別是正措置ではない、ということ。
近代社会が当初から男性の市民社会として形成されてきたことを認め、その過ちを
訂正したのがパリテであったというものです。
近代市民社会の民主主義の欠損というフランス・パリテ(2000年6月6日)
の指摘は世界に大きな影響を与えました。50-50の目標は、もはや性差別の
是正ではなく、民主主義社会の実現を目指す人類の課題としてそこにあるように
なりました。

日本で「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が成立した背景には
1992年に「全国フェミニスト議員連盟」が創立され、
2012年に「クオータ制を推進する会」が結成され、
2015年には「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」が設立され、
長い年月をかけて政党や国会議員らへのロビーイングを地道に継続してきた努力の
結果であり、今度は日本が世界に追いつき追い越す番です。


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