9日の夕刊に、絵本作家の松谷みよ子さんの訃報記事が載っていました。
私が食卓に新聞を広げて読んでいると、椅子に座っていたトシヤがガバっと立ち上がって、記事に載っていた「いないいないばあ」の絵本の表紙を指さしました。
あら?覚えていたんだ。
誰もが知っている赤ちゃんの絵本です。
わが家にも「いいおかお」とともに、ちゃんとありました。
トシヤの障がいがまだはっきり分からない頃のことですが、絵本を読んであげても、ほとんど興味を示さない息子に、とっても残念な気持ちになっていました。
それでも、松谷さんの「いないいないばあ」と「いいおかお」は、いつも手元に置いて読んであげていたように記憶しています。
まったく興味も素っ気もないように思えたのに、27歳になったトシヤは、びっくりするほどの反応を示しました。
新聞を見て何度も何度も指さしをする様子を見て、あらためて松谷さんは素晴らしいお仕事をされたのだなと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
トシヤも、実際にはしっかりと絵本を見つめていたのだなと、嬉しいような悲しいようなきもちになりました。